他人からの何気ない一言が気になって落ち込んでしまう、相手の表情や機嫌の変化にすぐ気づく、光や雑音が気になってものごとに集中できない…そんな傷つきやすく敏感な性格の方は、HSPに当てはまるかもしれません。HSPとは、ハイリー・センシティブ・パーソンの略で、人一倍繊細な気質を持つ人を表す言葉です。HSPは、アメリカの心理学者であるエレイン・N・アーロン博士が『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。』という本の中で提唱し、一般にも広く知られるようになった概念です。
HSPの人は、周囲の刺激や環境の変化を敏感に受け取りやすいため、日常生活の中で疲れやストレスを感じやすく、生きづらさにつながることがあります。
HSPの特徴を理解するときによく用いられるのが、「DOES(ダズ)」と呼ばれる4つの特徴です。
D:Depth of Processing(深く処理する)
ものごとをじっくり考えたり、一つの出来事についてさまざまな可能性を考えたりする傾向です。慎重に判断できる一方、「考えすぎてしまう」「なかなか気持ちを切り替えられない」と感じることもあります。
O:Overstimulation(刺激を受けすぎやすい)
大きな音や強い光、人混み、多くの人との会話、忙しい環境など、たくさんの刺激を受けると疲れやすい傾向です。一人になれる静かな時間を必要とすることもあります。
E:Emotional Reactivity and Empathy(感情的な反応・共感性が高い)
自分や他人の感情に強く反応しやすく、相手の気持ちに深く共感することがあります。その一方で、人の機嫌や何気ない言葉を必要以上に気にしてしまう場合もあります。
S:Sensing the Subtle(小さな変化に気づきやすい)
人の表情や声の調子、場の雰囲気、音やにおいなど、周囲のちょっとした変化や刺激に気づきやすい傾向があります。
これらの特徴は困りごとにつながることがある一方、思慮深さや共感力、細かな変化に気づく力など、長所として生かせる場合もあります。
また、HSPに関連して、「HSS型HSP」という言葉が用いられることがあります。HSSは「High Sensation Seeking」の略で、新しい経験や変化、刺激などを求める傾向を指します。HSPのように刺激を敏感に受け取りながら、同時に「新しいことに挑戦したい」「同じ毎日では退屈する」「さまざまな場所へ行ってみたい」と感じる人もいます。そのため、「好奇心が強く行動的なのに、外出した後はぐったり疲れる」「新しいことを始めたい気持ちは強いのに、刺激が多すぎると疲れてしまう」といった、一見すると相反するような特徴を感じることがあります。
・繊細で傷つきやすい性格を改善・克服したい
・感情に振り回されやすく、人付き合いなどをすると疲れてしまう
・職場や学校など、人が多い場所にいると疲れやすい
・音や光、においなどの刺激が気になり、生活しづらい
・HSPの特徴を理解して、仕事や人間関係を楽にしたい
このようなことでお悩みではないですか。
繊細なのは悪いことだけではありませんが、ちょっとしたことで傷ついたり落ち込んだりしてしまうと、毎日多くのストレスを受けるため、つらいですよね。周りに話しても「大丈夫だよ」「気にしすぎだよ」と言われるだけで、なかなか理解してもらえないことも多いです。
「繊細すぎる自分を治したい」「HSPを克服したい」と感じている方もいるかもしれません。しかし、HSPは病気や障害ではないため、HSPそのものを「治す」という考え方には必ずしも当てはまりません。
HSPのカウンセリングでは、繊細さや敏感さをなくすことを目指すのではなく、まずは自分がどのような刺激や状況に敏感なのか、どのような場面でストレスや生きづらさを感じやすいのかを整理し、自分の特徴について理解を深めていきます。
たとえば、人間関係で相手の反応や顔色を気にしすぎてしまう場合には、「相手の気持ち」と「自分の気持ち」を分けて考えることや、自分の考えや気持ちを無理なく伝える方法などについて、カウンセラーと一緒に考えることができます。
また、音や光、人混みなどの刺激によって疲れやすい場合には、刺激との距離の取り方や休息の取り方、過ごしやすい環境づくりなど、自分に合った対処法を探していくこともできます。
このように、自分の得意なことや苦手な場面を知り、考え方や環境の整え方、ストレスへの対処法などを身につけていくことで、日常生活で感じる負担や生きづらさが和らぐことがあります。
一方で、強い不安や気分の落ち込み、不眠などが続いている場合には、HSPの特徴だけではなく、うつ病や不安症など別の問題が関係している可能性もあります。日常生活に大きな支障がある場合は、必要に応じて医療機関への相談も検討しましょう。
一人で抱え込んでしまってしんどい方や、少しでも気持ちを楽にしたい方、HSPかもしれないがどうしたらいいのか分からない方は、ぜひ一度うららか相談室のカウンセリングでご自身の特性と向き合ってみませんか?
※HSPは医学的に正式な病名ではなく、特性をあらわす概念として用いられます。学術研究では、この特性は「SPS(Sensory Processing Sensitivity:感覚処理感受性)」として研究されています。
はい。自分がHSPに当てはまるかどうかわからなくても問題ありません。「人の顔色を気にしすぎて疲れる」「考えすぎて気持ちを切り替えられない」など、現在感じている困りごとについてカウンセラーに話すことができます。
話す内容を事前に整理しておく必要はありません。人間関係で疲れること、仕事や学校で困っていること、苦手な刺激、自分の性格について気になっていることなど、今いちばん話しやすいことから相談できます。
本人がカウンセリングを受ける意思がない場合、まずはご自身でカウンセリングを受けてみることが効果的です。「カウンセリングとはどういったものか」を知り、自分の変化を近くで感じてもらうことで、本人にカウンセリングに興味を持ってもらいやすくなります。
はい。悩みをうまく言葉にできなくても問題ありません。カウンセラーとの対話を通じて、どのような場面で負担を感じやすいのか、何に困っているのかを少しずつ整理していくことができます。
はい。HSPの特性を持つパートナーとの接し方などについて相談することができます。
はい。悩みの大きさにかかわらず、カウンセリングを受けることができます。「この程度で相談してよいのだろうか」と迷っている場合でも問題ありません。