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  1. マインドフルネスとは?マインドフルネス瞑想の効果、やり方、注意点

マインドフルネスとは?マインドフルネス瞑想の効果、やり方、注意点

マインドフルネスという言葉をご存じですか?過去でも未来でもなく、いまこの瞬間に意識を向けるマインドフルネスとはどういったものなのかをご紹介していきます。日常生活でうまく活かせると、いまよりも心が軽くなり、不必要なストレスにとらわれなくなるかもしれません。毎日が多忙で、心がなかなか休まらない方には、特におすすめです。今日からマインドフルネスの習慣をつけていきませんか?

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目次

- マインドフルネスとは

- マインドフルネスの効果

- マインドフルネス瞑想のやり方

- マインドフルネスを取り入れた心理療法・カウンセリング

- マインドフルネスの注意点

- おわりに

マインドフルネスとは

マインドフルネス(mindfulness)という言葉は、古代インドのPali(パーリ)語の単語であるSati(サティー)を英語で表したものです。英語では「注意する」「気をつける」という意味で、漢語では「念」、日本語では「気づき」と訳されることが多いようです。マインドフルネスには、確立された定義はありません。しかし、「ありのままに、自己受容の気持ちを持ちながら、いま、この瞬間に集中していくこと」というような表現がよくされています。

マインドフルネスという用語は、1881年に仏教学者T. W. RhysDavidsによって最初に造られましたが、世に広く知れ渡り始めたのは、カバットジン博士がマインドフルネス瞑想に基づくストレス低減プログラムを作り、精神医療に導入してからのことです。彼は、マインドフルネスを「今ここでの経験に、評価や判断を加えることなく、意図的に注意を向けることによってあらわれる気づき」と定義しています。元々は、仏教の教えから来ている言葉であるため、宗教的に捉えられがちですが、マインドフルネスの効果は、様々な論文を統合的に検証する方法などで、科学的根拠も明らかにされているため、現在では様々な心理療法に取り入れられ、世界的に注目を集めています。

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マインドフルネスの効果

私たちが忘れがちなことを気づかせてくれるのがマインドフルネスです。その忘れがちなこととは、「現在の瞬間」に焦点を当てることです。つまり、マインドフルネスをとおして「いま」を感じることを練習していきます。そして、人生の全ての瞬間に完全な注意を払うことができるようになることで、将来について不安に思ったり、心配する時間が減り、過去について悩む時間も減っていきます。マインドフルネスでは、過去でも、未来でもなく、「いま、この瞬間に目を向ける」ことで余計な不安、手離してもよい思考から抜け出そうとします。


人の心は本当に移ろいやすく、何かに意識を向けようとしてもすぐに何か違うことを考えだしてしまいます。 例えば、今日あった嫌なこととか、誰かに言われたこととか、忘れていた大事なことであったりなど、突拍子もなく過去のことを思い出したりもします。また、何かに意識を向けようとしても、携帯電話の通知に反応したり、お茶が飲みたくなったり、くしゃみがでたりと周りの影響によって、またすぐに集中が続かなくなってしまいます。しかし、マインドフルネスを習慣化していくと、いまこの瞬間に意識を向けることができるようになるため、不必要なストレスを減らすことができたり、周りに反応しすぎず自分で自分の心をコントロールできるようになるため、私たちの生活をより良くしていくことが期待できます。

マインドフルネスは、心理療法・カウンセリングの場でうつ病患者への感情のコントロール、不安との向き合い方を改善したり、職場でのパフォーマンスの向上につなげられていたりと、今は医療やビジネスの場でも様々な結果を出しており、それは、私たちの健康、幸福、仕事、そして人間関係にプラスの利益をもたらすことを示しています。複雑化、多様化する世の中に振り回されたり、圧倒をされたりせずに、自分自身に目を向け、自分で自分を上手くコントロールする手だてを教えてくれるのがマインドフルネスです。

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マインドフルネス瞑想のやり方

マインドフルネス瞑想は、注意力を養うことで、感情のコントロール力を発達させ、不安や心配を大幅に減らす方法です。ここでいう瞑想とは、宗教性やスピリチュアルな要素を取り除いたもののことを指します。

マインドフルネス瞑想では、身体的な感覚、とりわけ、呼吸に意識を集中します。呼吸に意識を集中すると身体で呼吸を感じることができ、それを繰り返していく中で、ご自身の思考や感情が常に存在し、周りの音などに反応していることに気づきます。心がどこへ行ってしまっても、色々な事が頭の中に浮かび上がってきても、次の呼吸でまた、呼吸へ集中を向けていきましょう。時にはどうしても頭に浮かんでしまって消せないことがあったり、落ち着かせるまでに時間をかなり要することもありますが、そのような気づきとともに、多くの場合、思考や身体の感覚、心の動きや不快な身体感覚は落ち着き、消えていきます。このようにして、心の内外で起きていることを感じていきながら、意識を常に対象(呼吸)に集中させようとすることにより、移ろいやすい心やとらわれた思考を手離し、今あるがままの状態を受容していきます。

さて、マインドフルネス瞑想にチャレンジしてみましょう。

瞑想を始めたばかりの方の場合、まずは5分タイマーを設定して行なってみましょう。慣れてきたら、その倍、45分、1時間と徐々に時間をかけて行っていくのもよいでしょう。多くの場合は、朝または夜に行いますが、少しの時間とスペースさえあれば、いつでもマインドフルネス瞑想を行っていただけます。1日1、2回程度がおすすめです。


まずは、家の中で落ち着ける場所を見つけます。電気を消すか、自然光を利用し、できるだけ刺激のない空間を用意しましょう。下記1~4のプロセスは、マインドフルネス瞑想における姿勢の練習です。瞑想を始めたばかりの方向けですので、1分くらいかけて自然とできるようになるまでこのプロセスは行いましょう。これは、マインドフルネス瞑想に入る前に自分を安定させ、リラックスできる位置や感覚を見つけるためです。怪我やその他の身体的な事情がある場合は、状況に合わせてこのやり方を変えていきましょう。マインドフルネス瞑想に慣れてきたら、このプロセスは自然とできるようになりますので、スキップしてOKです。


1.まずは楽に座る。

緊張を感じる座り方ではなく、どっしりと安定を感じられる座り方を見つけていきます。椅子の上でも、床でも構いません。もし、床のクッションの上に座るならあぐらを組んでみたり、椅子に座るなら足の裏を床につけると安定します。


2.背筋を伸ばして座る。

このとき身体をこわばらせず、自然な力で背筋を伸ばし、頭頂を天井に向かってのばしていきましょう。


3.腕や手の位置を見つける。

肩の緊張をとり、首を長く保ったら腕の緊張をとるように手のひらを上腿の上に置いたり、心地よいと感じることができる位置を見つけていきましょう。


4.やわらかい目線

顎を下に引き、目線を少しだけ落としたら少し遠くをみていきましょう。壁にシールなどを貼り付けて、見る対象を作っても構いませんし、目を閉じてもかまいません。まずは、5回ほど呼吸を感じていきましょう。ご自身の内に目を向け、呼吸を感じていきます。鼻から吸って鼻から吐く、鼻から吸って口から吐くなど呼吸法に決まりはありませんが、吸う息を吐く息が通り抜けるのを鼻または口で感じ、お腹や胸の動きにも注目していきましょう。


5.しばらくこの状態を味わう。

呼吸に意識を向けて身体で感じ、ご自身の内側に目を向けていきます。


6.呼吸を感じる。

吸う息と吐く息を身体で感じ、心で感じていきます。吸う息では、鼻から空気が入り、胸、お腹を通り、吐く息ではお腹、胸、そして鼻からゆっくりと息を吐き出します。いつもよりゆっくり丁寧に呼吸を続けていきます。


7.意識が離れたら戻していく。

気づかぬうちに、ご自身の意識が息を止めて他の場所にさまようでしょう。しかし、心配しないでください。無理にその思考を妨げたり排除したりする必要はありません。心がさまよっていることに気づいたら、ゆっくりと呼吸に注意を戻します。


8.さまよう心や思考に気づいていく。

ご自身の心が絶えずさまよっているのに気付くかもしれませんが、それも正常です。それらの考えと格闘したり、関与したりするのではなく、反応せずに観察する練習をしてください。ただ座って呼吸に注意を払ってください。この状態を維持するのは難しいですが、マインドフルネス瞑想はこれの繰り返しだけです。さまよう思考について、ご自身で判断することも期待することもしないで、心が離れるたびに何度も何度も集中を呼吸へ戻します。


9.段々と視点を動かし、元の状態に戻す。

しばらく行なったら、そっと視線を上げます(目を閉じている場合は開きます)。少し時間を取って、周りの音に意識を向けていきます。そしてご自身が今どのように感じているかに注目してください。ご自身の考えや感情に注意してください。しばらく一時停止して、マインドフルネス瞑想を終えた後の1日をどのように続行するかを考えていきます。


これで、おしまいです。とてもシンプルですが、簡単なことではありません。これを継続して行っていくことで、1週間後、1か月後、1年後と徐々に効果を感じられるでしょう。


マインドフルネスを取り入れた心理療法・カウンセリング

マインドフルネスを取り入れた心理療法プログラムについて紹介します。


◇マインドフルネスストレス低減法

マインドフルネスストレス低減法(MBSR:Mindfulness-based stress reduction) は、エビデンスに基づく8週間のプログラムです。慢性的な痛みやストレスをもった患者に対して、注意集中力を高める瞑想を使うこの方法は、世界各国で定評があるマインドフルネストレーニングです。これは、私たちが、毎日生きていく中で立ち向かう必要のある、様々なストレス・欲求・心理状態・生活問題等に対して、真正面から向き合い、より生きやすい状態へ立ち返ることを目的としています。1970年代にジョンカバットジン教授によってマサチューセッツ大学メディカルセンターで開発されたMBSRは、マインドフルネス瞑想、身体認識、ヨガ、行動、思考、感情、行動のパターンを組み合わせて患者へのアプローチが行われています。


◇マインドフルネス認知療法

マインドフルネス認知療法(MBCT :Mindfulness-Based Cognitive Therapy)は、主に身体的ストレス・痛みのある患者のために作られたマインドフルネスストレス低減法を、うつ病患者向けにした、うつ病の再発予防プログラムです。実証に基づいたマインドフルネスの技術と認知行動療法の原則を統合させて、今では日常のストレスから様々な心理疾患にいたるまで幅広い治療に用いられています。特に、うつ病の再発予防効果が実証されたことにより大きな注目を集め、イギリスではうつ病の再発予防プログラムとしてNICE(国立医療技術評価機構)によって推奨されています。


◇自己洞察瞑想療法

自己洞察瞑想療法(SIMT: Self Insight Meditation Therapy)は日本で民間セラピストによって開発されたマインドフルネス心理療法です。SIMTでは、不安、抑うつ症状、辛い状況など不快なことがたとえ存在しても、自分の心を観察し、あるがままを受容し、不快な事柄ではなく、自分の希望に目を向けて建設的な行動を選択できる心を習得することを目指します。SIMTのプログラムでは、規則正しい生活の確立とともに、進捗状況に合わせた様々な呼吸法と自己洞察スキルを長期間かけて身につけていきます。


上記のようなプログラムでなくても、カウンセリング内で、気持ちを落ち着かせたり、余計な思考にとらわれないようにするために、マインドフルネスの考え方が取り入れられることもあります。

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マインドフルネスの注意点

現在、通院中の方やカウンセリングを受けておられる方は、医師や臨床心理士の許可を得て行なってください。また、マインドフルネスを取り入れた心理療法、カウンセリングは自己流で行わず、医師や臨床心理士などのもとで行なってください。日常生活で取り組めるマインドフルネス瞑想については、毎日やらなければいけないなどと義務的になってしまうと、できなかった時に罪悪感を感じてしまいストレスを生んでしまいます。時間に余裕があるとき、やりたいと思えるときに取り組んでみることから始めてみてください。

おわりに

マインドフルネスは、いまこの瞬間に意識を集中することで、不必要なストレスにとらわれないようにするためのトレーニングです。マインドフルネスにおける瞑想とは、宗教性やスピリチュアルを取り除いたものであり、精神疾患の治療や予防にも効果が期待されています。必ずしも、すぐにマインドフルネスの効果を実感できなければいけないというわけでもありませんので、すきま時間などを使って、焦らず気楽に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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<参考文献>

MINDFULNESS &MEDITATION|https://wellness.huhs.harvard.edu/Mindfulness

Where Does The Word "Mindfulness" Come From?|https://www.psychologytoday.com/us/blog/finding-light-in-the-darkness/201603/where-does-the-word-mindfulness-come

Mindfulness-based stress reduction|https://en.wikipedia.org/wiki/Mindfulness-based_stress_reduction

MBCTとは|https://mindfulness.jp.net/forum2016/whats-mbct/

認知行動療法とマインドフルネス|http://www.sakuma-clinic.net/shinryo/mindfullness.html

MBSR(マインドフルネス ストレス低減法)|https://tokyo-mindfulness-center.jp/program/about-program/mbsr/

このコラムを書いた人
社会福祉士
社会福祉協議会、小学校で社会福祉士・児童指導員として勤務し、様々な生活相談(大人の発達障害、HSP、養子縁組、児童虐待、生活困窮、障がい者や高齢者の介護者など)に携わる。現在はオランダで活動中
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