ある瞬間、どうしようもない孤独感に襲われて不安になった…という経験をしたことはないでしょうか。単に孤独を感じるのは自然なことですが、常に、あるいはとてつもなく強烈な孤独感に襲われていると、心や身体に相当な負荷がかかります。そんな孤独感の原因は一体何なのか、孤独感を解消するためにはどうすればいいのか、解説します。
目次
- 孤独感とは
- まとめ
孤独感というのは、実際に一人でいるかどうかは関係なく、独りぼっちだと感じている状態のことを指します。
ですので、実際に周りに友人や家族などの人がいたとしても、孤独感に襲われることはあります。逆に、楽しいことや他人との繋がりを強く感じる出来事があった後には、一人でいても孤独感を抱きにくくなります。
しかし、それでもやはり一人でいるときや、他人との繋がりが切れた直後に、どうしようもない孤独感に襲われて不安になるケースが多いため、誰かと一緒にいることと孤独感を抱くことにはある程度の関係があると言えます。
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◆自分に自信がない
自分に自信がない人は、周りに友達や恋人がいたとしても、心のどこかで「こんな自分を必要としてくれるはずがない」と疑ってしまいがちです。そうして自己肯定感がないと、「自分は世界から必要とされていないのではないか」と思ってしまうため、孤独感を抱きやすくなります。
また、過去に親から突き放された経験があるなどのトラウマなどが原因で、現在の人間関係にも不信感を抱えていることを、「見捨てられ不安」といいます。見捨てられ不安の人は、より強い自己否定をしてしまい、相手に否定される前提で人間関係を築いてしまうため、孤独感を常に抱えて生きているような状態になります。
◆コミュニケーションが苦手
他人とコミュニケーションをとるのが苦手な人は、友達に悩みを相談したり、恋人に本音でぶつかったりできず、相手との壁や隔たりを感じて、孤独感を抱きやすくなります。
また、強烈な孤独感に襲われ、助けてほしいときにも他人に素直な気持ちを伝えられず、一人で思い悩むことが多くなります。
◆信頼できる友達や恋人がいない
いくら人と接していても、相手との信頼関係ができていなければ、他人との繋がりをあまり実感できないため、孤独感を抱きやすくなります。
また、寂しいと感じるときに、相談したり紛らわしたりする相手も見つかりづらく、より強い孤独感に襲われることになります。
◆マイナス思考
マイナス思考な人は、人間関係においてもネガティブに考えてしまいがちです。例えば、同じ友達であっても、「所詮は他人」と思うよりは、「理解してくれる人」と思っているほうが、いざという場合に頼れると感じやすくなるため、孤独感を抱きにくくなります。
さらに、ネガティブな人は、人間関係のちょっとしたことで傷つくことも多く、その度に自分を否定されたような気持ちになり、孤独感に襲われることになります。
◆承認欲求が強い
自分のことを認めてほしいという承認欲求が強い人は、少し否定されるだけで、相手との距離を感じてしまいやすくなります。仲が良かったはずなのに、ちょっとした意見の食い違いなどで、「自分は理解されない」と思ってしまい、そういったことが重なると、「誰も自分の理解者はいない」と感じて、孤独感を抱きやすくなります。
他人と自分が違う存在である以上、ある程度の孤独は人間にとって自然なことなのですが、常に孤独感を抱えている、とてつもない孤独感に襲われているという状態には何か原因があります。本当に社会的なつながりが断たれている、あるいは薄れてしまっているという可能性もあるのですが、自分自身の「孤独」に対する感じ方が過敏になっているという可能性もあります。そのため、心や身体の疲れによっても、抱く孤独感の度合いが変わることがあります。
では、強烈な孤独感に襲われ、不安になったときには、どのように対処していくといいのでしょうか。
実は、孤独は寿命とも関連していて、社会的なつながりを持たない人は、そうでない人に比べて早期死亡リスクが倍になるという欧米での研究結果が出ています。健康のためにも、孤独感を和らげるスキルを身につけておくことはとても大切です。
◆自分の感情に目を向ける
まずは、自分の感情にしっかり目を向けてみましょう。いつから孤独感を抱えているのか、どうしてそれが不安なのか、考えることで原因と解決策も見えやすくなります。あるいは、「不安の原因が孤独以外のところにあった」ということが分かるかもしれません。ぼんやりとしていて上手く考えられない場合は、分かる範囲でいいので文字に書き起こしてみるのもいいでしょう。
◆コミュニティに所属する
気軽に話せる友達が少ない、身近に頼れる人がいないという理由で孤独感を抱いているのであれば、住んでいる地域のサークルや、共通の趣味同士のコミュニティに参加してみるのがおすすめです。現在は、オンラインで気軽に多くの人と繋がることができるので、インターネット上のコミュニティに参加するのも一つの手です。
そういったコミュニティに所属することで、気軽に相談できるような友達が見つかるかもしれませんし、単純に楽しむ時間も増えるため、孤独感が和らいでいきます。
◆運動をする
軽い運動をすることで、ストレスを解消すると、気持ちがポジティブになります。毎日ストレスを感じていて、どうしようもない孤独感を抱いているような場合、身体を動かすことで孤独感が和らぐ可能性があります。
仕事ばかりで会社と家の往復しかしていないという人や、出かけることが少なくて家でじっとしてしまうという人は、ジョギングやストレッチなどの軽い運動をしてみるのがおすすめです。
◆ペットを飼ってみる
家に一人でいるときに強烈な孤独感に襲われる人は、ペットを飼うことも検討してみてはいかがでしょうか。ペットがいなくなったときがつらい、ペットのハードルが高いという場合は、植物を育ててみるのもいいでしょう。責任を持って何かを育てることは、とても有意義なことであり、自分は一人ではないということを強く実感することができます。
◆仕事や勉強に没頭する
仕事や勉強に没頭するのも一つの手です。何かに没頭しているときは、孤独のことを考えずに済みますし、仕事で成果を出して上司などに認められれば、「自分は頼られている」という実感も沸きやすくなり、孤独感を解消することに繋がります。
◆一人で楽しめる趣味を見つける
休みの日、家に一人でいてしまうのであれば、ゲーム、料理、習い事など、一人で楽しめる趣味を見つけるのもいいでしょう。何か楽しみがあれば孤独感は和らぎますし、趣味を通じて信頼できる友達ができるかもしれません。共通の趣味を持っている人同士であれば、自然とお互いに打ち解けやすくなるのではないでしょうか。
◆誰かに話を聞いてもらう
他人に話を聞いてもらうのが、孤独感を解消する一番の近道です。
友達や家族でもいいですが、話しづらい場合はカウンセラーに相談するのがおすすめです。誰かに悩みを聞いてもらうことで気持ちもスッキリしますし、カウンセリングであれば具体的な解決策を専門家と一緒に考えていくことができます。自分に合うカウンセラーを見つけてしまえば、「いざとなったら話を聞いてくれる人がいる」と思うだけでも、孤独感を抱きにくくなります。
対面でのカウンセリングが苦手な人は、ビデオ通話やメールでのカウンセリングでも同じように悩みを相談できますので、上手に活用してみてください。
臨床心理士とは・・・
悩みを抱える人との対話をベースに、精神分析や心理療法を使って問題の解決をサポートする「こころの専門家」です。
臨床心理士の資格は厳しい学習条件が求められ、心理業界では長年にわたり根強い信頼性を持っています。
うららか相談室には、多くの臨床心理士が在籍しています。
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中には、一人でいる時間を恥ずかしいことだと思っている人がいるかもしれません。一人で街を歩いている、一人でご飯を食べていることは、そうでない人たちから否定されているような気がするのではないでしょうか。
しかし、例え誰かと一緒にいても、相手が自分のことを100%理解してくれるということはありません。むしろ、一人の時間を大切にして、自分の能力を高めたり、休息をとったりすることのほうが、有意義なこともあります。
もし全ての「孤独」を無くしてしまったら、信頼できる友達のありがたみも分からなくなるでしょう。一人であることを必ずしも避けるのではなく、「一人でいる時間」と「誰かと一緒にいる時間」のバランスを心掛けることで、生きる上で必要な「孤独」をポジティブに取り込めるようになります。
寂しさを紛らわすだけでは、根本的な孤独感を解決することになりません。信頼できる人間関係を作ることはもちろん大切ですが、究極的には、「誰かに」ではなく「自らが」強く自分のことを肯定していれば、孤独が突然訪れても上手く乗り越えられるようになるでしょう。
今回は、孤独感の原因や対処法についてご紹介しました。ただし、孤独感という言葉は、広い意味で使われていて、非常に曖昧です。強烈な孤独感と思っていたものが、実は別の不安やストレスに由来するものであったため、今回取り上げた対処法だけでは根本的な解決に至らなかった…という可能性もあります。カウンセリングでは、そうしたモヤモヤした感情をカウンセラーと整理し、的確な解決策を専門家と一緒に考えていくことができますので、ぜひご活用ください。
(参考)東洋経済オンライン|https://toyokeizai.net/articles/-/141866