職場でセクハラを受けているけど、誰にも相談できずに悩んでいる…そういった方は少なくありません。毎日嫌な思いをしている、会社に行くのが苦痛、となると精神的にとても辛いでしょう。では、セクハラをやめさせる方法や対処法などはあるのでしょうか。
目次
- まとめ
職場におけるセクハラとは、業務上必要のない言動によって職場環境を悪化させられたり、対価を要求されることを言います。
職場環境を悪化させられるセクハラは「環境型セクハラ」、対価を要求したり押し付けたりするセクハラは「対価型セクハラ」と定義されています。それぞれについて、発言などの事例を見てみましょう。
◆環境型セクハラ
環境型セクハラには、次のように、発言型、身体接触型、視覚型の3つの種類があります。
▽発言型
卑猥な話をしたり、個人的な性生活や性体験について尋ねたり、身体に関することについて聞くこと、性やジェンダーに介入した発言をすることです。
※これも発言型のセクハラです。
▽身体接触型
身体を触ったり抱きついたりすることや、身体を接近させたりじろじろ見たりすることです。
※これも身体接触型のセクハラです。
▽視覚型
卑猥なものを見せたり、自分の裸などを見せつけたりすることです。
※これも視覚型のセクハラです。
◆対価型セクハラ
対価型セクハラには、次のように、地位利用型、代償型、報酬型の3つの種類があります。
▽地位利用型
上司と部下などの関係性を利用して、性的な関係を迫ることです。上司部下だけでなく、相手が断れない弱い立場にあれば、その場合も地位利用型に当てはまります。
▽代償型
評価をよくしたり、お給料をよくしたりすることなどを条件にして、性的な関係を迫ることです。
▽報酬型
性的な関係を拒んだ場合、労働条件を不利にすることなどを脅しにして迫ることです。
※これも対価型のセクハラです。
セクハラは、あからさまな悪意があるものから、行為自体をごく普通のコミュニケーションや慣習と相手が思っている場合もあります。もちろん悪気がなくても、相手が好意を持っていようとも、セクハラはセクハラです。
先ほど挙げたいくつかの例に対して、「当てはまるけど、こういうシチュエーションだと仕方ないのかもしれないな…」と思うことがあったかもしれませんが、どんな場合でも例外なくセクハラだと考えてください。
臨床心理士とは・・・
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ではもしセクハラを受けている場合、相手にやめさせるにはどのような対処法があるでしょうか。
1.きっぱりと断る
まずは、嫌だと思っていることを伝え、きっぱりと断りましょう。相手によっては言いにくいかもしれませんが、もしかしたら「嫌がっている」ということを分かっていないかもしれません。または、分かっていても口に出して言わないなら、「大丈夫なんだ」と思っている可能性もあります。
口頭で伝えると、後で言った言わないの問題が起きやすいので、できるのであればメールで文章に残すほうがいいです。事実をしっかり記載して、送信履歴をとっておきましょう。
2.社内に味方を作る
もし社内に相談できる人がいるのであれば、社内に味方を作るのも一つの手です。セクハラというのは、どこからがセクハラなのか、ということを判断するのが難しい場合もあります。そんなときは、同僚や同じ部署の同性に話してみて、社内で味方を作りましょう。そうすれば、第三者から言ってもらうなど、セクハラをやめさせやすくなります。
3.人事部や上層部に相談する
もし人事部や上層部に相談できるのであれば、相談してみましょう。ただ、証拠などがないと、「事実確認ができない」「証拠がなく注意できない」とうやむやにされてしまう可能性もあります。証拠の写真や音声など、集められるものがあれば集めてから相談するのがいいでしょう。
セクハラを受けて精神的な苦痛を感じているときには、一人で抱え込まずに窓口やカウンセリングでケアするようにしましょう。セクハラというものは、なかなか周りには相談しづらいものです。人によっては、「あなたが誘ったんじゃないの?」「評価を上げたくていい顔してたんじゃないの?」などと、心ない言葉を投げてくる人もいます。また、そのように社内で噂されたら、ただでさえセクハラで居心地が悪いのに、職場での労働環境はより悪化してしまうでしょう。
精神的なひどい落ち込みや身体への影響が出ている場合には、迷わず病院で受診をしましょう。病院の診断書があれば、上層部や外部の機関、弁護士などに証言する際にも有利になります。
うららか相談室では、臨床心理士・キャリアコンサルタントなどの専門家を選び、メッセージ・ビデオ・電話・対面形式のカウンセリングを受けることができます。
匿名で相談ができるため、家族や友人に知られることなく、安心して相談していただくことが可能です。
「セクハラがなかなか改善されない」「改善されたとしても居心地が悪い」という場合は、転職することも選択肢に入れてみましょう。セクハラで転職するということは、決して逃げではありません。それは、前向きな決断と言えます。
セクハラが原因で転職する場合、転職理由について新しい会社に何と伝えたらいいか悩むと思いますが、「退職理由」については自分から積極的に話をする必要はありません。転職理由について聞かれたときは、前向きな志望動機を強調するようにしましょう。もしも「退職理由」について聞かれたときは正直に言ってもいいですし、広く「労働環境が劣悪だった」「別の環境で仕事がしたかった」などと伝える方法もあります。かなり理不尽なこととは思いますが、新しい会社としては、あなたがどのように頑張ってくれるのかを知りたがっているだけですので、今までの会社で学んだことやそれを活かしてどういったことをしていきたいかということを話すようにしましょう。
また、転職する場合は、会社と多少気まずくなっても構わない、ということで、慰謝料も請求しやすくなります。慰謝料の相場は50万円~200万円になります。慰謝料を請求したとしても、そのまま働き続けることはできますが、周りからの目が気になったりする場合、転職後に慰謝料請求すると、あまり後腐れなく訴訟を起こすことができます。
セクハラに悩まされると、毎日会社に行くのが苦痛で、中には心身の不調をきたしてしまう人もいます。拒否の姿勢を示したり、人事部に相談したりして、セクハラを放置しないようにしましょう。どうしてもセクハラがなくならない場合やつらいときには、転職をするのも手段の一つです。一人で悩みすぎず、周囲の人やカウンセラーに頼りながら、解決方法を見つけていきましょう。