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  1. 強迫性障害を治すには?症状と治療法について解説

強迫性障害を治すには?症状と治療法について解説

更新日 2024.11.21
健康・メンタルヘルス・気分
うららか相談室

「あれ?家のドアに鍵をかけたかな?」と外出後に不安になったことはありませんか?恐らく、誰しもこのような不安を感じたことがあるかもしれません。ですが、「どうしても確認のために引き戻してしまい、よく用事に遅れる」「家に泥棒がいるかもしれないからと、帰宅後は一通り隠れられる場所をチェックする」など、自分でも根拠がないのは分かっているのにやらなければ気が済まない、よく周囲からやりすぎと言われるという場合には、強迫性障害について知っておくとよいかもしれません。

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強迫性障害のカウンセリング

目次

- 強迫性障害とは

- 強迫性障害の症状・症例

- 強迫性障害の診断

- 強迫性障害の治療

- おわりに

強迫性障害とは

強迫性障害とは、自分でも無意味だと分かっていることや根拠のないこだわりが頭から離れず、その不安を解消するために何度も確認するなどして日常生活に支障をきたすものです。Obsessive–compulsive disorderの略称でOCDとも呼ばれます。

どうして強迫性障害になるのかというはっきりとした原因はまだ完全には分かっていませんが、治療については解明されていることも多く、強迫性障害を治すこと自体は十分可能になっています。

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強迫性障害の症状・症例

強迫性障害の症状を理解する上で、「強迫観念」「強迫行為」そして「回避行動」について知ることは欠かせません。それぞれについて、見ていきましょう。


  • 強迫観念とは、自分でも不合理だと分かっていても頭に浮かんで離れない考えのことです。
  • 強迫行為とは、その強迫観念を打ち消すために、不安に掻き立てられて行う行為のことです。自分でもやりすぎだと分かっていても、どうしても強迫観念が浮かんで不安になるため、行わなければ気が済みません。
  • 回避行動とは、強迫観念や強迫行為にとらわれないようにするために、外出そのものや特定の場所に行くことを最初から避けてしまうことです。これにより通院が困難になるケースもあります。

それでは次に、代表的な症例について、「強迫観念」「強迫行為」「回避行動」がどれにあたるかということを交えながら見ていきましょう。


症例1.汚染・細菌の恐怖

  • 外出によって汚染されると考えるため(強迫観念)、そのたびに入念に入浴したり、身にまとっているものを全て殺菌したりしないと気が済まない(強迫行為)
  • ドアノブには大量の細菌がついていると考えるため(強迫観念)、ドアノブに触ったら、手が荒れるほど消毒したり手洗いしたりする(強迫行為)あるいは、ドアノブに触ることができない(回避行動)

症例2.何度も確認する

  • 数分前にも確認したのに、「戸締まりができていないのでは?」と思い(強迫観念)、繰り返し戸締りを確認する(強迫行為)
  • 外出後、「何らかの原因でガスが漏れているのではないか?」と思い(強迫観念)、引き戻しても通常の確認では満足できず、ガス栓を指さしや手で触って確認しなければ気が済まない(強迫行為)あるいは、外出ができない(回避行動)

症例3.儀式行為

  • 特定のことをしなければ不吉なことが起こるかもしれないという不安から(強迫観念)、毎日決められた手順で同じことを行わなければいけない(強迫行為)
  • リモコンを置く位置がぴったり決まっていて(強迫行為)、そうなっていないと不安に思う(強迫観念)


以上はあくまで代表的な症例です。強迫性障害では「一般的には合理性のない考え」「不安を打ち消すための過剰な行動」を特徴としているのがお分かりいただけたでしょうか。

また、症状は人によって様々で、上記以外にも多くの症例があります。例えば、犯罪にかかわるような強迫観念や特定の数字に対するこだわり、根拠なく体の一部の異常を訴えるなどの行為もよく見られます。


さらに、強迫性障害はこれらの症状によって、葛藤やストレスを抱えやすくなります。そのため、うつ病などの精神障害を併発するリスクも高くなり、それらの症状が見られる場合もあります。

強迫性障害の診断

強迫観念や強迫行為の例の中には、ほとんどの人が身近に感じられるものもあります。

例えば、

  • 外出後に戸締りが気になって引き返す
  • 家具の配置がある程度決められた通りでないと気持ち悪い

といったことは多くの人が経験しているのではないでしょうか。

強迫観念や強迫行為は、日常的な不安や個性的なこだわりの延長にあったり、明確な線引きが分かりにくかったりするものが多く見られます。そのため、自分が強迫性障害なのではないかということに気付きにくく、受診に行くのが遅くなる傾向があります。

では、強迫性障害であるという可能性をどこで判断するべきでしょうか。

強迫性障害は、繰り返し起こる不安や根拠のないこだわりによって、本人が苦しんでいる健全な生活を送れていない、あるいは周囲が困惑しているものを指します。

つまり、先ほどの例でいえば、

  • 外出後に戸締りが気になって何度も引き返すため、頻繁に遅刻する
  • 家具の配置を強要するため、家族が困っている

といった場合になります。

このように、生きづらさや他人の異変を感じられる場合には、症状がどんどんエスカレートする可能性がありますので、医療機関に相談することを検討してください。なるべく早期のうちに治療を開始することが望ましいため、受診を先延ばししないことが大切です。

強迫性障害の治療

治療には、薬物療法がとられることもありますが、認知行動療法といった精神療法が主流で、薬物療法との併用がとられることもあります。

また、不安の強い強迫行為を無理にやめさせることはかえって逆効果を生むことがあります。強迫性障害の治療で最も主流とされる「曝露反応妨害法」という行動療法では、強迫行為を我慢するといった方法がとられますが、必ずゆっくりと不安に馴らしながら治療を進めていきます。

「~しなければいけない」という考えから、徐々に「~したい」「~したかった」「~はまあいいや」といった段階を踏むことが、強迫行為を抑えるための着実な道筋となります。

また、強迫性障害は日常的なストレス要因によって症状が悪化しやすいことが分かっているため、環境の整理や生活習慣の改善が必要になることもあります。


強迫性障害は、途中で治療をやめてしまって、症状が悪化することが特に多い障害です。また苦しまないようにするため、身近な人を困らせないようにするためにも、医師の許可を得られるまで、投げ出さず根気よく治療を続けていかなければなりません。

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おわりに

強迫性障害の症状と、そのことに自分では気が付きにくいということを本記事でお伝えさせていただきました。強迫観念は、多くの人が持っているこだわりや日常的な不安と地続きのようなものであるため、明確にどこからが障害というものはありません。強迫性障害とまではいかなくても、無意識のうちに行なっている小さな強迫行為によって、実は日常に生きづらさを感じているということもあります。この原因である、強迫観念のような「考え方のクセ」に気が付くことで、生きづらかった日常がラクになることもあります。また何より、強迫性障害の早期治療につながる可能性があります。「何か生きづらいな」「よく無意味なことで時間が無くなるな」と思ったら、一度その原因を整理してみましょう。「考え方のクセ」に気付いて自分と向き合うためにも、カウンセリングは非常に有効な方法です。

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このコラムを書いた人
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