人前で恥をかいたり、批判されたり、屈辱的な目に合ったりすることに対しての恐怖心や不安が極端に強く、そのような可能性のある状況をいっさい避けてしまう場合に、パーソナリティ障害の中でも、回避性人格障害(回避性パーソナリティ障害)という診断名がつく場合があります。
基本的に他人は自分に対して批判的だと考えており、そうではないということが分かるまでは人間関係を築くことを回避したり、他人の些細な言葉に敏感に反応して一方的に傷ついたりする傾向があります。
よく似た症状に「社交不安障害(SAD)」がありますが、社交不安障害が多数の人前で話をする場合などに顕著な不安を感じるのに対して、回避性人格障害はより多くの場面を、ときに正当性を持った理由を取ってつけることによって回避するというわずかな違いによって識別されます。
また、「シゾイドパーソナリティ障害」も、人との関わりを持とうとしないことを特徴的な症状としていますが、こちらは「他人や常識に対して興味がない」ために見られるものです。
人格障害(パーソナリティ障害)の治療は、精神科医や臨床心理士による長期的な認知行動療法や併存症に対するケアがとられることが多いのですが、回避性人格障害の場合は、病院やカウンセリングルームといった場所も回避の対象となるため、治療が難しくなります。メールカウンセリングなどのオンラインカウンセリングは比較的打ち明けやすいかと思いますので、一人で悩んでいる方もまずはご相談ください。
症状である回避行為自体にも相当なストレスがかかるため、どうしてもやはり通院などが厳しいという場合でも、オンラインでのカウンセリングやセルフケアを取り入れて、うつ病などのこころの病や他の障害の予防を意識してみてください。