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WAIS-IV(ウェイス4)を受けたい方へ|WAIS(ウェクスラー成人知能検査)とは?

更新日 2025.05.20
カウンセリングについて
うららか相談室

WAIS-IV(ウェイス4)は、成人の知的能力を多角的に測ることができる、信頼性が高い知能検査です。

WAIS-IVを受けたいと考えている方向けに、WAIS-IVの目的や受け方、発達障害との関係などについて解説していきます。

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臨床心理士によるカウンセリング

目次

- WAIS-IV(ウェクスラー成人知能検査)とは?

- WAIS-IVの目的

- WAIS-IVの費用・受け方・場所

- WAIS-IVと発達障害の関係とは

- WAIS-IVの内容

- WAIS-IVの結果について

- おわりに

WAIS-IV(ウェクスラー成人知能検査)とは?

知能とは、考えに基づいて行動したり、知識を習得・選択・応用したりする能力をいいます。また、私たちの知能には個人差があります。知能検査は、知能の個人差を数字にあらわすことができる検査です。

知能検査には種類があり、代表的なものにウェクスラー式知能検査とビネー式知能検査があります。もとはビネー式知能検査によって知能検査がされていましたが、のちに心理学者のウェクスラーが、複数の指数や項目によるさらに実用的なウェクスラー式知能検査をつくりました。現在、ウェクスラー式知能検査は、教育現場、精神科・心療内科での治療、カウンセリング、就労支援、職業訓練などで多く活用されています。ウェクスラー式知能検査には、対象の年齢ごとに以下の種類があります。


・WPPSI(Wechsler Preschool and Primary Scale of Intelligence)

就学前の幼児を対象にしたウェクスラー式の知能検査です。「ウィプシ」や「ウェクスラー幼児用知能検査」とも呼ばれます。


・WISC(Wechsler Intelligence Scale for Children)

5歳~16歳の児童を対象にしたウェクスラー式の知能検査です。「ウィスク」や「児童向けウェクスラー式成人知能検査」とも呼ばれます。


・WAIS(Wechsler Adult Intelligence Scale)

16歳~90歳を対象にしたウェクスラー式の知能検査です。「ウェイス」や「ウェクスラー成人知能検査」とも呼ばれます。


それぞれ、時代とともに内容が改定されています。WPPSI-III、WISC-IV、WAIS-IVのように右側についているローマ数字は第何版かということを指しています。ウェクスラー成人知能検査ではWAIS-IVが最新ですので、第4版ということになります。

WAIS-IVとは、様々な種類の知的能力を把握することができる、16歳~90歳を対象にした現時点で最新版の知能検査です。

WAIS-IVの目的

WAIS-IV(ウェクスラー成人知能検査)はどういったときに、どのような目的で受けるものなのでしょうか。

WAIS-IVは、全ての知能が測れるわけではありません。例えば、自分の人生のあり方について考える能力はテストや数値では測れません。自分の人生のあり方を考えることも、知能の一つですが、このような知能はWAIS-IVで測ることができません。

WAIS-IVで検査を行うのは、知能の中でも主に「認知能力」という力になります。認知能力とは、記憶、思考、理解、認識、判断、問題解決等を行う能力のことをいいます。


では、認知能力を測ることでどのようなメリットがあるのでしょうか。

認知能力は、言語能力、記憶力、計算能力、空間把握能力、注意力、論理的思考能力など、多くの項目に分けることができます。そして、この様々な能力のそれぞれに個人差があります。WAIS-IVのメリット・目的は、このそれぞれの能力を測ることで、自分の得意や苦手を把握し、治療や日常生活に役立てられることです。


例えば、仕事でよく失敗をする人が、失敗しないよう対策をしたつもりでも、根本的な失敗の原因が分からなければ、また似たような失敗を繰り返すということは少なくありません。しかし、WAIS-IVによって「一般成人に比べて記憶力がかなり低い」という自分の認知能力を把握していた場合、一例として「短期記憶が苦手なので、人一倍メモを取るようにする」などの根本的な解決策を見つけやすくなります。


日常生活を送る中で、例えば「自分は空間把握が苦手だ」「記憶力には自信がある」と思うことはあるかもしれませんが、それが実際どの程度のものかという客観的な確認をWAIS-IVで行うことができます。また、WAIS-IVによって、思いもよらなかった自分の得意分野や苦手分野に気づくことができるかもしれません。

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WAIS-IVの費用・受け方・場所

WAIS-IVの検査費用の相場は15,000円~30,000円程です。

心理検査において予習は結果を無意味にする可能性がありますので、行わないようにしましょう。

WAIS-IV(ウェクスラー成人知能検査)が受けられる場所は、精神科・心療内科・カウンセリングルームなどですが、すべてで受けられるわけではありません。全国に窓口がある「発達障害者支援センター」に問い合わせをすることで、住居の近くでWAIS-IVを実施している機関を知ることもできます。

また、うららか相談室では、「WAIS-IVを含めた4つの心理検査」「カウンセラーと一緒に結果の解釈を行う相談」がセットになったカウンセリングプログラムを実施しています。

以下から詳細をご確認いただけます。(※実施は東京都内)

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うららか相談室では、WAIS-Ⅳやロールシャッハなどの心理検査をもとに、自分らしく生きる方法をカウンセラーと一緒に考えるプログラムを実施しています。

大人の発達障害かもしれないと思っている方にもおすすめです。

WAIS-IVと発達障害の関係とは

WAIS-IVというと発達障害の人が受けるイメージが強い人も多いのではないでしょうか。発達障害を抱える方は、WAIS-IVを受けて、認知能力の得意・不得意を把握することで、生活上の工夫や困りごとへの対策に役立てることができます。

しかし、WAIS-IVは発達障害の診断の有無に関係なく、全ての人が受けて結果を活用できます。


また、ウェクスラー式知能検査で発達障害の診断ができるという誤解も多く見られますが、WAIS-IVだけで発達障害を診断することはできません。発達障害のある人は、何らかの生きづらさや違和感を抱えていることが多いですが、発達障害と診断するためには、そうした症状がどのように生活に影響しているかということや、ほかの原因によるものではないことを確認しなければ、発達障害と診断することはできません。発達障害の診断は、子どものころの行動に関する問診や脳の検査などを含め、より総合的に行われます。

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また、うつ病などの精神疾患では、うまくストレスに対処できないことが発症のリスクとなっていることが多く、治療が思うように進まない原因でもあると考えられています。そして、うまくストレスに対処していく方法を考えるために、WAIS-IVが役立つことがあり、うつ病などの精神疾患の治療においても、WAIS-IVが使われることがあります。

WAIS-IVの内容

WAIS-IV(ウェクスラー成人知能検査)の検査時間は全60~90分ほどです。パズルや知識問題など様々な項目があります。

WAIS-IVは言語理解指標知覚推理指標ワーキングメモリー指標処理速度指標という4つの指標に基づく問題が出題されます。

10項目の基本検査と5項目の補助検査があり、そのうち3項目の補助検査は16歳~69歳のみが対象になります。


WAIS-IVの結果について

WAIS-IV(ウェクスラー成人知能検査)では、まず「全検査IQ(FSIQ)」が算出されます。これは全ての基本検査によって算出されるものです。こちらは認知能力全体の水準をあらわすものであり、これだけで得意・不得意の分析ができるものではありません。


そして、先ほどの4つの指標ごとの検査によって以下の群指数が算出されます。

それぞれについて見ていきましょう。


◇言語理解(VCI)

言語に関する認知能力についての指数です。コミュニケーションや思考など、言語を使う場面での知識力や理解力などの得意・不得意を比較することができます。


◇知覚推理(PRI)

視覚的な情報に関する認知能力についての指数です。図や空間の把握能力などの得意・不得意を比較することができます。


◇ワーキングメモリー(WMI)

一時的に情報を保持しながら何らかの処理を行う能力についての指数です。記憶力や注意力などの得意・不得意を比較することができます。


◇処理速度指標(PSI)

情報を処理する速度についての指数です。視覚情報を早く正確に処理する能力の得意・不得意を比較することができます。


これらの4つの指数だけでなく、15個の各検査の得点からも様々な分析をすることができます。また、WAIS-IVの結果は、同じ指数であっても本人の意思や性格、環境などによって、様々な解釈・対策が考えられます。


臨床心理士・公認心理師などの専門家の中には、WAIS-IVなどの心理検査の結果の解釈を行うことに対応している専門家も多いです。カウンセリングで個別の悩みや困りごと、問題についてカウンセラーと一緒に考えながら、心理検査の結果の解釈を活用することで、より効果的なカウンセリングを行うことができる場合があります。

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こんな悩みはありませんか?能力や性格を心理検査で把握し、自分らしさを活かしていくためのお手伝いをさせていただきます。

おわりに

WAIS-IV(ウェクスラー成人知能検査)は成人の知的能力を多角的に検査するもので、客観的に自分の知的能力に関する得意・不得意を知ることができます。ただし、WAIS-IVだけで発達障害を診断できるものではありません。

WAIS-IVの結果を分析し、自分の生活と重ね合わせながら、困りごとを解決するための工夫や自分らしさについて考えることで、WAIS-IVをうまく活用することができるでしょう。

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このコラムを書いた人
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