虚言癖とは、一般的に「無意識で嘘をついてしまって、やめられない」という癖のことを指しますが、正式な病名ではありません。「嘘をつく」という行為は自然なことで、嘘と本当の線引きも難しい上に、必ずしも悪いこととは言えず、虚言癖という言葉が大々的に心理学で扱われることはそれほど見られないのです。しかし、異常な虚言行為は一部のパーソナリティ障害に分類される場合があり、依存症においては「行為を隠蔽するための虚言」が診断基準・症状として扱われています。
また、解離性障害や統合失調症などにおいて、妄想や解離を埋め合わせるための言動が嘘とみなされ、他人から虚言癖についての指摘を受けているというケースも考えられます。この場合には、本人に嘘をついているという自覚があることは考えにくいでしょう。
もちろんこれらに該当しない場合でも自身の虚言の癖に苦しみ、直したいという方はいらっしゃいます。改善のためには、嘘をつくという行動をとってしまう原因を整理し、自身の考え方のクセに気付くことで、今まで嘘をついてきた場面において、今後どのような行動をとっていけばいいか考えていくという方法があります。
また、嘘をつくことの罪悪感が人一倍大きいがために、小さな嘘に対しても深刻に悩まされているというケースも考えられるでしょう。
・平気で嘘をついてしまう性格を直したい
・虚言癖があると周りから言われるが、自覚がない
このようなことでお悩みではないですか。虚言についての相談を友人に持ちかけることはなかなか抵抗があり、また、嘘をつくこと自体がありふれたものであるため、自身の虚言の癖が病的であるかどうかの判断が難しくなりがちです。カウンセラーに相談することで、まず自身の虚言の癖がどれほどのものであるのか知ることができます。場合によって、認知行動療法の観点から性格・性質の改善を目指したり、パーソナリティ障害や解離性障害を疑ったりすることがあります。