自身の実績や能力を過大評価し、「他人から称賛されたい」「自分は優れている」という気持ちが極端に強く、そのために本人が苦しんでいたり、日常生活に支障をきたしたりしている場合、パーソナリティ障害の中でも、自己愛性パーソナリティー障害という診断名が付く場合があります。
自分を否定されると怒りが収まらなくなって相手を攻撃したり、自分が賞賛されるためであれば手段を選ばず周囲を巻き込んでしまったりする傾向があります。
似た診断名に「演技性パーソナリティー障害」というものがありますが、こちらは「他人から注目されたい」「注目されていないとつらい」という気持ちが極端に強いものです。
自己愛性パーソナリティ障害には、精神科や臨床心理士による認知行動療法などの精神療法が有効とされています。ただし、パーソナリティ障害の治療はそう簡単なものではありませんので、こころの病の併発を防ぐためのメンタルケアと根気が必要になります。また、すでにうつ病や他の障害が併発している場合には、そちらの治療も同時に行うことがあります。