人見知りな性格で困っているという人は意外と多いのではないでしょうか。一言で人見知りと言っても、周りは気がつかない程度から、生活に困る程度まで様々でしょう。
では、人見知りとはどうして起きるのでしょうか。また、人見知りを克服する方法はあるのでしょうか。
目次
- 人見知りとは
- まとめ
もともと人見知りとは、子どもが知らない人を見て怖がったりすることを指す言葉でした。
友達や家族など、いつも一緒にいる人に対しては問題なくても、知らない人や慣れていない人に会うと、恥ずかしがって話せない、こわくなって泣いてしまうような子どものことを人見知りと言っていました。
今では、大人になっても以下のような特徴のある人のことを、「人見知り」と言います。
・初対面の人とは緊張して話せない
・人前に出るのがこわい
・慣れていない人とコミュニケーションを取るのが苦手
人見知りの度合いも人それぞれです。例えば、
・「私、実は人見知りで…」と本人が言うまで気がつかない
・自分から話しかけられないけれど、話しかけられたら話せる
・3人以上だと話せないけど、マンツーマンであれば話せる
・初対面だと全く話せない
という程度まで様々です。
認知行動療法でネガティブな思考の癖に気づき、生きづらさを改善
こんな悩みはありませんか?自分らしく楽に生きるための考え方をカウンセラーと一緒に習得していきましょう。
赤ちゃんや子どもの人見知りというのは、もともと人間に備わっている防衛本能です。知らない人や慣れていない人に対して、「この人は危険かもしれない」という本能が働き、泣いたり恥ずかしがったりするのです。成長するにつれ、様々な人と触れ合い、「知らない人でも危険ではなかった」と学習することで人見知りはおさまっていきます。
しかし、大人になっても人見知りが続く場合、初めて会う人に対して恐怖心を持つことがそのままになっている可能性があります。初対面の人と会ったときに嫌な思いをしたり、傷つけられたりしたというトラウマがあると、よく知らない人への恐怖心を解消できないため、人見知りが続く大きな原因になってしまいます。
他人の評価が気になる
他人からの評価を気にしてしまう人は、初対面の人や慣れていない人からどう思われているかということにとらわれて、「ちゃんと話さなくてはいけない」「楽しい話をしないと相手から嫌われてしまうかもしれない」などと意識してしまうため、思い切った発言ができなくなります。
警戒心が強い
警戒心が強いと、相手を信用するまでは、あまり干渉しようとしなくなります。時間をかけて、相手を信頼するようになってから人見知りがおさまる場合は、このタイプの人が多く見られます。
極度に緊張してしまう
大勢の前でスピーチをするときに緊張するのと同じように、初対面の人と話すときにも緊張して言葉が出てこないということがあります。警戒心が引き金になる人見知りに比べると、その場の緊張感によって大きく影響を受けやすいのが特徴です。
人見知りを少しでも改善したいと思ったら、どんな方法をとるのがいいのでしょうか。
1. 緊張するのは当たり前と開き直る
初めての人や、慣れていない人に会うことは、誰しも多少なりとも緊張するものです。
人見知りというのは、相手に何か悪い影響を与えるわけではありません。確かに、面白い話や明るい話で盛り上がった方が楽しいかもしれませんが、あまり話せなかったからといって、相手を怒らせたり、悲しませたりするようなことはありません。あまり肩に力を入れず、「緊張していい」と思うことも大切です。
2. 相手に興味を持つ
人見知りの人の中には、何か自分が面白い話をしたり、楽しい話題を提供したりしないといけない、というプレッシャーを感じて、上手く話せなくなる人がいます。そういった人は、まず相手に興味を持つことがおすすめです。「出身地はどこなのか」「好きなものは何なのか」「休日は何をして過ごしているのか」など、相手に興味をもつことで自然と会話が生まれます。そこから意外な共通点が見つかって話が盛り上がる可能性もあります。
3. 相手に質問をする
「話をしなければいけない」と思うと難しく感じますが、「相手に質問をする」と思うと少し簡単に思えませんか。
質問であれば、あらかじめいくつか用意しておくこともできます。多くの人は、自分に興味を持ってほしいですし、自分のことを聞いてほしいものです。自分から無理に話さなくても、話し上手・聞き上手と印象づけられるのですから、とてもいいですよね。
もし話すのが苦手であれば、質問して聞き役に回ってみましょう。
4. 沈黙も会話の1つとして楽しむ
人見知りの人が気にしてしまいがちなのが、会話と会話の間の沈黙です。沈黙になると、「何かしゃべらなければ」と焦ってしまう人が多く見られます。
しかし、仲がいい場合でも、会話と会話の間に沈黙があるのは普通のことです。沈黙に苦手意識を感じてしまうと、相手にも焦りが伝わりますが、沈黙を楽しむ余裕があれば、「この人とは沈黙も気にならないな」と、相手も気楽に会話を楽しんでくれます。
5. 過去の失敗を気にしない
人見知りの人は、過去に何か嫌な経験をして、トラウマになっているケースが多く見られます。
例えば、
・ 人前で話をすることに失敗し、恥ずかしい思いをした
・ 初対面の人とうまく話せず、陰口を言われた
など何か嫌な経験をしたことはありませんか。
基本的には、シチュエーションや相手も違うので、過去のことを気にする必要はないのですが、どうしてもトラウマが解消しない方は、家族や親しい友達にその出来事を聞いてもらってみましょう。人に聞いてもらうことで、気持ちがスッキリすることもありますし、ものによっては話してしまえばだんだんとポジティブにとらえられるようになる場合もあります。
知っている人には言えないという方は、カウンセリングを活用するのもおすすめです。オンラインカウンセリングは気軽に利用できて、専門家が話を聞いてくれるので、的確なアドバイスももらえます。
6.相手の評価を気にしない
人というのは、自分で思っているより他人のことを気にしていません。初めて会う人や、数回しか会っていない人に対して、よほど嫌なことさえされなければ悪く思うようなことはありません。
「相手は自分のことをそんなに考えていない」と肩の力を抜くことで、人見知りも改善されやすくなります。
臨床心理士とは・・・
悩みを抱える人との対話をベースに、精神分析や心理療法を使って問題の解決をサポートする「こころの専門家」です。
臨床心理士の資格は厳しい学習条件が求められ、心理業界では長年にわたり根強い信頼性を持っています。
うららか相談室には、多くの臨床心理士が在籍しています。
メッセージ・ビデオ・電話・対面、あなたが一番話しやすい方法で、悩みを相談してみませんか。
人見知りというのは、直そうと思えば思うほど意識してしまい、よけいに悪化することもあります。何か面白い話をしなければならない、楽しい話題を提供しなければならない、と思うと肩に力が入り、かえって何も話せなくなることもあります。
初対面の人や慣れていない人と話すのは、多くの人が緊張しますし、緊張すること自体は悪いことではありません。もし人見知りを克服したいのであれば、まずは相手に興味を持ち、相手に質問を投げることを意識してみましょう。
もし過去に何かトラウマを抱えている方は、友達に話を聞いてもらったり、話しにくい場合はカウンセリングを活用して解消してみましょう。