自律神経とは、私たちの意志にかかわらず体内の器官のはたらきを調整している神経のことを指します。常に意識して呼吸を行なっていたり、動かそうと思って内臓をはたらかせている人はいませんよね。自律神経は、他にも消化や体温の調節(発汗)、睡眠、そして体の病気を治すはたらきなど、重要な役割を担っています。
自律神経は、体のはたらきを活発にする交感神経と、体のはたらきを休める副交感神経がバランスをとって、心身の調子を整えています。そして、ストレスなどによってこのバランスが崩れると、心身に様々な不調があらわれます。これを自律神経失調症と呼びます。不調の内容は、動悸や抑うつ、イライラ、めまい、頭痛、肩こりなど様々です。
なお、自律神経失調症は病名ではなく、自律神経の乱れによる様々な不調があらわれている状態を総じて指すことばです。例えば、睡眠障害という診断を一つとっても、環境が影響している場合があれば、涙が止まらない、疲れやすいといった症状も同時に出ており自律神経失調症が原因と考えられる場合もあります。
自律神経失調症は過度なストレスや生活習慣の乱れが主に原因ですので、まずは休養やストレスの除去、生活習慣を整えることで改善を図ります。症状に合わせて薬による治療を同時に行うこともあります。
また、考え方や環境によってストレスをためやすい人もいます。例えば、完璧主義の人や人間関係の不安が大きい人などです。このような方は、自律神経失調症になりやすく、一度休んでも再発するリスクがあるため、カウンセリングによって根本的にストレスを抱えにくくする考え方を習得したり、今後ストレスとなるような環境からの切り離しを図ったり、セルフケアを身につけたりすることによって、予防を兼ねた治療を行います。ストレスで心身を壊しそうな方や、ストレスとの付き合い方について考えたい方は、ぜひうららか相談室のカウンセリングをご活用ください。