皆さんは普段の生活の中で、日々様々な感情と向き合っていることと思います。今回は、一般的には良くない感情であると思われがちな、【怒り】の感情について解説してみたいと思います。
目次
- おわりに
怒りについて皆さんが抱いているイメージには、どのようなものがあるでしょうか。
・怒りは良くない感情である
・怒りは抑え込めばおさまる
・怒りは発散すればおさまる
・怒りは人間関係を壊す
このような怒りについての神話には、正解も不正解もありません。
ただ、『怒り』と言う感情がそこにあるだけです。
この記事では、健全な怒りの表現方法はどういったものなのか、怒りと上手に付き合う方法にはどんなものがあるのかについて、ご紹介していきたいと思います。
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そもそも、怒りの感情が発生するのはどんな時なのでしょうか。
怒りが発生するきっかけには、以下のようなものがあります。
・体調や気分が悪かったり、心配事のある時の怒り
・何かを失ったことによる怒り
・自分が気にしていること、言って欲しくないことなど、地雷を踏まれたことに対する怒り
・自分の気持ちをうまく表現出来ないことに対する怒り
・身体や気持ちを傷つけられたことに対する怒り
・挫折感からくる怒り
・不公平感からくる怒り
上記のようなきっかけで怒りの感情が起こった時、その感情をどう処理するかは、人によって異なります。表現方法には、大きく分けて3つのタイプがあります。
Aタイプ: 怒りを抑え込もうとしたり、怒りの感情を隠そうとする
このタイプの方は、怒りを表すと周りから拒否されると思っています。どんなことをしても揉め事や争いを避けようとするため、その場では平和な雰囲気を保てますが、ご自身が大きな犠牲を払っています。周りに対して怒りを抑えていても、ご自身の中では気持ちはおさまってはいません。
このような怒りの表し方をされていると、次第に自信が無くなり、人間関係も上手く行かなくなる可能性があります。うつ等、健康を害する方は、このタイプの方が多いです。
Bタイプ: 攻撃的に怒りを表し、怒りの感情に過剰に反応する
怒りを直ぐに爆発させて、大きな声を出したり、叫んだり、怒鳴ったり、何かを叩いたり、蹴飛ばしたりします。或いは、物を壊したり、罵ったり、つねったり、噛んだり、殴ったりされます。ですがその一方で、人からの批判にとても敏感です。
このタイプの方は、周囲から恐れられ、尊敬されなくなる可能性があります。その結果、対人関係に支障をきたしたりします。
Cタイプ: 怒りを建設的に表し、相手に伝える
怒りが爆発しない様にと考える理性があり、何故自分が怒っているのかを相手に伝えることが上手です。このタイプの方は、人の考えを理解しようと努力します。結果的に、周囲の方を傷つけずに怒りの気持ちを表現出来るので、対人関係が上手く行きます。
怒りを問題の解決に使おうとされるタイプです。
怒りの感情を覚えた時、Cタイプの方のように建設的に伝えることができれば、相手を傷つけずに自分の言いたいことを伝えられますし、自分もストレスを溜めずに過ごすことができます。
建設的に怒りを伝えるための原則は、以下の通りです。
① タイミングを考える(相手に時間があり、また精神的にも余裕がある時を選ぶ)
② 穏やかに話を切り出す(感情的にならない)
③ 威嚇の動作はやめる
④ 伝えたいことをひとつにしぼり、具体的に伝える
⑤ Iメッセージ(アイメッセージ)で伝える(Iメッセージとは、私はこう思います…の様に、私を主語にして相手にメッセージを伝える方法です)
怒りの表現方法についてお伝えしてきましたが、心ではわかっていても、感情的にならずに怒りを伝えることはなかなか難しいですよね。
では、そもそも怒りの感情を起こりにくくすることはできるのでしょうか。
最後に、自分でできるセルフケアの方法についていくつかご紹介します。
・遊ぶこと(自分も他人も傷つけない、健康的なもの)
・運動すること(家事や散歩でもかまいません)
・話を聞いてもらうこと(批判や非難やお説教をしない、安全な人に聞いてもらう必要があります)
・自分の感情を知り、適切に表現すること(日記をつけたり、瞑想をして自分の感情と向き合う)
・スキンシップを持つこと(ペットを飼ったりしてみてもいいです)
臨床心理士とは・・・
悩みを抱える人との対話をベースに、精神分析や心理療法を使って問題の解決をサポートする「こころの専門家」です。
臨床心理士の資格は厳しい学習条件が求められ、心理業界では長年にわたり根強い信頼性を持っています。
うららか相談室には、多くの臨床心理士が在籍しています。
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【怒り】と言う感情について、ご理解いただけたでしょうか。このコラムにまとめたことを日常生活に取り入れていただき、怒りと上手に付き合うことで、皆さんの人生がさらに豊かになることを切に願っています。