臨床心理士とは
悩みを抱える人との対話・やりとりを軸に、臨床心理学に基づく知識や技術を使って、問題の原因を明らかにしたり、解決を目指したりする「こころの専門家」です。
臨床(りんしょう)には、「相談者と向き合う」という意味があります。
臨床心理士の資格は、取得するために厳しい学習条件が求められ、長年にわたって根強い信頼性を担保しています。
臨床心理士がカウンセリングで行うことの一つは、相談者の悩みを引き出すことです。相談者の中には、自分が何に苦しんでいるのか分からないという人が少なくありません。また、いくつもの悩みが複雑に絡んでいることがほとんどです。漠然とした不安や苦しみを具体的にしないまま問題を解決することは難しいので、臨床心理士が相談者との対話の中で悩みを引き出します。
また、引き出した悩みを、論理的にまとめることによって、相談者の頭の中を整理することに役立てます。これによって、相談者が自分の力で問題を解決できるようになることもあります。ただし、必ずしもそうはならないこともありますので、臨床心理士は心理学的な分析のもと、解決方法について相談者に提案・助言を行なったり、状況に応じて精神療法といわれる治療法を実施し、相談者自身の内面の深いところでの変容を促したりします。
臨床心理士のカウンセリングの目的は、目の前の問題を解決することはもちろんですが、一番の目的は、相談者が今後の人生で問題に直面したときに自力で解決できるようにすることです。
例えば、自身の考え方の癖が原因で多くの問題に悩まされてきた人に、今起こっている困りごとの対処法を伝えたところで、今後も似たような悩みを抱えることになるでしょう。この場合の根本的な解決は、相談者が無意識に行なっている考え方の癖に気づき、自分が苦しくならないための様々な行動パターンを習得していくことです。
このように相談者自身の気づきや成長をサポートするのが、臨床心理士のカウンセリングにおける最大の目的といえます。
臨床心理士は、医療、教育、司法、福祉、産業などの幅広い領域で活躍しており、様々な分野の悩みに対応しています。精神科・心療内科・カウンセリングルームなどで多くの臨床心理士が活躍しています。
長年つらい気持ちを抱えてきた方や、自分を変えたいという方にもおすすめの専門家です。