現実逃避は、日常のストレスを忘れさせてくれるというポジティブな面を持つ一方、やはり私たちが生きているのが「現実の世界」である以上、現実逃避ばかりしていると困難を抱えやすくなります。ポリアンナ症候群とは、直面している問題を解決しなければならないと分かっても、そこにポジティブな要素を見出すことで、問題と向き合うことを回避する傾向をいいます。例えば、「就職できなくても、遊んで人生楽しんでいるからこのままでいい」といった考え方が当てはまります。このポリアンナ症候群という名前は、つらい出来事があってもポジティブなことを見つけることで立ち直る様子が描かれた児童文学の「少女ポリアンナ」が由来となっています。
このような現実逃避癖は、問題と向き合わないことで大きな不利益を被っているものの、ポジティブな面を見つけ出して正当化していることから、改善しなければならないという自覚が本人にない場合が少なくありません。いざ、現実と向き合わなければいけなくなったときに、非常に大きなストレスがかかり、ときに生活支援などが必要になる場合もあります。
・楽観的すぎるとよく指摘される
・目を背けていた現実と少しづつ向き合えるようになりたい
このようなことでお悩みではないですか。
現実逃避癖は、将来への大きな恐怖心や、ポジティブに考えなければ不安で仕方なくなるほどのつらい体験をしたことが原因と考えられる場合があります。あるいは、小さな現実逃避がうまくいったことで、現実逃避が有益であると学習してしまっていることも考えられます。楽観的すぎるとよく指摘される方は、まず自分の現実逃避癖が実際にどの程度のものなのか自覚するところから始めましょう。今の生活が続くと客観的に考えたときに、何か問題が起こると予想されないでしょうか?
問題に直面したときに、ポジティブな思考だけを選択するのではなく、現実と向き合うための考え方や行動のしかたを知り、それぞれがどのような結果を導くのかについてしっかりと理解していくことが大切です。現実逃避癖を自覚し、自身と向き合って改善することで、現実の世界でさらにのびのびと生きることができるようになるでしょう。自分を変えたいと思ったときに、客観的な視点を持ちながら、なりたい姿を目指して伴走できるカウンセラーの存在は強力な助けになります。このままではいけないと考えた方は、ぜひうららか相談室のカウンセリングを活用してみてください。