いつも誰かに怒っている、イライラして人に当たっている、そんな人は周りにいませんか。そういった攻撃的な人が、まったくの他人であれば放っておけばいいですが、家族や友人にいた場合、どのように接したらいいか分からない、ということになりやすいですよね。できれば攻撃するのをやめてほしいところですが、攻撃的な人と上手く付き合っていく方法はあるのでしょうか。
目次
- 攻撃的な人の特徴
- 攻撃的な人の心理
- まとめ
ストレスフルな世の中で、全くイライラしないで生きている、という人は少ないのではないでしょうか。イライラすると全員が攻撃的になるわけではないにしろ、人を攻撃してストレスを発散するような人も増えるでしょう。実際、パワハラやモラハラなどのハラスメントを受けたことがある人は多く、攻撃する人が意外と多いということがわかります。
会社の中だけでなく、友人、家族親戚、近所の人など、攻撃的な人が周りにいる、というのは意外と珍しくないのでしょう。
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では、攻撃的な人の特徴としてはどんなことが挙げられるのでしょうか。
◇自分に自信がない
攻撃的な人は、自分に自信がないことが多いです。自分にゆるぎない自信があれば、他人に対して優しくできたり、余裕を持って接することができますよね。自分に自信がないと、いつ周りの人に抜かされるか、いつ負けてしまうのか、という不安が大きく、その前に相手を支配したり負かそうとしたりするため、攻撃的になりがちです。
◇負けず嫌い
攻撃的な人は、負けず嫌いな人が多いです。ライバルと思っている人や、自分より劣っていると思っていた人が、いい成績を残したり、プライベートがうまくいったりしていると、負けたくないと思い、相手を攻撃する傾向があります。また、自分より優れていると思っている人であっても、自分より目立っていたり注目されていたりすると、それが気に入らず相手を攻撃することがあります。直接その人を攻撃できなかったり攻撃が効かなかったりする場合は、周りの人にその人の悪口や愚痴を言って評判を落とすようなことをする場合があります。
◇高圧的で口が悪い
攻撃的な人は、他人に負けるのが嫌いで、他人より優位に立ちたいと思っているので、それを脅かすような相手に対して、高圧的な態度をとったり、口調を悪くしたりして相手を萎縮させようとする傾向があります。そうすることで、相手が自分に逆らえないようにしようと図っていると考えられます。
自分のほうが優れている、ということを知らしめたくて、相手がしゃべっているところを遮ったり、相手の意見をねじ伏せるような言い方をしたり、上から目線で話したりします。
◇短気でいつもイライラしている
攻撃的な人は、イライラしていることが多く、短気であることがよく挙げられます。我慢をする立場になると、ちょっとしたことでイライラしたり、怒ったりする傾向があります。
相手が待ち合わせに遅れたり、返信が遅かったり、思い通りにいかなかったりすると攻撃的になることがあります。
◇承認欲求が強い
攻撃的な人は、自分が優位に立ちたい、周りから認められて賞賛されたい、という承認欲求が強く、周りの人を思いやることができない傾向があります。自分に注目が集まっているときは気分が良く、自分より劣っていると思う人やライバルに注目が集まると気分が悪くなることが多いです。また、自分が認められるためなら、周りの人をけなしたり妨害したりしてでも賞賛を手に入れようとします。
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では、攻撃的な人はどのような心理状態にあるのでしょうか。
◇自分を守りたい
攻撃は最大の防御、とも言われますが、攻撃的な人の心理として、自分を守りたい、という気持ちを抱えていることが挙げられます。自分の弱いところやダメなところを指摘されたり、攻撃されたりするのが怖いという心理があると、自分を守ろうとして先に相手を攻撃したり、相手を支配して言うことを聞かせようとしたりする傾向があります。
◇孤独になりたくない、構ってほしい
攻撃的な人は、ダメな自分や弱い自分を知られてしまうと、相手が離れていくのではないか、ひとりぼっちになってしまうのではないか、という不安を抱えていることが多いです。他人に見放されることにトラウマのようなものを抱えていると、このような不安を抱えやすくなります。
◇攻撃されるのが苦手で先手を打っている
攻撃的な人の中には、自分が攻撃されそうでなくても、他人から否定されることに対する不安が大きいために、相手が弱みを見せると、ここぞとばかりに攻撃して、相手から攻撃されない状況を作っておくという人もいます。
◇他人を支配したい
攻撃的な人は、自分に自信がなく、自分の立場を守りたい、と思っていることが多いので、それを脅かすように感じる人には支配的な態度をとって、攻撃する傾向があります。例えば、ライバルと感じている人が会議で良い発言をしたり、ライバルと感じてる友達が自分よりいい恋愛をしていたりすると、自分の立場が危うくなったように感じ、相手にわざと攻撃的な態度を取り、支配しようとします。
では家族や友人など、身近な人が攻撃的だった場合、周りはどのように接したらいいのでしょうか。
◇なぜ攻撃的なのかを考える
まずは、なぜその人が攻撃的なのかを考えるようにしましょう。もしかしたら寂しさを抱えているかもしれませんし、自分に自信がないのかもしれません。その推測を相手には伝えないほうがいいですが、相手が攻撃的になっていることに対して、寄り添って考えなければ解決しようとするのは難しいでしょう。
また、どうして攻撃的なのか分からないと、「なぜいつも怒っているんだろう」「どうしてそんなにイライラしているんだろう」と、自分までイライラしてしまうことがあります。
理由が分かれば、相手を落ち着かせる方法や、攻撃される前に対策を打つ方法も見つかりやすくなります。
◇適度な距離感で接する
攻撃的な人からの被害を防ぐためには、適度な距離感も大切です。家族や親友だとなかなか距離をとることは難しいかもしれませんが、距離が近すぎると、相手も弱いところを見られるのではないかと不安になったり、自分が弱みを握られて攻撃されやすくなったりします。心配してしつこく連絡をしたり、無理に会ったりするようにしていると、相手は不安を感じてしまい、攻撃されやすくなります。
◇いい人をやめる
攻撃的な人というのは、歯向かったり反抗したりしない人を攻撃する傾向があります。反撃されることがないと分かっていると、周囲に自分のことをアピールするときにも好都合な存在になります。攻撃されても「ごめんね」と謝ったり、「そうだよね」と話を聞いてばかりいると、この人は言うことを聞いてくれる、と思われ、ストレスのはけ口として利用される可能性があります。また、攻撃的な自分を許してくれていると感じるため、他人を攻撃するのをやめようと思いにくくなります。相手の反感を買うようなことはする必要がありませんが、きちんと自分の気持ちを伝えることも大切です。
最初は嫌な顔をされるでしょうが、きちんと伝えることで、攻撃されることが減ったり、攻撃するのが効果的ではないことに気づいてもらいやすくなったりします。
◇相手の味方であることを示す
攻撃的な人は、弱いところを知られることにより、相手から見放されるのではないかという不安を抱えている人が多いです。本人にいかなる弱さ、ダメなところがあったとしても、自分は無条件で相手の味方であると示すことで、攻撃的になる必要がなくなっていくことがあります。相手に気持ちが伝わるまで時間はかかりますが、相手が気にしている弱いところを見ても否定しない、受け入れるようにする、といったことが大切です。
◇どうしても無理な場合は距離を置く
攻撃的な人が、めったに会わない人や直接のつながりがない人であれば、放置して関わらなければいい話ですが、家族や友人の場合、関わらないというのは難しいですよね。
ただ、どうしても攻撃がなくならない、攻撃されるのがきついという場合は、相手から距離を置いてみましょう。距離をおいて攻撃をする対象がなくなると、攻撃がおさまっていくケースもあります。
攻撃的な人というのは、自分の弱いところやダメなところを周りに知られて、否定されるのではないかという不安な気持ちが強く、攻撃することで相手より優位に立っておこうとする傾向があります。本人が身近な関係でない場合、関わらないようにすればいいですが、家族や親しい友人などの場合は、なぜ攻撃的になっているのか考えてみたり、相手の弱いところを知っても否定せず、無条件で自分が味方だと示したりすることで、攻撃的でなくなるかもしれません。
病的な攻撃性は、精神障害の症状として診断されることもあり、適切な受けることで改善されます。カウンセリングでは、他人を攻撃してしまう原因や解決策について、カウンセラーと一緒に考えていくことができます。