全般性不安障害(GAD:Generalized Anxiety Disorder)とは、不安障害の中でも、様々なものに過剰な不安を生じるために、自身の気持ちのコントロールができず苦痛を伴うものです。不安の対象となるものは対人だけではなく、自分と直接関係のない他の物や、代表的なところでは空想あるいは遠方の災害や戦争に対する不安によって、心身に支障をきたします。1つの不安要素が去っても、また別の不安を感じたり、つらい気持ちが別の不安を思い起こしたりと程度によってかなり深刻になり得るものです。
人が不安を感じるのは、自分の身にこれから起こるかもしれない危険を察知しているためです。自分の身に起こる危険と不安の対象となるものの関係性をしっかりと認識することによって、全般性不安障害の改善が見られる場合があります。あるいは、本人が常に抱えているような心理的葛藤によって、多くの事柄に対して不安を抱いているように見えているという場合もありますので、カウンセラーと一緒に、丁寧に自身の心理状態や環境を整理する必要があります。
不安が強すぎる場合には、抗不安薬の服用によって症状が改善される場合もありますが、精神安定剤ならではの強い副作用や依存性のリスクも考えなければなりません。