子どものいる家庭には、誰が定めたわけでもなく、「子育て」「安心できる場」「コミュニケーション」「地域への帰属」などといった機能が存在しています。子どもは、家庭のこうした機能によって成長し、ふれあいを学び、社会へ出ます。しかし、これらが健全に機能していない場合、子どもは自立に必要となる自尊心や社交性などが育たないまま、大人になる可能性があります。家庭の機能を妨げるものには、虐待(心理的虐待を含む)、ネグレクト、家族間の人間関係の対立、反社会的行為、極度の貧困、アルコール依存症、外出させないといった過保護などが挙げられます。このような家庭を機能不全家族または家庭崩壊といいます。機能不全家族で育ち、対人コミュニケーションや自尊心に問題を抱えた大人はアダルトチルドレンとも呼ばれ、ストレスに対応できない考え方の癖やトラウマを持ち合わせていることが多いとされています。日常生活が困難になるような症状が見られる場合は、パーソナリティ障害やPTSDといった診断がされることもあります。
・機能不全家族で育った問題を解消したい
・家庭が機能不全家族かもしれない
このようなことでお悩みではないですか。
機能不全家族は、子どもが家庭を出るまでの期間だけの問題ではありません。多くの場合は機能不全家族から自立しても、養育環境によって抱えた問題に苦しめられています。現在も機能不全家族の中にいるという場合には、児童相談所や精神保健福祉センターなどで、まず状況について相談することをおすすめします。場合によって、早急に家族関係を解消したほうがいいということもあります。
また、機能不全家族で育ち、様々な問題を抱えた人も、カウンセリングや協力者の支援などによって自分らしい人生を取り戻すことができます。機能不全家族の問題には、様々な事情や複雑な悩みが存在していることが多く見られます。誰にも相談できない、どのような問題を抱えているか分からないという場合も、うららか相談室ではオンライン(匿名)で話したい専門家を選んで悩みを相談することができますので、困ったときにはぜひ活用していただければと思います。