強迫性障害(OCD:Obsessive Compulsive Disorde)は、自分でも無意味だと分かっている根拠のないこだわりが頭から離れず、その不安を解消するために過剰な行動をとってしまうことで日常生活に支障をきたす障害です。自分でも不合理だと分かっていても頭に浮かんで離れない考えを強迫観念、その考えを打ち消すために不安に掻き立てられてとる行動を強迫行為といいます。また、強迫観念や強迫行為にとらわれないようにするために、外出そのものや特定の場所に行くことを最初から避けてしまうことを回避行動といいます。
症状は人により様々ですが、代表的なものに以下のような症例があります。
・ドアノブに触ると菌が手に移る気がして直に触れない、触ったあとは何度も手洗いをする
・玄関のカギを閉めたかどうか気になって、目的地へ向かう途中でも引き返して、確認に時間を要する
・知らない間に自分が悪いことをしたのではないかという不安がよぎり、警察や周りの人に確認をとる(加害恐怖)
・小物の配置や作業の手順、数字へのこだわりにとらわれ、無駄な時間が多い
強迫性障害のはっきりとした原因は明らかになっていませんが、治療は十分に可能です。治療の多くは、曝露(ばくろ)反応妨害法という、ストレスの度合いに応じて徐々に強迫行為を抑えて馴らしていくという方法がとられます。しかし、強迫性障害は人に指摘されるまで自分の行動の異常さに気が付かない、あるいは治療を途中でやめてしまいやすい障害です。「何か生きづらい」「無意味なことで時間を無駄にしている」と感じる方は、一度カウンセリングで自身の行動や考えを整理すると、強迫性障害の症状を自覚できる場合があります。また、不安で外出が難しいという方が強迫性障害を治療する最初の一歩を踏み出すためにも、ぜひ気軽にオンラインカウンセリングを活用いただければと思います。