抑うつとは、今まで当たり前のようにできていたことへの興味や意欲がほとんどなくなってしまうほどの絶望感や悲しみに持続的に陥っている状態を指します。誰しも、つらい出来事によって気分が落ち込むことはありますが、数週間も数カ月もやる気が起こらない、少しの希望も感じられないという場合には、抑うつ状態に陥っている可能性があります。抑うつ状態はうつ病などの気分障害の主な症状ですが、適応障害やパーソナリティ障害でもよく見られます。抑うつ状態にはしばしば身体的な不調も伴い、不眠や倦怠感、疲労感などの症状が見られます。
・自分を無価値だと考え、何をしても解決できないと感じる
・ものごとに全く興味がわかないなど、人生を楽しめなくなっている
このようなことでお悩みではないですか?
抑うつ状態かもしれないと思ったら、まずは医療機関で診てもらうことが最重要です。抑うつ状態を伴う精神障害の治療には、適切な休養、主に抗うつ薬による薬物療法、そして根本的な原因の解決や予防・ストレスケアなどの効果が期待されるカウンセリング(認知行動療法などの精神療法を含む)の3つを軸に進められていくのが基本です。
また、ショックな出来事があったときや、大きなストレスを感じたとき、精神的な違和感を感じたら、カウンセリングを受けることによって抑うつ状態を伴うこころの病を予防する効果も期待できます。気分の落ち込みや意欲の減退などに気づいたら、一人で判断するのではなく、専門家へ相談することが大切です。