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  1. 大人の発達障害かもしれない?症状、特徴、仕事での注意点を解説

大人の発達障害かもしれない?症状、特徴、仕事での注意点を解説

仕事での飲み会や友人達と話している時に、「場の空気が読めないな」と感じたことはありますか?思い返すと小さいころから忘れ物が多かったり待ち合わせ場所を間違えたり「何でこんなことが起きてしまったんだろう?」と感じることはありませんでしたか。日常生活の中でこんな暮らしにくさを感じているなら、その原因は発達障害と呼ばれるものかもしれません。

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発達障害のカウンセリング

目次

- 大人になってから気づく「大人の発達障害とは?」

- 発達障害の特徴

- 発達障害の種類とそれぞれの症状

- 発達障害が出現する割合

- 大人になってから発達障害に気づくきっかけ・原因

- 発達障害の治療法とは?

- 発達障害による日常生活の悩みを解消する方法

- 発達障害に気づいても仕事は続けられる?

大人になってから気づく「大人の発達障害とは?」

自分ではごく普通に生活しているつもりでも「変わった人」と言われることが多くありませんか?大人の発達障害を持つ方はその特徴によって、周囲となんとなく溶け込めないようなことがよく起こります。

発達障害とは、脳機能の発達が他の人と違うために起こる障害です。似たような症状でありながらも、知的障害の有無や特に顕著な症状の現れ方によって少しずつ診断名が変わる障害です。

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発達障害の特徴

発達障害と呼ばれる方には、以下のような特徴があります。


① 興味や関心の限定

人や物、色、位置関係、時間など限定されたものへの執着といえるような興味の持ち方があります。自分の予想している時間から1分でも過ぎると不快感が残ったり、好きな色が1色あれば、その色の服ばかり買い揃えたり、変化やズレを苦手とします。いつしかそれが自分だけのルールや捉われに変化していることもあるでしょう。その代わり興味を持ったものをとことん突き詰められるような特徴もあり、それが非常に役立つこともあります。


② 他人との関係を築くことの困難さ

人に対して興味が薄い、または深い関係を築くことが難しいといった特徴や、人に興味はあるけれど会話やコミュニケーションがうまくいかないという特徴があり、他人と関係を築くことに大変苦労を伴います。


発達障害の種類とそれぞれの症状

発達障害の種類には、大きく以下の4つのタイプがあります。


・自閉症

社会性の障害、コミュニケーション能力の障害、興味・関心の限定といった症状が中心となる障害です。3歳くらいまでに症状が発覚し、知的障害を伴うこともあります。


・高機能自閉症

自閉症と同様の特徴を持ち、知的障害を伴わないものを指します。

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・学習障害(LD)

知的に遅れがないものの、聞く、話す、計算する、読む、書くことのいずれかに対して著しい困難を要する障害です。教科書の音読などが必要な際に、文字を追うことができなかったり読んでいる行がわからなくなってしまったりすることがあります。

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・注意欠陥多動性障害(ADHD)

色々なことに気が散ってしまい、いつも落ち着きがなくそわそわしてしまう障害です。その場、そのときに興味が湧いたものに注意が向かってしまうため、本来やるべきことを先延ばしにしてしまったり忘れ物が極端に多かったりという特徴があります。

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発達障害が出現する割合

2012年に文部科学省が行った調査では、発達障害のある子どもの割合は全体の6.5%と報告されました。これは1クラスに1~2人くらいの割合です。大人になると、社会生活を送る上でコミュニケーション能力や約束をきちんと守ることが必要になってきますので、子どもの頃には気づかなかった発達障害に直面することもあるでしょう。

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大人になってから発達障害に気づくきっかけ・原因

発達障害は脳機能の発達にばらつきがあることによって起こる障害ですが、気づくきっかけは日常生活のしづらさです。以下のようなきっかけで「自分は他人と違うことで苦労しているのかも・・・」と気づき始めます。


① 仕事のミスが多い

データの入力や日報のチェックなど正確性を問われる作業に対して、どんなに慎重に取り組んでもミスばかりになっていませんか?注意力が散漫になってしまう発達障害では、ケアレスミスがとても多くなります。


② デスクの上が散らかっている

ADHDがあると、注意力が散漫なため物が散らかりやすくなります。気が向いたときにちょこちょこ物を買ってしまうことも多く、物が溜まりやすい傾向にあります。レジ袋やパッケージから中身を取り出すと、中身に気がいってしまいゴミがそのままになるなど興味のないものには注意が向かない面もあるようです。


③ 報連相が苦手

報告すべきことをなんとなく先延ばしにして注意を受けたり、何をどう報告すればいいのか、誰に報告すればいいのか迷ってしまったり、結果的に報連相が遅れてしまうことが多くなります。

発達障害の治療法とは?

発達障害は治るのでしょうか?残念ながら、答えはノーです。

症状に困る人が大勢いる発達障害ですが、本質は脳機能の違いです。完全に治すことはできません。しかし、症状をカバーし、陥りやすい状況への対処法を身に着けておくことで、暮らしやすい環境に整えていくことができます。

一般的な治療方法としては、以下の2つが挙げられます。


① 認知行動療法

発達障害の治療でよく用いられるのが認知行動療法です。起きていることや自分の気持ちを整理し、考えの歪みを治していきます。考えの幅を広げていくことで、状況や人の気持ちを理解しやすくなります。


② 精神科での治療

漠然と起こる不安など、薬で楽になれる症状もあります。精神科を受診し、相談してみましょう。


発達障害による日常生活の悩みを解消する方法

日常生活で、発達障害による困りごとを解消する方法をお伝えします。


① スケジュール表をつける

発達障害がある方の中には、記憶力が優れているという特徴を持っている方もいます。それに関連して、スケジュール帳をつける習慣がない方も多いです。一方で予定が重複したり、あまりにもたくさん予定が入っていることに気づかなかったりする面もあります。予定をすっぽかしてしまったり、予定を入れすぎて忙しくなってしまうと、心と体のバランスが崩れ、ストレスが溜まる原因になりますので、カレンダーやスケジュール帳に予定を記入する習慣をつけ、予定を見える化しましょう。


② アプリやアラームを活用する

注意力がそれやすい方は、スケジュール管理の際にアラームが鳴るようにするとよいでしょう。また、持ち物管理アプリなどを利用すると、忘れ物も防止できて便利ですよ。今は色々なアプリがあるので、活用できそうなものは試してみましょう。


③ 積極的に人に頼る

発達障害の有無に関わらず、人には得意不得意があるものです。不得意なことは他人に頼ることで、随分と暮らしやすくなります。場合によっては自分が発達障害であることを伝えると、自分にとっても相手にとっても、助けることの心理的なハードルが下がるかもしれませんね。


発達障害に気づいても仕事は続けられる?

発達障害を持ちながらお仕事を続けていくには、なんらかのサポートが必要です。まずは上司や部長などに発達障害であることを説明した方が良いでしょう。理解をしてもらった上で、指示系統を決めてもらったり、新しい作業のときにはマニュアルを作成してもらったり、打診できそうなことはしてみましょう。どんなサポートが必要かわからないときは、カウンセリングなどを利用し業務の振り返りや整理を行ってもよいと思います。

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おわりに

発達障害に気づくきっかけのないまま、社会で過ごしている方は大勢います。悪意はないのに「自分勝手」と言われたり「空気が読めない」と感じたり、生きづらさを抱えて過ごすのは辛いですよね。もしかしたら発達障害かもしれない、と思ったら、病院やカウンセリングで一度相談をしてみてください。誰かに相談することで、うまく状況を整理し、少しでも日常生活が暮らしやすくなるような工夫をしていけるとよいと思います。


(参考文献)

政府広報オンライン https://www.gov-online.go.jp/featured/201104/contents/rikai.html(参照 2020-04-03)

発達障害情報・支援センター http://www.rehab.go.jp/ddis/(参照 2020-04-03)

発達障害のカウンセリング
このコラムを書いた人
精神保健福祉士
精神保健福祉士取得後、東京都のNPO法人に勤務し、精神障害者を対象としたソーシャルワークを行う。福祉制度や年金、生活保護の相談を多く経験、また、リワーク相談や就労支援を実践してきた。臨床化粧療法士®として容姿にコンプレックスを持つ方にメイクを通してのアドバイスも行っている。
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