強迫性障害(OCD:Obsessive Compulsive Disorde)は、自分でも無意味だと分かっている根拠のないこだわりが頭から離れず、その不安を解消するために過剰な行動をとってしまうことで日常生活に支障をきたしてしまう障害です。自分でも不合理だと分かっていても頭に浮かんで離れない考えを強迫観念、その考えを打ち消すために不安に掻き立てられてとる行動を強迫行為といいます。また、強迫観念や強迫行為にとらわれないようにするために、外出そのものや特定の場所に行くことを最初から避けてしまうことを回避行動といいます。
症状は人により様々ですが、代表的なものに以下のような症例があります。
・ドアノブに触ると菌が手に移る気がして直に触れない、触ったあとは何度も手洗いをする
・玄関のカギを閉めたかどうか気になって、目的地へ向かう途中でも引き返して、確認に時間を要する
・知らない間に自分が悪いことをしたのではないかという不安がよぎり、警察や周りの人に確認をとる(加害恐怖)
・小物の配置や作業の手順、数字へのこだわりにとらわれ、無駄な時間が多い
強迫性障害のはっきりとした原因は明らかになっていませんが、治療・克服は可能です。治療の多くは、曝露(ばくろ)反応妨害法という、ストレスの度合いに応じて徐々に強迫行為を抑えて馴らしていくという方法がとられます。
強迫性障害は人に指摘されるまで自分の行動の異常さに気が付かない、あるいは治療を途中でやめてしまいやすい障害です。「何か生きづらい」「無意味なことで時間を無駄にしている」と感じる方は、一度カウンセリングで自身の行動や考えを整理すると、強迫性障害の症状を自覚できる場合があります。また、不安で外出が難しいという方が強迫性障害を克服する最初の一歩を踏み出すためにも、ぜひ気軽にオンラインカウンセリングを活用いただければと思います。
例えば、以下のようなことが挙げられます。
・カウンセラーに理解してもらうことで、直面している問題を受け入れる
・一緒に問題を整理することで、要因や改善方法、自分の気持ちに気づく
・問題克服のための行動や取り組みについて、カウンセラーが伴走しながら進める
主治医に別の場所やオンラインでのカウンセリングを受けたい旨を伝えて、許可を得る必要があります。
一概にカウンセリングの回数や期間を示すことは難しいですが、目安として2ヶ月~半年程度の期間に数回~十数回のカウンセリングを受けると、変化が見られるといわれています。
程度や目標によっては、数回・短期間のカウンセリングで終わることがあれば、長期間のカウンセリングが必要となるケースもあります。
想定している回数・期間がある場合は、あらかじめカウンセラーに伝えておくとよいでしょう。
曝露反応妨害法とは、強迫性障害(強迫症)の治療に有効な認知行動療法の一種であり、繰り返し頭に浮かんで離れないこだわりや不安(強迫観念)を感じる状況にあえて向き合い、その不安を打ち消すためにとってしまう過剰な行動や反応(強迫行為)を起こさないようにすることでやがて不安が低下することを、徐々に段階を経て体験していきます。
はい、可能です。うららか相談室では、東京の他にも、埼玉・神奈川・大阪など、対面で強迫性障害のカウンセリングを受けることができるカウンセラーが多数登録しております。対面相談可能なカウンセラーはこちらよりご確認いただけます。
強迫性障害などの診断名がついていなくても、カウンセリングは受けられます。
※状況により、医療機関の受診をお勧めする場合があります。
はい。困りごとの程度にかかわらず、カウンセリングを受けることができます。
はい。強迫性障害を抱えている本人への接し方や本人との関係についてカウンセリングを受けることができます。
通常、カウンセリング費用は健康保険が適用されないため、自費での支払いとなることが多いです。例外として、精神科医の指示のもと、治療として行われるカウンセリングの場合は、保険適用となる場合があります。医療費控除も同様に、臨床心理士や公認心理師のみで実施するカウンセリングは、控除の対象外となります。