自分の性格に満足している人は意外に少ないのではないでしょうか。多くの人は、「もっとこういう性格だったらよかったな」「あの人みたいな性格になりたいな」と思う瞬間があると思います。性格を変えるのは難しいことに感じられますよね。これまでずっとこの性格でやってきたのに、今さら変えるなんて無理なんじゃないか、と考えるのではないでしょうか。しかし、性格というものは、全てでなくても変えられる部分がたくさんあります。一体どのようなことをしていけば性格を変えられるのでしょうか。自分を変える方法について紹介します。
目次
- まとめ
人は生まれながらにして、気質というものを持っています。これは親から遺伝するものです。赤ちゃんに、よく寝る子もいれば、よく泣く子もいるのは、気質の違いです。例えば、刺激に対して反応しやすい、マイペース、感情的などのように、赤ちゃんのころに行動を分けるものが気質です。
その後、3歳くらいまでにかけて、気性というものが形成されます。気性は大きく「勝気」「弱気」「強気」の3つに分けられます。勝気は、他人と競争を好むタイプや目立ちたがりな気性を指すことが多いです。一方、強気は、自己主張が強く、他人に流されにくい気性を指します。この気性は、3歳ごろまでの家庭環境や生活環境によって形成されます。
その後、物心がついてくると、「自分が傷付いたときにどのように心を守るか」という行動パターンや価値観が形成され、家庭内の役割(例えば、「長男らしさ」など)が性格として定着していきます。
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一連の性格形成の中で、変えるのが難しい部分は、生まれながらにして持った気質です。気質は遺伝の要素が大きく、先天的なものなので、後から変えるのは難しいとされています。五感の敏感さ、喜怒哀楽の激しさ、新しいことに対する反応などは気質によるものなので、基本的に後から変えるのは難しい部分です。
このような気質は、性格の約50%に影響していると言われています。性格の半分は変えることが難しいのですが、残り半分は変えることができるということです。
気質と違って、後天的に形成された性格は、後から変えることができます。「何か嫌なことがあったときに、どのように対処するのか」「疲れた時に人に甘えられるかどうか」などが後天的に決まる性格です。
例えば、長男だからという理由で、「しっかりしなさい」と言われて育ったため、人に頼ることができない性格だったとしましょう。家庭内での役割が性格として染みついていると考えられ、それは後天的に形成されたものなので、後から変えることができますね。
では、性格の半分も変えることができるのに、あまり変えようとしない、変えるのが難しいと感じてしまうのはどうしてでしょうか。
◆恥ずかしいと感じてしまう
性格を変えられないと感じる大きな理由は、恥ずかしいという気持ちがあるからです。
性格を急に変えると、多少なりとも周囲からの目が変わります。それを恥ずかしいと思う気持ちがあると、性格を変えることが難しくなってしまいます。
「性格を変えようとしていることを指摘されたら、どうしよう」「この歳で性格を変えたら、何かあったと思われるのではないか」といった恥ずかしい気持ちがあると、性格を変えたくても思いとどまってしまうでしょう。
しかし、人間の性格は少しずつですが、変えようと思っていなくても変化します。友人や家族の性格も、あまり気が付かないうちに変わっているのです。恥ずかしいと感じるのであれば、段階的に性格を変えていけばいいのです。
◆性格を変えることが怖い
性格を変えるということには、今までの自分を捨てて、新しいものに変えるという側面もあります。人は新しいものや、よく分からないものに対して、警戒心や恐怖心を感じるものです。思い出や記憶まで塗り替わってしまうような、怖さを感じる人もいるかもしれません。
「性格を変えた後、誰からも受け入れてもらえなくなるのではないか」「今の自分の好きなところまで人格が変わって、後戻りできないのではないか」といった恐怖心があると、性格を変えることに抵抗を持ってしまうでしょう。
ですが、性格を変えることによって、全てが変わってしまうということはありませんし、上書き保存のようなものではありません。自分らしさを大切にしながら、考え方や行動の選択肢を増やすということでもあります。しんどくなってしまったら、前と同じやり方をするという方法もとることができるでしょう。
◆周囲からの反対
性格を変えようとしたときに、家族や友人から「今のままでも十分素敵だよ」「今さら変わるなんて難しい」と言われたら、躊躇してしまうのではないでしょうか。周囲の人は純粋に、今の性格を肯定して言っている可能性もありますし、「性格を変えることは無理」という固定概念を持っていて否定してきている可能性もあります。あるいは、周囲からの無言のプレッシャーや期待も、性格を変えられない原因になっていないでしょうか。
人は誰しも、新しいものや未知のものにどこか抵抗を持っています。ですが、実際に変わってしまえば、結果的には周囲も受け入れてくれるはずです。
上記のような心配事がなくなって、性格を変えたいと思ったら、具体的にどのような行動をとるのがいいのでしょうか。自分を変える方法を見ていきましょう。
◆見た目を変えてみる
今すぐに取り入れられるのが、見た目を変えてみるということです。髪型やファッションを変えることで、気分も変わります。それまでふんわりした印象の髪形や服装だった人が、かっこいい感じの雰囲気に変えたら、周りからの印象が変わるだけでなく、自分もそれに合った振る舞いをしようという気分になります。
無理のないダイエットや筋トレなどで、体型を変えるのも効果的です。体型に自信が持てるようになると、性格まで自信に満ち溢れるようになることが多いです。
見た目を先に変えることで、その見た目に沿った自分になろうと、性格も変えやすくなりますし、周りの人からしてみても、性格が変わることに対して、不自然に思われにくいのではないでしょうか。
◆付き合う人や環境を変えてみる
付き合う人や環境を変えるのも効果的です。一緒にいる人の影響力というものは、思っているよりも大きなものです。
例えば、悪口を言っている人と、褒める人、一緒に過ごす時間が長いほど、その意見に影響されやすくなりますよね。
また、住むところや過ごす場所を変えてみるのも、性格を変える方法の一つです。
◆行動を変える
性格と行動はワンセットです。他人の行動を見て「この人は優しいのだな」と思ったことはありませんか?性格を変えるとは、行動を変えることでもあります。性格を変えるというと曖昧に感じますが、行動を変える、と捉えるとイメージがしやすいでしょう。
例えば、
など、小さなことでも構いません。意識して続けるだけでも、いつの間にか習慣となり、性格にも影響してきます。
◆短所にばかりに目を向けず、長所を伸ばす
性格を変えたいと思ったときに、長所を変えたいという人はいませんよね。ほとんどの人は、短所をどうにかしたいと思うのではないでしょうか。しかし、短所というものは、意外と気にしているのは自分だけで、周りから見たら長所になっていることもあります。
例えば、些細ことをいつも気にしてしまうことを短所だと思っていても、周りの人からしたら「細かいことにも気がついて、気が利く」と思われているかもしれません。短所にばかり目を向けていると、自分がダメな人間に思えてくることもありますが、「長所を伸ばす」と考えるといいところを見る時間が長くなるので、自信を持ちやすくなります。
そもそも、短所がない人などいません。あまり短所にばかり目を向けず、長所を伸ばすことを意識すれば、性格を変えることも楽しく取り組みやすくなります。
◆カウンセリングを活用してみる
カウンセラーに相談することで、自分の性格について客観的に考えることができて、自分では気がついていなかった性格に気づくことができるかもしれません。
性格を変えていくための方法についても、カウンセラーと一緒に考えていくことができます。ビデオ、電話、メッセージでカウンセラーに相談ができるオンラインカウンセリングであれば、匿名で気軽に利用できます。
臨床心理士とは・・・
悩みを抱える人との対話をベースに、精神分析や心理療法を使って問題の解決をサポートする「こころの専門家」です。
臨床心理士の資格は厳しい学習条件が求められ、心理業界では長年にわたり根強い信頼性を持っています。
うららか相談室には、多くの臨床心理士が在籍しています。
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性格は、後から変えることができます。付き合う人や環境、見た目、行動を変えることで、性格を少しずつ変えていくことができるでしょう。カウンセリングを利用することで、性格を変えるための、さらに心強く的確なサポートが得られますので、ぜひご活用ください。