最近は日本でも、「カウンセリング」という言葉が身近に感じられるようになってきました。
自分に自信を持ちたい
イライラしてしまうのをやめたい
くよくよ悩む性格を変えたい
でもどうしたらいいかわからない
カウンセリングを受けてみようかな
そうはいっても、カウンセリングを受けて本当に変われるの?
話を聞いてもらうだけでは意味がないのでは?
こんな疑問や不安な気持ちがある方に、カウンセリングを受けて変わること・変わらないことについて、少しだけ解説します。
目次
- 自分らしく生きる
カウンセリングを受けても変わらないことがあります。
それは、その人にとって土台となる生まれつきの気質です。
生まれつきの気質は遺伝的な要因が関わっており、変えることができません。
産婦人科の新生児室にいる赤ちゃんの様子を見てもわかります。
生まれたばかりなのに、顔つきだけでなく、手足の動かし方や泣き方も、本当に一人ひとりが違うことに驚かされます。
職場の上司の性格や態度も変えられません。
「親が変わってくれれば」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、残念ながら、変えることはできません。
また、相談する方とカウンセラーの関係性によって、カウンセラーを信頼することが難しい場合、大事な気持ちを言葉にすることを控えたくなり、変わることが難しくなります。
カウンセリングを受けるタイミングも重要で、頭では変わりたいと思っていても、こころの準備ができていないと、変えられない、あるいは、変わらない方がいいという場合もあります。
では、どんなことが変わるのでしょうか?
どんなことなら変えられるのでしょうか?
生まれ持った気質は変えることはできないと書きましたが、その気質とどう付き合って生きていくかによって、生きるのが楽になったり、気持ちが安定して、悩みや不安が和らぐことがあります。
例えば、悲観的で引っ込み思案なサッカー選手の気質を変えることはできないけれど、仲間との絆を強くすることで、安心感が生まれ、思い切ったプレーができるようになるかもしれません。
結果がうまくいかなくても、悩んだり、試したり、それに向けて努力したという自分がそこにいることに気づくでしょう。
実は、この「気づく」ということが、「変わる」ということなのです。
それはどういうことでしょうか?
うららか相談室では、臨床心理士・社会福祉士などの専門家を選び、メッセージ・ビデオ・電話・対面形式のカウンセリングを受けることができます。
匿名で相談ができるため、家族や友人に知られることなく、安心して相談していただくことが可能です。
私たちは生まれつきの気質のほか、環境によってさまざまな影響を受けながら、それぞれ固有の経験を積み上げながら、成長していきます。
その過程で、ものの捉え方、考え方、行動パターン、価値観、生活習慣など、さまざまなクセや習慣が形成されます。
その習慣やパターンは自分のよりどころとなる大切な存在ですが、年齢や発達段階、環境によっては、厄介な存在となる場合もしばしばあります。
ところが、自分でも気づかないうちに形成されている習慣やパターンは自分にとって馴染みが深く、当たり前になっており、その存在にすら気付かないこともあるため、うまく適応できなくてもやり続け、行き詰まりが生じてしまうことがあります。
また、身に着いた習慣やパターンを、単にやめたり変えたりすればうまくいく、というわけではありません。
たとえ厄介になっていても、自分にとっては長年付き合ってきた相棒のような存在です。
他に代わるものがなかったら、どうやって対処していけばいいのか。
そう考えると手放すことも不安な気持ちになります。
当たり前になっている習慣やパターンの存在に気づくきっかけのひとつとして、カウンセラーとの対話が役に立ちます。
対話の中で、自分の人生の一部でもある習慣やパターンの意味がわかると、今までのねぎらいの気持ちが生まれたり、新しい手段を探したり、古い習慣を手放す気持ちになれたり。
このように、今まで気づかなかったことに「気づく」、それが「変わる」ことになるのです。
また、人は気持ちが混乱したり、自分の気持ちに蓋をしたり、遠ざけたくなることもあります。
けれども、どんな感情にも必ず意味があるはず。
いい感情も、よくない感情も、大切な自分の一部として受け入れてあげましょう。
自分の気持ちに「気づく」ことは、自分の感情を大切にすることですし、自分自身を肯定できるように「変わる」ことでもあります。
カウンセリングでは、自分の気持ちに向き合い、自分の感情をわかっていくお手伝いができます。
人には「変わる」という力があると同時に、さまざまな要因が重なると、ストレス状態が長く続き、心身のバランスが崩れることもあります。
その場合は、身体へのストレスを減らすため、休養や薬を用いる対処も有効です。
例えば、こんな気になる症状が続いていませんか?
・気分が沈む、何をするのもおっくう、イライラする、怒りっぽい、不安な気持ちになる、気持ちが落ち着かない、息苦しい
・周りに誰もいないのに人の声が聞こえてくる、誰かが自分の悪口を言っている
・なかなか寝つけない、夜中に何度も目が覚める、下痢や便秘を繰り返している、何も食べたくない
本人では気づきにくいこともあります。あなたの身近な人でこんな変化がありませんか?
・服装が乱れてきた、急にやせた・太った
・感情の変化が激しくなった、ぼんやりしていることが多い
・不満やトラブルが増えた、他人の視線を気にするようになった、遅刻や休みが増えた、ミスや物忘れが多い
(参考:厚生労働省 「みんなのメンタルヘルス」総合サイト)
受診のタイミングは難しいですが、とことんまで頑張りすぎず、早めの受診を考えてみましょう。
診察を受けたからと言って、必ず薬が処方されるとも限りません。まずは専門家に相談してみるのもひとつの方法です。
睡眠を十分とれない期間が長く続くようであれば、薬を用いて、脳を休める状態を作ることも大切です。
緊張や不安が長く続き疲れ果てている状態では、眠ること自体が難しくなるうえに、眠らなければと思えば思うほど緊張が高まり、眠れないことで落ち込む・・・そんな悪循環を招くこともあります。
不安は誰にでもあるものですが、日常生活に支障をきたすほど強い不安がある場合は、不安を和らげる薬が役に立つこともあります。
薬に頼りたくないとおっしゃる方も多いですが、薬に頼るのではなく、一時的に薬の助けを借りながら現状を乗り越えることで、「自分はできた」という達成感や自信をもつことができます。
自分が持っている力を発揮できるように、薬の助けを借りるのです。
気分が落ち込む「うつ状態」だけでなく、気分が高まる「躁状態」が交互に表れる場合もあります。
軽い躁状態ですと、本人はもちろん、家族や周囲も気づかないことが多いですが、うつ状態だけのときとは治療が異なるので、少し注意が必要です。
親しい人との別れや、人間関係のトラブルだけでなく、就職や退職、異動や転勤、妊娠や出産、引っ越し、結婚、昇進など環境の変化もストレス要因となります。
臨床心理士とは・・・
悩みを抱える人との対話をベースに、精神分析や心理療法を使って問題の解決をサポートする「こころの専門家」です。
臨床心理士の資格は厳しい学習条件が求められ、心理業界では長年にわたり根強い信頼性を持っています。
うららか相談室には、多くの臨床心理士が在籍しています。
メッセージ・ビデオ・電話・対面、あなたが一番話しやすい方法で、悩みを相談してみませんか。
精神的な混乱が一時的にひどくなった場合は、医師の判断により入院が必要になることがあります。
例えば、自分や他者を傷つけてしまう可能性がある場合や、幻覚や妄想が激しい場合などです。
精神科病院の入院というと、ちょっとびっくりしてしまいますが、昼夜を問わず専門的なスタッフがいる病院では薬の調整や急な変化に対応できますので、安心・安全な場所です。
医師の診察だけでなく、心理士や看護師、精神保健福祉士などによる心理面のケアや生活面の相談ができますし、同じ病気の人と交流することで、「自分だけではないんだ」と思えたり、総合的な支えとなります。
その間に家族も病気について勉強したり、退院後のサポートに備えることもできます。
自宅にいると、家事をしなくてはならなかったり、家族や近所の目があって休まらないという場合にも、入院という方法は有効です。
診察の受け方や薬の飲み方、病気に対する意識の持ち方などを、カウンセリングで相談することが役に立つこともあります。
病院やクリニックに通院していてもいなくても、薬を飲んでいてもいなくても、主体的であることが、自分らしく生きることになると考えます。
自分では、変えたい、変わりたいと思っていることが、それほどダメだったり悪いことではないかも・・・
カウンセリングを受けると、そんな気づきもあります。
悩んでいる方はぜひ一度、カウンセリングを受けて「気づき」を得てみませんか?