こころの病も身体的な病気も、症状が重く慢性的である(持続的な)ものは特に、患者が「孤独」を抱えやすくなります。闘病・治療にあたって、「外に出られない」「友達と会えない」という物理的な寂しさだけではなく、病気に対するショックや不安を一人で抱えようとして、精神的なよりどころがないという孤独感が本人をさらに苦しめる場合もあります。病気について理解を示し、病気を抱える本人の「味方」で居続けること、本人の変化に気付けるように見守ることが大切です。
症状が重い病気は、本人が普段ならできたようなことを難しくさせ、自分の能力についての自信を奪うことが少なくありません。そのため、闘病している本人は自身の存在価値を疑ったり消極的になったりします。ですから、何より本人の存在を「肯定」することが、味方であり続けるために必要なこととなります。
家族が重い病気になると、治療費のことや通院にかかる時間など負担が増え、大きなストレスを抱えやすくなります。それによるイライラが患者本人に伝わってしまったり、ストレスが原因で心身の不調に陥ったりすることも少なくありません。「何もかも世話をしなければ」「常に看ておかなければ」と思うことは、大切な感情である一方で、患者のストレスになってしまったり、本人や家族にとって悪循環を生んだりしかねません。適度な距離をおいて、症状や誤った情報に振り回されず、あくまで自分の健康や生活のこともしっかりと考えることで、病気を抱える本人を支えることができます。
うららか相談室には、重い病気を抱える方のご家族の相談を受けてきた臨床心理士や社会福祉士も多く在籍しています。カウンセラーとして活躍している看護師への相談も、患者に対する家族のスタンスについて具体的に考えたい方におすすめです。また、カウンセリングで気持ちの整理をすることは、家族のストレス軽減・メンタルケアにもつながると期待されます。ぜひうららか相談室で、不安な思いや心配事などをお話してみてください。