マインドフルネス瞑想を知っていますか?
昨今では、マインドフルネス瞑想の効果が広く認識され、さまざまな企業などで導入されるケースが増えています。
今回はマインドフルネス瞑想のやり方や効果のほか、誘導瞑想の動画もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
- おわりに
マインドフルネスとは、過去・未来や余計な思考・感情にとらわれず、今この瞬間をありのままに受け入れる心の在り方のことです。そして、マインドフルネスを意識的につくるための手法として、「瞑想」が用いられています。
マインドフルネスな状態をつくるためのトレーニングのひとつである「マインドフルネス瞑想」を行うことによって、思考や感情にとらわれず、心の安定や、集中力を得ることができるといわれています。
もとは仏教的な考えが由来となっているマインドフルネス瞑想ですが、心理学で使われるものは宗教的な要素が除かれており、不安やうつに対する効果が科学的に検証されています。
マインドフルネス瞑想にはどのような効果があるのか、見ていきましょう。
・頭がスッキリする
マインドフルネス瞑想を行うと、頭がスッキリする効果があります。これは、脳が十分休んで、思考や感情などで支配されていた脳内がスッキリと整理されるからです。
普段の生活の中では、色々な出来事が起こり、頭の中はとても忙しい状態ですが、マインドフルネス瞑想で心を静め、「今、ここ」だけに集中することで、脳の疲労が減り、頭がスッキリした感覚を味わうことができます。
・ストレスや不安を軽減できる
マインドフルネス瞑想で、ストレスや不安な気持ちを軽減することができます。
今この瞬間に集中することで、脳を休ませ、ストレスの原因となる思考や感情に振り回されにくくなります。
また、客観的に自分を見つめ直すことで、ストレスを感じている今の自分の状態に気づくことができます。ストレスは、日常生活の中で知らず知らずのうちにため込んでしまいがちですが、気づくことでストレスを過度にためず、早めに対処したり、うまく付き合っていくことができるようになります。
・睡眠の質の向上
マインドフルネス瞑想の効果として、睡眠の質の向上も挙げられます。
睡眠は自律神経と密接な関係があり、自律神経の乱れは睡眠の質の低下につながるといいます。自律神経には活動しているときに働く「交感神経」と、リラックスしているときに働く「副交感神経」があり、その切り替えをスムーズに行うことで健康を維持していますが、正しいバランスが崩れると、身体の不調や不眠を招いてしまうことがあります。
マインドフルネス瞑想を行うことで、交感神経を休めて副交感神経を優位にし、良質な睡眠をとることができます。特に、就寝前にマインドフルネス瞑想を行うと効果的です。
・集中力の向上
マインドフルネス瞑想では、感情や思考が湧き上がってきたときも、それにとらわれることなく、呼吸や身体感覚に意識を戻して集中します。これを繰り返し行うことで、目の前のことに集中する力が高まるといわれています。
・感情のコントロールができるようになる
マインドフルネス瞑想を行うと、自分の心の動きがよくわかり、自分が今どのような感情なのか、気づくことができます。自分の感情を客観的に認識することで、感情に支配されず、感情を落ち着かせたり、対処したりすることができるようになります。
・コミュニケーション力の向上
マインドフルネス瞑想を続けて、ストレスが軽減されたり、自分の感情をコントロールしたりすることで、自分の気持ちに余裕が生まれ、周囲の人との円滑なコミュニケーションにつながることもあります。人間関係がうまくいくようになると、自分もストレスを抱える機会を減らすことができるので、良い循環が生まれます。
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うららか相談室では、あなたの「変わりたい」という気持ちを、臨床心理士などの専門家がしっかりとサポートさせていただきます。
ここでは、簡単なマインドフルネス瞑想のやり方をご紹介します。
まずは、短い時間で5分と決めて行ってみましょう。
(1)姿勢を整える
まずは、楽な姿勢で座ります。
あぐらや正座、椅子に腰かけるなど、自分が取り組みやすい方法で座りましょう。
左右の座骨に均等に体重が乗るようにし、背骨は自然に伸ばしていきます。
手は膝上など、楽な位置に乗せてください。手のひらは上向き・下向きのどちらでも構いません。
目は閉じるのが基本ですが、軽く開いているほうが行いやすい場合、開いていても大丈夫です。
(2)自然な呼吸に意識を向ける
いつもの自然な呼吸に意識を傾けましょう。呼吸が浅いと感じる場合も、気にしなくて大丈夫です。呼吸をコントロールしようとせず、ありのままの呼吸に意識を置きます。
(3)感情や思考が浮かんでも、意識を呼吸に戻す
慣れないうちは、感情や思考が浮かんできたり、ふと別のことを考えてしまうこともあるかもしれませんが、それを追わずに、そっと意識を呼吸に戻しましょう。
(4)繰り返す
(2)~(3)を5分間繰り返しましょう。
誘導瞑想とは、人の声やナレーション、動画などのガイドに沿って行う瞑想のことです。
ガイドなしの瞑想でも、継続することで徐々に効果を得ることはできますが、初心者の人が瞑想を行う場合、「うまく集中できない」「やり方が分からない」といった理由から、なかなか継続して行うことが難しいこともあります。
誘導瞑想では、何に意識を向け、何を感じればよいのかなど、具体的な手順を説明してくれるため、自分だけで瞑想を行うよりも集中しやすく、手軽に実践することができます。
また、瞑想中に余計な思考や感情が浮かんできた場合も、「考えをいったん置いておいて、呼吸に意識を戻しましょう」などと誘導してもらえるため、マインドフルネスな状態をキープすることができるので、特に初めてマインドフルネス瞑想を行う方にはおすすめの瞑想法です。
うららか相談室のYouTubeチャンネルでは、このような誘導瞑想の動画を公開していますので、ぜひご覧いただき、チャンネル登録を行なっていただければ幸いです。
マインドフルネス瞑想を行うときの注意点について、いくつかご説明します。
・毎日実践する
マインドフルネス瞑想は、できるだけ毎日行うことを心掛けましょう。はじめは短い時間でも構いません。習慣化して継続することで、効果を実感しやすくなります。
座りながら、じっとして行う瞑想が苦手な人は、「寝ながら」「歩きながら」行う瞑想法もありますので、試してみるのもいいでしょう。
また、先ほど5分間行う瞑想をご紹介しましたが、難しいと感じるときは、1分でも構いません。毎日でも1分の瞑想なら、ストレスなく行うことができるのではないでしょうか。
・継続して行う
マインドフルネス瞑想の効果を実感するためには、継続して実践することも大切です。マインドフルネスは、始めてすぐに習得できるわけではありません。短い時間でもいいので、毎日の瞑想を継続することによって、徐々に効果を実感できます。
はじめのうちは、「何度かやってみたけど効果がない」などと思うこともあるかもしれませんが、まずは2ヶ月間を目標に続けてみましょう。
また、瞑想中に様々な考えが浮かんでしまい、「自分にはマインドフルネス瞑想は向いていない」と感じてしまう人もいるかもしれませんが、最初から上手くできる人は少数です。完璧を求め過ぎずに、継続して行うことを心掛けましょう。
・カウンセラーと一緒に習得する
マインドフルネスを習得するには、カウンセリングを受けて、カウンセラーと一緒に習得していくのも効果的です。
マインドフルネスの考え方は、カウンセリングや心理療法に多く取り入れられ、うつ病や不安障害などの治療や予防にも用いられています。カウンセラーと一緒にマインドフルネスな心の在り方を習得することで、効率的にマインドフルネス瞑想を継続することができます。
・通院中の方は医師の許可を
現在、精神疾患などで通院中の方は、医師の許可を得て行うようにしましょう。精神疾患を抱えている場合、状態によってはマインドフルネス瞑想を行うことで病状が悪化する可能性もありますので、注意が必要です。
今回は、マインドフルネス瞑想のやり方や効果などについて解説しました。
心身ともに健やかな毎日を過ごせるよう、日常生活に無理のない形でマインドフルネス瞑想を取り入れてみてはいかがでしょうか。