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  1. 食事でうつ予防。栄養指導でメンタルヘルスを改善しよう

食事でうつ予防。栄養指導でメンタルヘルスを改善しよう

突然ですが、こころはどこにあるのでしょうか。

科学の領域でいうと、それは脳です。

私達は脳の働きにより、様々なことを記憶し、考えます。



では、脳はどうやって働き続けているのでしょうか。

脳神経は、私たちが食事をとることにより、栄養を補給し、働きます。

つまり、私達は食事によって体の健康を保つと同時に、こころの健康も保っているといえるのです。

メンタルヘルスのカウンセリング

栄養とメンタルヘルスの関係

長い間、うつ病等、精神分野の疾患において栄養はあまり重要視されてきませんでした。

うつ病については、抗うつ薬などの薬物療法、および認知行動療法などの心理療法が主な治療法とされています。


しかし近年、精神栄養学の研究が進むにつれ、食事と栄養が人間の生理機能と体組成に重要であるだけでなく、気分の変調と精神的健康にも大きな影響を与えることを示唆する研究結果が増えています。


例えば、うつ病は肥満、メタボリック症候群、糖尿病などの、エネルギーの過剰摂取が主な原因となる病気と相関関係があると考えられています。

肥満とメタボリック症候群は、うつ病のリスクを約1.5倍に高め、うつ病はメタボリック症候群のリスクを約1.5倍に高めます。

糖尿病とうつ病に関しても、糖尿病にかかっている人の群と、かかっていない人の群を比較すると、およそ2倍糖尿病にかかっている群でうつ病患者が多かった、という研究結果もあります。(参考文献:こころに効く精神栄養学/功刀浩著/女子栄養大学出版部)


私は、精神病院で管理栄養士として勤務してきましたが、体感的にも、うつ病の方でこれらの病気を抱えている患者様は多かったように思います。

うつ病とこれらの病気、どちらが先か、ということはなかなか言えないものです。しかしながら、うつ病の患者様は、


・自身で栄養管理を行うところまで余裕を持つことが難しい

→もともと持っていた糖尿病等の症状が悪化する

→その結果心筋梗塞等のリスクが高まり、うつ病の症状が悪化する

→また生活習慣病のリスクが高まる


といったように、こころと体の負のスパイラルから抜け出せないパターンは多く見受けられました。


うつ病をやわらげたり、うつ病を予防する効果が期待される栄養素は、鉄やビタミンD、n-3系多価不飽和脂肪酸など、たくさん存在します。

詳しくはまた、別のコラムにてお伝えできればと思います。


冒頭で、脳も食べたものにより、健康に働くことができることを簡単に述べました。

よく、”人は食べたものでできている”というフレーズを耳にしますが、ある意味では”こころも食べたものでできている”と言うことができるかもしれません。


・なんだか気分がもやもやする

・常に疲れている

・小さなことにもイライラしてしまう


もしかしたら、その理由にあなたの毎日の食事内容が関係しているかもしれません。

栄養カウンセリングでできること

深刻な心の不調がなくても、定期的にカウンセリングを受けることは、自分でも気づけなかった自分の状態を知る良い機会となります。(詳しくはうららか相談室のコラム”心の不調がなくても受けられる。定期的なカウセリングを受けるメリット”をご覧ください。)

栄養相談においても同じことが言えます。

普段の食事内容、生活習慣についてお話する中で、なにか気づくことがあるかもしれません。


・自分ではバランスの良い食事をしているつもりでも、実は偏りがあったんだ!

・そもそも、バランスの良い食事って何?

・家族の食事作り、当たり前と思ってこなしているけど、本当はこんなに負担を感じていたんだ。。

・周りと衝突することが多くて悩んでいたけれど、もしかしたら食事でこの栄養素がとれていなかったから?


改善したいことが見つかったら、解決へのアドバイスを受けることができます。


例えば、バランスの良い食事の取り方を学んだり、普段の食事の聞き取りから、献立例と改善のポイントを知ったり、不足している可能性のある栄養素についてご紹介し、どのように利用者様の生活に取れ入れることができるか考えたり。


あなたのより良い心の健康のために、できることを一緒に考えましょう。


特に改善点がない素晴らしい食生活を送っている方も中にはいらっしゃるかもしれません。

この栄養カウンセリングでそれが確認できれば、きっと毎日の食卓に自信が持てることでしょう。

こころの片隅に、なにか心配なことがあれば気軽に相談できる、自分のかかりつけ管理栄養士がいるんだと思ってくだされば幸いです。


もちろんピンポイントでのお悩み、例えば


・職場でストレスを感じており、うつ病にならないか不安に感じている。

・こころの不調を感じ、カウンセリングを受けた経験があるが、いまいち効果を感じなかったので、他の手段を試してみたい。

・妊娠中で気分の変動が激しく、産後うつも心配。なにかできる対策はあるの?

・血糖値や血圧が高めと健康診断で言われたが、治療を開始するほどではない。定期的に病院に通う気力はないが、自宅で空き時間にできるなら、食事指導をしてもらいたい。

・メタボが気になるが、パーソナルトレーナーをつける余裕はないので、すきま時間に低価格で管理栄養士に相談したい。


など、どんなことでもお気軽にご相談下さい。


じっくりとお話を聞かせて頂いたうえで、どうしたら、食事でお悩みを解決できるのかをご提案致しますので、一緒に考えていきましょう。

おわりに


1日3回、一生続いていく食事。

栄養カウンセリングを受けていなかった人と、定期的に栄養カウンセリングを受け、食事内容を見直していた人とでは、5年後10年後、もしかしたら生活が違っているかもしれません。


体の不調も、こころの不調も、深刻になってから治療するのと、芽がでる前に予防しておくのとでは、後々、大変さが全然違います。疾患名がついてから、長い間身にしみついた食生活を改善することは、大変な労力を伴います。


かかりつけ医やいつも指名するなじみの美容師がいるように、利用者様の生活の一部に管理栄養士が加わり、こころと体の生活をサポートしていければと思います。


是非一度、お気軽にご相談下さい。

臨床心理士によるカウンセリング
このコラムを書いた人
管理栄養士
精神病院で管理栄養士として勤務。相手の気持ち、実情に寄り添う栄養指導を心がけている。現在、うつ病予防の栄養相談や料理教室、社会福祉施設での栄養プログラムを行っている。
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