カサンドラ症候群とは、自閉スペクトラム症(ASD)の人とのコミュニケーションや共感がうまくいかないことによって、家族など身近にいる人が抑うつ状態などの苦しみを抱えることを指します。カサンドラ症候群は正式な診断名ではありません。
自閉スペクトラム症の診断がつく人には、周囲との協調や社会的感覚の共有が難しいという一面があるものの、実生活にはうまく適応していて、人によっては周囲から見てもそれほど違和感がなかったり、本人すらも自身の特性に気が付いていなかったりするケースがあります。しかし、夫婦のように身近な関係性になると、症状が露呈しやすくなったり、相手があからさまに違和感を覚えたりするようになります。それによって、激しい対立や喧嘩が起こることもあるのですが、カサンドラ症候群に陥った人は、その苦しみを誰かに分かってもらおうとしても周囲の共感が少ないために分かってもらえず、孤立してしまいやすくなります。
・夫がASDかもしれない
・パートナーと話が噛み合わず、自分が悪いのではないかと感じる
このようなことでお悩みではないですか。
相手にASDの診断を無理に強要したり、ASDについてのお互いの理解が乏しい状態で指摘することは、本人の気持ちを傷つけやすくするため、避けたほうがいいでしょう。ASDの特性について理解を深めて生活に工夫を取り入れたり、お互いの行動の根本となる理由や考え方を共有したりすることによって関係性をうまく保つことができます。また、家庭内だけで完結させようとするのではなく、理解を示してもらえる第三者に話を聞いてもらうようにするなどして、孤立を防ぎ、自身のストレスを軽減させるように努めましょう。