加害恐怖とは、根拠もないのに、知らないうちに誰かに危害を加えているかもしれないという不安が頭から離れず、ニュースに自分の名前が出ていないか確認したり、警察や家族に確認したりして、日常生活に支障をきたす、または周囲を困惑させる、強迫性障害の症状の一つです。強迫性障害は汚染に対する過剰な洗浄や、戸締りなどの執拗な確認行為、独自の強いこだわりといったことが症状の一例として挙げられますが、中でも加害恐怖は周囲を困惑させる可能性が高いものです。
・警察に指名手配されていないか確認しなければ気が済まない
・自分がとんでもないことをしてしまうのではないかという不安が大きい
このようなことでお悩みではないですか。
加害恐怖は強迫性障害と同様に、はっきりとした原因が分かっていないものの、治療については十分に可能となっています。治療の多くは、曝露(ばくろ)反応妨害法という、認知行動療法(心理療法)がとられます。これは、自分が加害恐怖を感じたときに、ニュースをチェックするなどの確認行為を抑えたり、加害恐怖が生まれる特定の環境(例えば、駅のホームなど)に徐々に馴らしていくといった方法です。※無理をしたときのストレスや、うまくいかなかったときの失望感も大きいため、専門家の指導のもとで正しく行うことをおすすめします。
加害恐怖は、外に出ることに抵抗があるという場合も考えられます。また、強迫性障害の多くは、症状があらわれてから診断を受けるまでに時間がかかったり、治療を途中でやめてしまったりする傾向があります。加害恐怖を自覚し、治していくための第一歩として、あるいは治療を継続するための支えとして、ぜひうららか相談室のカウンセリングを活用していただければと思います。