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  1. 子どもの不登校、どうすればいい?親ができる3つの大切なこと

子どもの不登校、どうすればいい?親ができる3つの大切なこと

「不登校」という言葉は、今ではそこまで珍しいことではなくなってきたように思います。最近では学年に一人、あるいはクラスに一人は不登校の生徒がいるという学校も多くなりました。

とはいえ、もし「自分の子が学校に行かなくなった」という現実に直面したら。よくあることだからと心配しない親御さんはいないと思います。とても心配になりますよね。

かといって焦って学校に行きたくない子を無理に行かせようとしても、残念ながら大抵の場合は上手くいきません。

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子どもが行きたくないなら、行かせなくていいの?と不安になるかもしれませんが、まず大切なことは「学校に行かせる」ことではなく、「学校に行かない子どもを受け止める」ことです。

子どもを受け止めることができれば、必ず解決方法は見えてきます。


不登校になった子どもへの具体的な関わり方は、子どもが10人いれば10通りあるため、「不登校児への対応」とひとまとめにするのはとても難しいことです。

しかし、どうすれば子どものことを受けいれ、主体的に関わることができるのでしょうか。

これについては、お子さんの年齢問わず共通する考え方があります。


大事なポイントは以下の3つです。


1. 親の自己理解から始める「子どもを変えようとする前に、まずは自分が変わること」

2. 子どもを理解する「子どものありのままを受け止めること」

3. 相談する「絶対に一人で悩まないこと」

 

それぞれ具体的に説明していきます。

1. 親の自己理解から始める「子どもを変えようとする前に、まずは自分が変わること」

まず初めにしなくてはならないことは、親の自己理解です。子どもに限らず人間関係全般に言えることですが、相手に変わってほしいのなら、まずは自分が変わることです。

まずは自分が何を考えていて、何をしたいと思っているのかをもう一度整理し、自己理解を深めてください。

そのうえで子どもを理解しようと見つめた時に、大体の親御さんは、子どもに対して今までとは違う見方ができるようになっていきます。


具体的な流れとしては、

(1) 自分が子どもに求めていることを整理し、

(2) 解決の定義を見直し、

(3) 親自身が自己受容をしてください。

 

まずは、自分が子どもへ求めていることを整理してみましょう。親の考えを整理したところで、お子さんが自分の思うようになるかというと、それはまた別問題です。しかし、なにより親が自分の考えを整理できていないと、目の前のお子さんの行動一つ一つに振り回され、疲弊しやすくなります。自身が自己理解を深め、お子さんとブレずにかかわるための軸をつくりましょう。

具体的なやり方としては、子どもにこうなってほしい事柄をひとつ、紙の一番上に書きだしてください。ぱっと思い浮かぶもので構いません。そうしたら、なんのためにそうなってほしいのか、理由を考えてその下に書いてください。自分の望みに対して自問自答を繰り返していきます。そうすることで、自分がお子さんに求めていることの本質が見えてきます。


たとえば、高校生のお子さんが不登校で悩んでいた場合、まず「子どもに学校に行ってほしい」という考えが頭に浮かんだとします。まずそれを紙の一番上に書いてみましょう。それから、何のためにそうなって欲しいのかを書いていきます。


「学校に行ってほしい」

→(なんで高校に行ってほしい?)大学に行ってほしいから

→(なんで大学に行ってほしい?)就職に困らないでほしいから

→(なんで就職に困らないでほしい?)就職できないと大変だから

→(なんで就職できないと大変?)お金が稼げなくなるから

→(なんで稼げないとだめ?)自分で生活できなくなるから


もし答えが詰まったら、その時点で最後に出た答えを自分に問いかけてみてください。

「自分で生活してほしい、ということを自分は子どもに一番求めているのか。自分で生活さえできれば安心なのか」

もしそこでしっくりきたのなら、「自分で生活できる力を身につけてほしい」が自身の教育観の軸となります。

しっくりこないのであれば、自問自答を繰り返してください。


「自分で生活ができる、というだけでは安心ではない、一番求めていることとしてしっくりこない」

→(なんで?)ただ生活するだけのために生きていくのは味気ないから

→(じゃあどう生活してほしい?)楽しく笑顔で生活してほしい


もしここで自問自答がストップした場合、お子さんに「楽しく笑顔で生きてほしい」が本質的に求めていることとなり、それが教育観の軸となります。

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自身がお子さんに求めていることを整理出来たら、次は解決の定義を見直してみましょう。


お子さんが不登校になったとき、「学校に行ってくれるにはどうしたらいいか」という解決にむけて頭がいっぱいになりがちです。しかし、一度自身の考えを見直してみると、「学校に行くためにはどうしたらいいか」ではなく、「この子が楽しく生きるためにはどうしたらいいか」「自分で生きていく力をつけるためにはどうしたらいいか」という形に解決の定義が変わってきます。あくまで、学校に行くというのはお子さんがより良く生きていくための手段のひとつでしかないのです。


「笑顔で生きてほしい」という軸だと、「この子が笑顔をなくすくらいなら、いったん学校には行けなくてもいい」と思えるかもしれません。「自分で生活できる力を身につけてほしい」という軸だと、「学校を休んでいる間にせっかくなら生活力をつけよう。学校に行かない日は一緒に料理をしようよ」などの声掛けが思い浮かぶかもしれません。


お子さんがどうしても学校に行きたがらない場合に接し方や声掛けの仕方がわからなくなるのは、解決策が「学校に行く」のみだからです。根本解決のためには、そもそもの解決の定義を広げることが大切です。

お子さんにとっても、親が“学校に行くこと”だけにとらわれない姿勢でいることは、解決に向けての大きな助けになる場合があります。


頭に入れておいてほしいのは、「親の思った通りになる=解決する」ではないということです。親の望みがかなうことと問題が解決することは別のことです。これはお子さんの人生であって、あなたの人生ではありません。解決の形は、もしかしたら現段階では見つけられないかもしれません。しかし、「学校に行く」という解決策だけにとらわれず、どんなに小さなことでも子どもにとって納得できることを少しずつ実行する、これを繰り返していけばどんな形であれ必ず解決につながっていきます。


そして、自己理解において絶対に欠かせないのが、自己受容です。

自己理解を深めていくと、もしかしたら自分を責めたくなるかもしれません。物事を整理していくうちに、原因は自分にあるのではと思ってしまうかもしれません。

実際、親や家庭が原因の一つになっていることは少なからずあるでしょう。しかし、原因=悪ではありません。いくら自分を責めたからと言ってお子さんが学校に行くようになるわけでもありません。自分を責めそうになったら、一度頭をリセットして「自分を責めても何も変わらない」と自身に言い聞かせてください。


どんな親子関係であっても、親が悩んでいるということは、子どもにとっては辛いことです。「辛い」と必ずしも意識しているとは限りませんが、親が自分を責めている姿は子どもにとってプラスには決してなりません。むしろ「自分のせいで親を困らせている」と悪化するケースもあります。お子さんが大変な状況だからと言って自分も大変になりすぎず、自分は自分でがんばってきたし、今もがんばっている。これからも同じように自分にできることをひとつずつしていこう、と自分のことを認めてください。自分を認められないのに他者を認めることはできません。つまり、親が自分自身を認め受容していないと、子どものことも認め受容してあげることができないのです。実際見てきたご家庭でも、親御さん自身が自己受容できていないときにお子さんと関わると、頭ではわかっていてもうまく関われないことがとても多くなっていました。


・反省はしても自分を責めない

・お子さんが大変だからといって自分も一緒に悩みすぎない

・つらい時は頑張りすぎず、趣味をしたり一人になる時間を作る


など気を付けながら、自分のことを受け入れることを忘れないでください。子どものことに必死で、自分のことなんて、と後回しにしがちかもしれませんが、お子さんと自分は鏡のようなものです。少し高いアイスを買って食べる、お昼は外食してみる、など些細な事でもいいので、大変な時こそ自分へのケアも大切にしてください。

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2. 子どもを理解する「子どものありのままを受け止めること」

自分自身について整理ができたら、お子さんへの理解に心を傾けてみましょう。

お子さんを理解するには、まず何よりも「ありのままを受け入れる」ことです。言葉で書くと簡単ですが、これが意外と難しいことなのです。

受けいれるというのは、何を見ても何を言われても、「そうか、これが今のこの子なんだな」と思うことです。


親と子にも相性はあります。自分とは全く違う価値観を子どもは持っているかもしれません。もし子どもが自分とは違う価値観を持っているのに、親が自分の価値基準で子どもと関わろうとすると、子どもは自分が心から納得しないまま、親の価値観を刷り込まれて生きていくことになります。そうすると、子どもはどこかで違和感を感じるようになります。違和感というのは、「親の言っていることってなんか違うな」というようなシンプルなものとは限りません。「これができない自分って駄目なんだ」「これができないといけないんだ」というような自己否定という形ででてくる場合が多いように思います。本来の自分とは違う価値観を強く刷り込まれていくと、子どもは息苦しさを感じ、生きづらくなってしまいます。それが不登校へつながってしまうケースも多々あります。


お子さんを思うがゆえの不安や心配はあると思いますが、お子さんの言動が単なる甘えに思えたり、どんなに親にとって理解しがたいものであったとしても、いったんは否定ではなく、「そっか、あなたはそう思っているんだね」とありのままを受け止めてあげてください。そして今のその子を受け止めているサインを出してあげてください。


具体的な方法はお子さんとその家庭によりさまざまですが、共通してできることとしては、まずはお子さんの話を聞いてあげてください。責めるような言い方や答えを誘導するような言い方は絶対にダメです。こちらの意図は全く含まず、まず「あなたのことが知りたい」ということだけを目的として、話をしてください。そして、親としては「学校に行く」がゴールとは思っていないことも伝えてあげてください。


親が必死に自分の考えを整理し誠意をもって、「笑顔で生きてほしい」と伝えても、「私は笑顔で生きたいなんて思わない。」と子どもは言うかもしれません。「自分で生活できるだけの力をつけてほしい」といっても、「生活できなくたってべつにいい、生きててもとくに楽しいことなんてないし」というかもしれません。「友達に恵まれた豊かな人生を生きてほしい」といっても「友達なんて一人もいらない。ゲームができればいい」というかもしれません。

しかし、どんな場合でも、「今のこの子はこう感じているんだ」というありのままを受け止めてください。受け止めて、気持ちを伝えてくれたことにはありがとう、と伝え、そこからまた対話を始めてみてください。


例えば、「笑顔で生きたいなんて思わない」というなら、「そっか、そうだね、必ずしも笑顔じゃなくたっていいかもしれないね、じゃあどういう風になればいいなとか、逆にこれだけは嫌だっていうのはあるの?」など、子どもの考えを聞き、理解しながら子ども自身の考えを整理してあげてください。

「生活できなくたっていい、楽しいことなんてない」というなら、「確かに、楽しいことがないならそう思うのは当然だよね。わかった。じゃあどうやったら楽しいことってみつかるのかなあ」など、子どもの意見を肯定しながら次につながる問いかけをしてみてください。

「友達なんていらない、ゲームさえできればいい」というなら、「そっか、一人でも平気って強い、すごいよ。じゃあゲームだけはちゃんとし続けるために必要なことってなんだろう」など子どもの意向に沿いながら話を進めてみてください。例えば、ゲームをし続けるためには、お金と体力が必要、そうすると働いて食べることが必要、そうすると学校に行くことも必要、となるかもしれません。


このように「学校に行く」というキーワードは、親の意向ではなく、子ども自身のしたいこととつながった時にあくまで「手段」として出てくるものです。

また、お子さんが小学生など、まだ小さい場合は、話よりもまずはぎゅっと抱きしめてあげるなどスキンシップから始めてみてもいいかもしれません。


3. 相談する「絶対に一人で悩まないこと」

ここまで色々書いてきましたが、強くお伝えしたいのが、「一人で悩まないでください」ということです。

自己理解を深め、子どものあるがままを受け止める、この2つをしたときに自然とどうすればいいのか思い浮かぶ場合はそれで構いません。しかし、実際にはそんなに簡単にいかないことも多いかと思います。


・自己理解を深めようとしても、自分ではうまく自問自答できない。

・自問自答したとしても、どうしても学校に行くことが必要だと感じてしまう。

・自分を責める気持ちから抜け出せない。

・子どもと話したいがそもそも話をしてくれない。

・ありのままを受け止めないといけないとわかっていてもどうしても受け入れがたい。

・学校には行かなくていいと思っても、それに代わる手段が思い浮かばない。


など、次に自分がどうすればいいのか具体的に思い浮かばないことがあるかもしれません。そのような場合は、一人で悩み続けず必ず誰かに相談してください。お母さんが一人で悩んでいるのなら、まずはお父さんに相談してもいいですし、自分の親、きょうだい、友人でも構いません。もちろん、小学校や中学・高校のスクールカウンセラー、学校の先生、病院(児童精神科)、自治体の療育機関、民間の療育機関、相談機関など専門的なところに相談することも大切です。

もしかしたら、一回相談してうまくいかなかったからとあきらめてしまっている方もいるかもしれませんが、もう一度誰かに話してみてください。どこに相談するのが良いのかわからない場合は、まずは「どこに話をするのが良いのか」を相談してみることも一つの方法です。

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冒頭でも書いたように、お子さんが10人いれば解決方法も10通りあります。なぜなら、お子さんの性格、不登校の原因だけではなく、家庭の雰囲気、親御さんの性格、などによっても具体的解決方法は異なってくるからです。不登校の原因が同じであったとしても、その家庭によって良い関わり方というのは違ってきます。

そのため、今回のコラムでは、あえて不登校の解決策についての具体的な方法については書いていません。その子に合った関わり方があるように、親にも自分自身にあったやりかたがあります。


「わかること」と「できること」は違います。どんなにすべきことがわかったとしても、一人で抱え乗り越えていくのはとても大変なことですし、不登校を親と子どもだけの閉ざされた問題として捉えてしまうととても苦しくなってしまいます。不登校は、子どもとその周りにいる大人全体で関わっていくことです。そのためにも、子どものことについて相談できる環境があるということが、子どものためにも自分のためにもとても大切です。

 

子どもが不登校になってしまったとき、学校へ行かせることはすぐにはできなくても、子どものためにできることは必ずあります。

「学校に行かない」という目の前の問題だけで深刻になりすぎず、この子の将来のために今できることは何だろう、と長い目でとらえ、自分ができるお子さんに合ったやり方を探していきましょう。

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このコラムを書いた人
社会福祉士
児童養護施設で7年、児童療育現場で5年勤務。現場経験と社会福祉士の知識をいかし、児童分野はもちろん、親子間、夫婦間、家族間の関係修復、調整に関する相談に多く取り組んでいる。
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