心身症とは、さまざまな身体疾患の中で、発症および経過に心理的・社会的なストレスが影響して機能的な障害を起こしている病態をいいます。心身症がよく認められる代表的な疾患には、過敏性腸症候群や胃・十二指腸潰瘍、起立性調節障害、過換気症候群、円形脱毛症、アトピー性皮膚炎、偏頭痛、慢性疼痛、神経性過食症…などが挙げられます。
誤りやすいのが、ここで挙げた疾患が必ずしも心身症であるとはいえないことです。例えば、発熱などの身体的な不調によって引き起こされたものや、うつ病などの精神疾患の症状としてあらわれるものは心身症とはいいません。
心身症は身体の疾患であるため、身体の治療が不可欠です。そのうえで、環境や生活習慣の改善、心理療法、カウンセリングによってストレスの軽減およびストレスにうまく対処できるようになることを目指します。
・心身症を繰り返してしまうのを改善したい
・ストレスが引き金となる腹痛や頭痛などの不調に困っている
・子どもの心身症への対応がわからない
このようなことでお悩みではないですか。
まずは、自身のストレスによる不調の原因(ストレッサー)を理解・把握することが大切です。環境や生活習慣を見直し、解決策や家族の支援など活用できるものがないかを考えていきます。
認知行動療法という分類の心理療法では、リラクゼーション法や認知再構成法などを実践して、ストレスにうまく対処できるようになることを目指します。これらのことはカウンセリングの枠組みの中で行われることが多いです。
また、カウンセリングで自分の中にあるもやもやしたものや悩みをカウンセラーに話すだけでも、気分がすっきりしてストレスを軽減する効果があるといわれています。それだけではなく、カウンセリングで気持ちや状況を話しながら整理することで、ストレスの原因や解決策に気づいたり理解を深めたりすることにきっと役立てるでしょう。