愛着形成によって子どもは親のことを、無条件で自分を受け入れてくれる存在と認識し、安全な心の拠り所があるからこそ、新しい環境に挑戦したり、自立心が育ったりしていきます。しかし、虐待などが原因で、子どもが親や養育者との間に安心感や信頼関係を築けていなかった場合、就学期以降の対人関係やアイデンティティ形成に問題を抱えやすくなります。これを愛着障害といいます。
愛着障害は、他人と極端に距離を取ろうとする「反応性アタッチメント障害」と、知らない人でもかまわず甘えてしまう「脱抑制型愛着障害」に分けられます。ともに、養育者に甘えることができないために、上記のような傾向が見られ、共通して意地が強く、わがままになると考えられています。
また、大人になっても愛着障害の症状が続く場合、他人との距離感、特に自身の子どもやパートナーに対しての接し方が分からなかったり、感情的・消極的であるためにうつ病やパーソナリティ障害などの原因になったりすることもあります。
・子どもが目を合わせようとせず、愛着障害なのではと思う
・大人の愛着障害を克服して、対人関係を改善したい
5歳までの親の接し方によって愛着スタイルが左右されることから、時間が経って諦めてしまったり、ひどく後悔してしまったりすることがありますが、就学期以降に抱える愛着障害であっても、カウンセリングや周囲の協力によって徐々に解消していくことができます。
子どもと大人に共通して言えることですが、親密なやり取りができる人間関係を認識することが愛着障害の克服につながります。