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  1. やるべきことができないのは病気?先延ばし癖がなかなか治らない人へ

やるべきことができないのは病気?先延ばし癖がなかなか治らない人へ

更新日 2024.10.03
自身の性格・能力
うららか相談室

今日やろうかなと思っていたけど、明日でいいか、まだ時間があるから後回しにしよう、そうやって決断や課題を先延ばしにし、やるべきことができなかったことは、誰しも一度は経験があるのではないでしょうか。しかし、それが頻繁にある、または先延ばしにしすぎて頭の中が整理できず、何から手を付けていいか分からないほどになっているような場合、「先延ばし癖」がついているかもしれません。


では、やるべきことができない「先延ばし癖」とは何が原因で起こるのでしょうか。また治す方法はあるのでしょうか。

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目次

- 先延ばし癖とは

- 先延ばし癖は病気?ADHDの可能性も

- 先延ばし癖がある人の特徴

- やるべきことを先延ばしにしてしまう原因

- 先延ばし癖を治す方法

- まとめ

先延ばし癖とは

先延ばし癖とは、文字通り「やるべきことを先延ばしにしてしまい、それが癖づいてしまって、やるべきことができない」傾向のことです。課題を期限のギリギリまでやらなかったり、決断を後回しにしてしまうのはよくあることですが、それが癖づいていて、日常生活においてトラブルが多いようだと、行動を改善していくことを検討してみたほうがいいかもしれません。

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先延ばし癖は病気?ADHDの可能性も

嫌なことや面倒なことを先延ばしにするのは誰しもあることですが、なんでも先延ばしにしてしまって困っている、先延ばしにしすぎて何から手をつけていいか分からない、仕事が全然進まない、やるべきことができない、といったことが起きている場合、もしかするとADHDという発達障害(神経発達障害)である可能性があります。

ADHDとは、注意欠陥・多動性障害という、多動性や衝動性、または不注意を症状の特徴的とする発達障害の一つです。発達障害は「病気」と言うと少し誤解を招くかもしれませんが、先天的に(=生まれつき)特定の能力の獲得・発達を妨げる「脳の機能的な病態」のことをいいます。


症状としては

・ 貧乏ゆすりなど目的の無い動きが多い

・ 思ったことをすぐ口に出してしまう

・ 忘れ物が多い

・ ケアレスミスが多い

・ 衝動買いをしてしまう

・ 時間の管理が苦手

・ 仕事など順序立てて行うことが苦手

といったことが挙げられます。これらの症状によって日常生活に支障をきたしている場合、ADHDの可能性が高くなります。

このADHDの症状における「順序立てて行うことが苦手」「時間の管理が苦手」といったところに、やるべきことができない「先延ばし癖」といわれる所以があります。


先天的なものであるADHDや発達障害そのものを完全に治すことはできませんが、特に症状が強い場合はコンサータなどの薬によって注意力を高めたり衝動性を抑えたりすることができ、同時に認知行動療法などの精神療法で、やるべきことを後回しにしない行動の仕方、つまり「先延ばしにしない癖」を身につけていくと、こちらの症状は改善されていくことがあります。

ただ、個人でADHDかどうか判断するのは難しいところです。全ての症状が出るわけではなく、どれかの症状に強く傾くこともありますし、同じ人でも年齢とともに症状が変わることもあります。

もし気になるようでしたら、専門機関で診てもらうことをおすすめします。

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先延ばし癖がある人の特徴

では、やるべきことができない「先延ばし癖」がある人の特徴には、どのようなことが挙げられるでしょうか。


◇「あとで」が口癖

先延ばし癖がある人は、何かやるべきときに、「あとで」と言ってしまう癖があります。本当に後回しにしていい事もあるでしょうが、「あとで」が口癖になっていると、本当に大事な決断や課題も、「あとで」と先延ばしにして、やるべきことができない可能性があります。


◇時間を守れない

先延ばし癖がある人は、小さなことでも先延ばしにするため、準備が遅れたり、予定通りに動くことが難しく、時間を守れないという特徴があります。

いつも5~10分遅刻してしまう、時間通りに行こうと思っていてもなかなか約束を守れない、そんな人は先延ばし癖がついているかもしれません。


◇優先順位を決めるのが苦手

先延ばし癖があると、大事な予定でも後回しにしやすいため、物事の優先順位を決めるのが苦手になります。大事な決断や課題の優先順位を上げて先に片づけることが苦手で、とりあえず目の前にあることや、先に片づけられそうなことから片付けてしまうため、優先順位を決めずに動いてしまうという特徴があります。


◇過去や未来について考えるのが苦手

先延ばし癖がある人は、過去の経験を元に「これは先にやるべき」と判断するのが苦手で、未来の結果を予測して「今これをやらないと大変になる」と考えるのも得意ではありません。今現在の目の前のことにばかりに集中してしまうため、過去の経験から未来を想像したり、これから起こることを予想して動いたりするのが苦手になります。

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やるべきことを先延ばしにしてしまう原因

では、やるべきことがあるのに、先延ばしにしてしまう原因にはどういったことが考えられるでしょうか。


◇失敗への恐怖

まずは、失敗への恐怖が先延ばし癖の原因の一つとして考えられます。過去に同じようなことをして失敗をしている場合、「また失敗するのではないか」という恐怖心が生まれます。その恐怖心があると、「後でいいか…」と、やるべきことを先延ばしにしてしまいやすくなります。


◇逃避衝動によるもの

失敗すると決まったわけではなくても、「自分には上手くできないのではないか」とプレッシャーやストレスを感じ、そこから逃避したくて先延ばしにしているパターンもあります。

完璧主義な人や自己肯定感が低い人に起こりやすく、自分の行動が上手くいくという自信がないと、やるべきことを先延ばしにしてしまいやすくなります。


◇面白いと思えない

やるべきことが面白いと思えないことによって、物事を先延ばしにしてしまうことがあります。友達と遊ぶ予定やゲームをすることなどの楽しい行動はあまり先延ばしにしようと思いませんよね。しかし、宿題や仕事、家事などはなかなか面白いと思えず、嫌なこと、やりたくないことだと頭の中で認識していると、やるべきことでも先延ばしにしてしまいがちです。


◇何から手をつけていいか分からない

やるべきことが複数ある場合、何から手をつけていいか分からず、悩んでいるうちに時間が経ってしまう、ということもあります。急ぎでやったほうがいいこと、重要なことなど、やらなければならないことの優先順位がうまく決められないと、自身がとても大きな問題に直面しているように感じられ、気力が消失してしまい、すべての物事を先延ばしにすることがあります。


◇つい他のことをやってしまう

例えば、部屋を片付けていたのに、懐かしいアルバムが出てきてそれを見ているうちに時間が経ってしまった、という経験はありませんか。やるべきことがあったとしても、目の前に気になるものが現れると、ついそっちに気を取られるため、先延ばしにしてしまうことがあります。


先延ばし癖を治す方法

「先延ばし癖」がついてしまって、やるべきことを先延ばしにしている場合、改善方法にはどのようなものがあるのでしょうか。


◇自分の感情を自覚する

まずは、先延ばしにしている原因を探るため、自分の感情を整理して自覚してみましょう。自分には上手くできないかもしれないとプレッシャーを感じているのか、やりたくないことだから面倒だと感じているのか、自分の感情を自覚することで、先延ばし癖を治す方法も見つけやすくなります。もし、プレッシャーを感じているのであれば、それはまだ取り組んでもいないことに対して感じている根拠のない不安だということに気が付きましょう。実際やってみると意外とすんなりできるかもしれませんし、仮にうまくできなかったとしても、「今はできない」という事実がわかれば、次はどうしたらいいか解決策を考えることができます。単純にやるべきことが面倒だと感じているのであれば、その物事の本当の意味を深堀りすることによって行動に面白さを見つけ出したり、あまり感情を入れずに淡々とこなしたりする方法もあります。やるべきことができない人は、まずは自分の感情を自覚してみるところから始めてみましょう。


◇先延ばしにするメリットとデメリットを紙に書き出す

やるべきことを先延ばしにすることで起こる、メリットとデメリットをそれぞれ整理して、紙に書いてみましょう。紙に書くことで、それぞれどちらが多いのか、本当にやらなければいけないことなのか、しっかりと自分の中で認識することができます。また、デメリットについて曖昧にではなく文字として認識することで、「やらなければいけない」という自覚を持ちやすくなり、先延ばし癖を改善していくことができます。


◇環境を整理する

やるべきことがたくさんあり、何から手をつけていいか分からない場合、まずは課題や仕事を取り巻く環境を整理するところから始めましょう。本当に自分がやるべきことはどれか、人に任せてもいいことはないか、任せる場合は誰に任せるのか、などと環境を整理することで、本当に自分がやるべきことがはっきり分かりやすくなります。


◇経過報告できる場所を作る

自分だけの判断でやるべきことを決めて淡々とこなすのが苦手であれば、経過報告できる場所を作るのもおすすめです。仕事であれば上司に報告したり、個人的にSNSでつぶやいたり、何かしら報告できるような場所があると、「経過を報告しなければいけないから、それまでにきちんとやろう」という意識になります。


◇目標を細かく区切り、直近の目標だけに目を向ける

やるべきことが大きくて、なかなか手を付けられない場合は、目標を細かく区切って、直近の目標だけに目を向けるのもおすすめです。仕事であれば細かく業務を区切って、それぞれをいつまでにやるか決めたり、家事であれば「今日は玄関の掃除をする」「明日はお風呂の掃除をする」いうように決めたりすると、今やるべきことがはっきりするため、手を付けやすくなります。


◇中途半端に作業しておく(ツァイガルニク効果)

人は、完成したものよりも、未完了な状態のもののほうが気になるという性質があります。これをツァイガルニク効果と言います。ドラマや漫画でも、いいところで区切られると続きが気になりますよね。それを利用して、あえて中途半端に作業しておくというのも一つの手です。まずは10分だけやってみたり、あえて半分だけ終わらせてもう半分を残すことで、次に取り掛かるときに「ここまで来たらもう最後までやってしまおう」という気になりやすくすることができます。

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まとめ

面倒なことや嫌なことを先延ばしにしてしまう、というのはよくあることです。しかし、いつも先延ばしにしてしまうことで、日常的にトラブルが起きたり、周りに迷惑をかけたり、やるべきことができない場合、先延ばし癖を治していく必要があるかもしれません。

環境を整理したり、目標を細かく区切って少しずつ達成することで、先延ばし癖を改善していくことができます。身についてしまった先延ばし癖に上書きする形で、「やるべきことを先延ばしにしないための行動」を癖づけることができるといいでしょう。

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このコラムを書いた人
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