日曜の夕方以降に、翌日の月曜日を憂鬱に感じることは、多くの方に経験のあることではないでしょうか。これは、俗に言う「サザエさん症候群」の状態と言えるかもしれません。
日曜日を楽しく過ごし、月曜からまた始まるウィークデーを気分よく迎えるためにも、サザエさん症候群の原因や対処法などをご紹介します。週明けが辛い方は目を通してみてくださいね。
目次
- おわりに
サザエさん症候群とは何か、その基本的なところから見ていきましょう。
・月曜日の憂鬱を表す言葉
「サザエさん症候群」とは、休日明けの憂鬱を指す言葉です。休日明けは一般的に月曜日なので、「ブルーマンデー」や「ブルーマンデー症候群」も同様の意味で使われます。
今日からまた仕事や学校だ・・・と月曜日に憂鬱に感じることだけでなく、前日である日曜日の夕方頃から翌日のことを思って気持ちが落ち込んだりすることも含まれます。
・アニメ『サザエさん』の放送日時に由来
アニメ『サザエさん』の初回放送は1969年(昭和44年)のこと。放送年数55年を超える長寿番組であり、初回から日曜18:30~19:00までの放送日時は今に至るまで変わっておらず、日本の日曜夕方の代名詞的な存在と言えます。
このような経緯から、サザエさんの放送時間の前後に日曜日の終わりを実感させられ、それに連動して明日からの仕事を思って気持ちが憂鬱になることを、サザエさん症候群と呼ぶようになりました。
ただし、サザエさん症候群はあくまでも一般的な言葉であり、正式な診断名や病名ではないため、病院へ行っても「サザエさん症候群です」と言われることはありません。
サザエさん症候群は正式名称ではないとお伝えしましたが、医学的所見としての症状が出てくることもあります。よく見られる症状をご紹介します。
・憂鬱な気分や身体的症状も
いわゆるサザエさん症候群と呼ばれる状態には、このような症状がよく見られます。
☑憂鬱や気分の落ち込み
☑不安感・緊張感・イライラ
☑倦怠感
☑吐き気・頭痛・胃痛など身体症状
☑寝つきが悪い、中途覚醒など睡眠に関する不調
心理的な変調や症状だけでなく、身体的にも様々な不調が出ることがあります。ただ、月曜日が始まってウィークデーの流れにいったん乗ってしまえば、調子が出てきて症状も徐々に消失していくならば、典型的なサザエさん症候群の状態と言えるでしょう。
しかし上記の症状には、抑うつ状態や初期のうつ病、不安障害、適応障害などと共通するものも多く、病院に行けば何らかの診断がつく場合もあると思われます。
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サザエさん症候群の原因とは、いったいどんなものなのでしょうか。なりやすい人の特徴とともに見ていきましょう。
・仕事や環境へのストレス
職種や学校の雰囲気が合っていない、長時間労働や長時間の通勤・通学、人間関係がうまくいっていない等々、月曜日から過ごす場所や環境へのストレスが、サザエさん症候群のもっともよくある原因と考えられます。
・生活習慣の問題
睡眠不足や暴飲暴食、運動不足など、生活習慣の問題があると、それが自律神経の乱れを引き起こし、意欲の低下や気分の変調にもつながります。
また、起床・就寝時間や食事の回数など、平日と休日の生活リズムに大きな違いがあることも、休日明けが辛くなる原因になり得ます。
・サザエさん症候群になりやすい人とは
オン/オフの切り替えが苦手で、退勤後や休日にも仕事のことを考えてしまう人や真面目な人、仕事や環境にストレスを抱えている人、休日はお昼頃まで寝ているなどゴロゴロして過ごすことが多い人は、サザエさん症候群になりやすいと言えます。
サザエさん症候群には、どんな対処法があるのでしょうか。その乗り越え方を見ていきましょう。
・とりあえず出勤する
サザエさん症候群は、日曜の夕方から月曜の朝にかけて出てくるもので、月曜日が始まってしまえば治まることが多いです。
したがって、憂鬱な気持ちはそのままでもかまわないので、いつも通り就寝時間が来たら眠り、月曜の朝もいつも通りの時間に起きてルーティン通りに身支度をして、とりあえず出勤してしまいましょう。仕事が始まれば徐々に調子が出てくることも多いです。
・週明けの仕事量や気持ちを調整する
週明けの月曜日から多すぎる業務や課題をこなさなくてはならないとなると、緊張や憂鬱が長引き、そのまま週末を迎えてまたサザエさん症候群の症状に見舞われるという悪循環になってしまいます。
可能ならば、週明けの仕事は適量にして週の中盤に回すなど、何らかの調整ができると乗り切りやすくなります。
また、おいしいものを食べる、友人と会う、趣味の時間をとるなど、退勤後の楽しみを用意して気持ちを整えておくのも良い方法です。
・完璧でなくても大丈夫と意識する
真面目な人や、仕事で成果をあげなければと考えすぎてしまうような人で、それが休日明けが憂鬱になる原因だと思われる場合は、無理に完璧な仕事をしなくてもいい、常に成果をあげなくても大丈夫だと思えるよう、考え方の癖を和らげていくと楽になると思われます。
・カウンセリングを受ける
毎週のように休日の終わりが苦しくて、自分ではなかなか改善ができない場合は、カウンセリングを受けるのも悪くない手段です。
サザエさん症候群になってからの対処だけでなく、予防対策ができればもっといいですよね。日曜夕方からの憂鬱をあらかじめ防ぐためにできることを、具体的に見てみましょう。
・休日に寝すぎない
ウイークデーの疲れを回復させようと、休日はお昼頃まで寝て過ごすという方もいることでしょう。しかし、休日に寝だめをしても、平日の睡眠不足を取り戻せるわけではありません。休日に寝すぎると体内時計が乱れてしまい、休日明けの起床がますます辛くなることにもつながります。
平日の睡眠時間を適切に確保するとともに、休日は長くても平日より1時間ほどゆっくり眠る程度にとどめ、寝すぎないことが大切です。
・休日にも適度に身体を動かす
休日くらいは家から出ないで、特段何もせずゴロゴロしていたいときもありますが、常にその過ごし方だと、かえってサザエさん症候群を引き起こしやすくなってしまいます。
休みの日でも散歩などして軽く身体を動かすことで、自律神経や睡眠リズムが整い、休日明けとのギャップも減らせることから、サザエさん症候群を防ぐことができます。
・休日に予定を詰め込み過ぎない
とはいえ逆に、休日に活動しすぎるのもまた、休息不足や休日明けのエネルギー切れにつながってしまいます。平日は時間がなくてできないことを休日に満喫したい気持ちは自然なものですが、休息する時間は確保しつつ、あまり様々な予定を詰め込み過ぎないようにしましょう。
多くの人が感じたことがあるであろう、日曜夕方の憂鬱を指す「サザエさん症候群」についてお伝えしてきました。
自由に過ごせる休日が終わり、また仕事や学校の日常が始まるのが憂鬱なのは特におかしなことではありませんので、ご紹介した対策や予防法を実践しつつ自分に合った方法を探っていきましょう。
気持ちの沈みや不安、体調不良などがとても辛く、しばらくしても改善しない場合は、サザエさん症候群の範囲を超えている可能性もありますので、医師やカウンセラーなど専門家への相談もご検討ください。