解離とは、自身の記憶や意識、アイデンティティを統合する能力が一時的に失われている状態を指します。解離には以下のような様々なものがあり、こちらの症状が深刻で日常生活に支障をきたしていることを解離性障害といいます。
1.解離性健忘
一定期間の記憶がなくなること
2.解離性とん走
失踪して新しい生活を始めたりすること。自分の記憶やアイデンティティを失っていることがほとんどです。
3.離人症
自分の外側から自分を眺めているような感覚に陥ること
4.解離性同一性障害(解離性同一症)
複数の人格が統合されていない状態。かつては多重人格障害と呼ばれていたものです。
5.解離性混迷・解離性てんかん
体が思うように動かせなくなること
など、周囲の理解が得られにくく、統合失調症とも似た症状が挙げられます。
かつてヒステリーと呼ばれていたものや、過去のつらい体験などが今現在起こっているかのようによみがえるフラッシュバックも解離の一種と考えられています。
解離性障害を抱える人には、虐待や災害などの心的外傷が見られることが多くあります。基本的には、トラウマに対する精神療法がとられます。併発している他の症状を改善させるために薬の処方が必要な場合もありますが、解離性障害に直接有効な薬というものはありません。
解離の症状は時間の経過とともに自己解決されることが一般的なのですが、他人から信じてもらえないことが苦痛になっていて症状を悪化させていることも考えられます。重要なのは、さらなるストレス要因からなるべく自身を守ったり、信頼できる医師やカウンセラーを見つけることです。
解離によって、生活が困難になる場合もありますが、上手く付き合って有意義な生活を送っている人も多くいます。