回避依存症とは、恋愛などの親密な人間関係の構築を極端に避ける傾向を指します。回避依存症は恋愛依存症と対比して取り上げられることがよくあります。両方とも、依存症という言葉が付きますが、正式な病名ではありません。
親密な人間関係を極端に避けようとする特徴が見られる場合、正式には(回避型の)愛着障害や回避性人格障害などの診断名がつくことがあります。※ただし、愛着障害は幼少期の行動が診断基準となるため、大人になってから診断がつくことは稀です。
その他には、生まれつきの自閉症スペクトラムという発達障害、トラウマを原因とするPTSD(心的外傷後ストレス障害)などの不安障害でも、似たような症状が見られることがあります。
・恋愛や親密な人間関係が怖く、行動できない
・理由をつけて恋愛から逃げてしまい、後悔する
このようなことでお悩みではないですか。
回避依存症の傾向を持つ人は、愛着障害のような症状を抱えたまま大人になった方が多いと考えられています。愛着障害のほとんどは、幼少期に養育者から虐待やネグレクトなどを受けたことが原因で、親密な関係性にある人から見放されてしまうのではないかという「見捨てられ不安」が大きいために、対人関係に支障をきたすなどの症状が見られます。この見捨てられ不安によって、最初から親密な関係を回避する人もいれば、誰彼かまわず甘えたり、関係性を絶たれないようにするためにあらゆる手を尽くしたりする人もいます。この前者が回避依存症の傾向、後者が恋愛依存症の傾向と考えられており、つまりは回避依存症も恋愛依存症も根本的には似た問題を抱えている場合が多いということになります。
ただし、人によって当然、過去の恋愛でのトラウマや発達障害、あるいはもっと細かな体験などが回避依存を引き起こしていることも考えられます。まずは、カウンセリングによって、考えられる原因を探していくところから始めてみましょう。回避依存を引き起こしている原因によって、例えば、他人と親密な関係を築く行動をあえてとるのがいいのか、過去のトラウマのような恋愛での出来事を整理するのがいいのか、などを考えていくことができます。