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  1. 無気力症候群(アパシーシンドローム)の症状や治療法とは?

無気力症候群(アパシーシンドローム)の症状や治療法とは?

更新日 2023.09.12
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うららか相談室

最近やる気が出ない、疲れやすい、体がだるい。こういった経験は、誰しもしたことがあるのではないでしょうか。疲れが溜まっている時や、忙しい時などは、やる気を出そうと思ってもなかなか出ないものです。

しかし、それが長期に渡って続く場合、もしかしたら無気力症候群かもしれません。

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目次

- 無気力症候群とは?

- 無気力症候群の特徴・うつ病との違い

- 無気力症候群になる原因は?

- 無気力症候群になりやすい人の特徴

- 無気力症候群の治療法

- 休日だけ無気力になる人が増えている?

- 無気力症候群にならないための予防法とは

- おわりに

無気力症候群とは?

無気力症候群は、別名アパシーシンドロームとも言われ、その人の本業に対してだけ無気力を感じる状態を指します。仕事をしている社会人であれば仕事が、学生であれば学業が、専業主婦であれば家事が、といった具合に、その人にとっての本業にやる気が出ないという状態を指します。

無気力症候群の特徴・うつ病との違い

無気力症候群では、すべてのことに無気力になるわけではなく、本業以外の遊びや趣味などにはそれまで通りやる気があるため、本人が気がつきにくいという特徴があります。また、うつ病では、すべてのことに対して無気力となり、それまで好きだったことや楽しかったことにも興味がなくなってしまうのに対し、無気力症候群では本業のみにその無気力があらわれるため、病気というよりは「症候群」として扱われています。

無気力症候群は、10~20代の若い女性に増えているものの、競争心の強い10~20代の男性もかかりやすいと言われています。

本業だけやる気が出ず、趣味や遊びへの態度は変わらないため、周りから見たら「サボっている」「楽しい事ばかりして怠けている」と誤解を受けやすい症状です。無気力症候群は努力家の人がなりやすい傾向にあるため、そこで叱責されてしまうと、なおさらやる気が出なくなったり、症状が悪化することにつながりやすいです。

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無気力症候群になる原因は?

無気力症候群になる原因はいくつかあると言われていますが、人生における大きな目標を失った時などになりやすいと言われています。

例えば、一生懸命勉強して志望の大学に入った後、就活を頑張って社会人になった後、子育てが終わって子供たちが全員自立した後、など、何か一つの目標を達成した後、次の目標が分からず無気力になってしまう傾向があるようです。

特に、それまでの目標が周りの期待や世間体によるものである場合、次の目標を自分で設定できず、無気力症候群に陥る可能性があります。親の期待に応えようとしていい大学に入った、周りからの期待に応えようといい会社に入ったなど、自分より周りのことを考えて立てた目標だった場合、やり遂げた後にどうしていいか分からなくなり、無気力になりやすい傾向にあります。

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無気力症候群になりやすい人の特徴

無気力症候群になる原因は色々ありますが、なりやすい人というのはいくつか特徴があります。

 

真面目で一生懸命な人

真面目な人ほど、周りの期待に応えようと頑張るため、無気力症候群になりやすい傾向があります。真面目で一生懸命なのはとてもいい事ですが、それが自分のためや、自分で決めた目標でないと、何のために頑張っているんだろう、という虚無感に襲われやすくなります。

また、小さい頃から親の期待に応えることが当たり前になっていると、大人になった時に自分で主体性を持って動くことが苦手になる傾向があります。例えば、学校も会社も親の勧めるまま人生を歩んできたが、会社に入った途端、次の目標が分からなくなるといった場合は、無気力症候群になってしまう可能性が高いです。

 

完璧主義の人

完璧主義的な傾向がある人の場合、ものごとが100%上手くいっていないと、失敗したと捉えてしまうことが多くなります。100%にするために一生懸命に努力をするという点で、いい面もありますが、手抜きをしないためとてもエネルギーを使います。そのエネルギーが切れた時、無気力症候群になりやすい傾向があります。

 

勝ち負けを気にする人

もともと勝ち負けを気にしたり、競争心が強い人は、それをエネルギーに頑張れるというメリットもありますが、他人と比較して自分が劣っていると感じると、それをなかなか受け入れられずに気力を失うことがあります。

無気力症候群の治療法

無気力症候群は、特定のことだけに無気力になることが特徴で、本人が治療が必要だと自覚しにくいのが一因です。うつ病の場合、無気力だけでなく、辛さも伴うため、本人が治療を求める傾向があります。しかし、無気力症候群では趣味や遊びが変わらず楽しめるため、治療をしなくても自然に治るだろう、と考えやすいのです。


とは言え、放置するとうつ病などの精神疾患につながるリスクも高まります。学校を休んだり、欠勤が増えて家に閉じこもることで、うつ病を発症する可能性も考えられます。


ただ、無気力症候群は病気とは言えないため、特定の薬は存在しません。主な治療法は、生活習慣の見直しと精神療法になります。

 

生活習慣の改善

多くの無気力症候群の患者には、生活習慣の乱れが見られます。不規則な生活は、質の良い睡眠や適切な栄養摂取が難しく、疲れやすく、無気力になりやすい環境を生み出します。日光を浴びる、適切な食事、十分な睡眠など、基本的な生活習慣を整えるだけで、症状の緩和が期待できます。

 

精神療法

無気力症候群は前述したとおり、これまでの目標が突如失われることが原因となることが多いです。そのため、新しい目標設定が可能な環境では、再び意欲を持って活動できるようになります。この目標設定のサポートとして、精神療法が有効です。精神科への受診に抵抗がある方は、オンラインカウンセリングを活用するのも良いでしょう。

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休日だけ無気力になる人が増えている?

最近は、平日は活発に仕事をしているのに、休日に無気力になるという現象が増加しています。これを「休日無気力症候群」や「週末うつ」とも呼びます。


休日無気力症候群は、次のようなことが原因と考えられます。

  1. 仕事の疲れがたまっている
  2. 仕事に精神的に依存している
  3. 不規則な時間に起床するなどの生活習慣の乱れ

対策としては、次のようなことが挙げられます。

  1. 仕事のある日もしっかりと心身を休めるようにする
  2. 仕事のことから離れられる趣味や他人との関わりを持つ
  3. 1.をした上で、休日も仕事のある日となるべく同じ時間に就寝・起床する

無気力症候群にならないための予防法とは

無気力症候群を予防するためには、完璧主義を目指さない失敗を気にしすぎない適度にリラックスすることなどが効果的です。

完璧主義や真面目な性格は一朝一夕で変わるものではありませんが、日ごろから少しずつ意識することで改善していくことができます。

あまり周りと比較して競争したりせず、自分のペースで頑張る、周囲の期待に応えることよりも自分のやりたいことを考えるようにする、そういったことを意識するだけでも、予防効果があるでしょう。

おわりに

無気力症候群は、うつ病に比べると明らかな辛さは少ないものの、長期間無気力な状態が続くことで、「どうしてみんなができているのに自分はできないんだろう」「どうして急にやる気がなくなったんだろう」という疑問や自己非難につながることがあります。

このような状態が続くと、うつ病などの精神疾患に発展する可能性もあるため、少しでも早く気づき、対策を行うことが大切です。

最近やる気が出ないな、いつもと違うな、と思ったら、信頼できる人に相談するか、可能であればカウンセリングなどを活用して、早めに対策するようにしましょう。

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このコラムを書いた人
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