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  1. 見捨てられ不安とは?原因や克服方法、恋愛での対処法

見捨てられ不安とは?原因や克服方法、恋愛での対処法

更新日 2024.10.03
健康・メンタルヘルス・気分
うららか相談室

「見捨てられ不安」という言葉を聞いたことはありますか?

「恋人にメッセージを送ったのにすぐに返信が来ない」「友人にそっけない態度をとられた」「仕事でミスをしたかもしれない」といった状況に出くわしたとき、自分は見捨てられるのではないかと、どうしようもなく不安な気持ちになったり、いても立ってもいられないほどの恐怖心を抱いたりすることを「見捨てられ不安」といいます。

今回は、見捨てられ不安の原因や克服方法などについてご紹介しますので、見捨てられ不安が強くつらい思いをしている方は、参考にしてみてください。

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見捨てられ不安のカウンセリング

目次

- 見捨てられ不安とは

- 見捨てられ不安の原因

- 恋愛・職場などの人間関係への影響

- 見捨てられ不安の克服方法

- カウンセリングでできること

- おわりに

見捨てられ不安とは 


見捨てられ不安とは、ささいなことで、相手に嫌われたのではないか、見捨てられたのではないかと、不安な気持ちが抑えられなくなることです。

誰にでも、相手の言動によって不安になるなどの経験はあるかと思いますが、見捨てられ不安を抱える人は、相手のちょっとした一言や、顔色の変化などに敏感に反応して、強烈な不安を感じ、相手が自分から離れていってしまうのではないかと過剰に恐れてしまいます。


また、嫌われることや見捨てられることを恐れるあまり、以下のような行動をとってしまうことがあります。自分に当てはまるものがないか、チェックしてみましょう。


・何度も電話やメールをする

自分が相手から必要とされているか、自分を気にかけていてくれるかを確認するため、頻繁に電話やメールなどをしてしまいます。電話に出なかったり、メールの返信がすぐに来なかったりすると、不安が強くなり、立て続けに連絡をしてしまうこともあります。


・束縛する

相手を独占したいという気持ちが強く、相手の行動を理不尽に束縛し、自分以外の人との交流を阻止しようとすることがあります。自分と会っているとき以外の相手の行動をすべて確認したり、相手のSNSを監視したりしてしまいます。


・感情をむき出しにする

相手が自分から離れていってしまいそうなサインを感じとると、見捨てられることへの不安・恐怖・怒りなどの感情が爆発し、相手に感情をぶつけてしまうことがあります。感情をコントロールすることができなくなり、相手は一方的に責められ、疲弊してしまいます。


・自傷行為をする

相手が本当に自分を大切に思ってくれているか、見捨てないかを確認するための試し行動として、自傷行為をしてしまうことがあります。相手が自分を本気で心配していることを確認することで、安心できるのです。

しかし、自傷行為をほのめかしたり、実際に自傷行為を行うことによって、相手は動揺し、精神的に大きな負担を負うことになってしまいます。

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見捨てられ不安の原因 

では、なぜ見捨てられ不安を抱えてしまうのでしょうか。見捨てられ不安には、以下のような原因があると考えられています。


・愛着障害

愛着障害とは、子どもの頃に親などの養育者との愛着関係が何らかの理由で十分に形成されず、情緒や対人関係に問題が生じる状態です。

子どもは自分が安心していられる居場所で、養育者と生活をしていく中で愛着を形成していきます。この愛着は、今後の人生の土台となり、心の発達に欠かせないものとなります。愛着は、人が生まれながらに備えているものではなく、成長の過程で周囲の人との関わりの中で獲得していくものであるため、子どもの頃にしっかり養育者との愛情関係を結ぶことができなかった場合、情緒面や対人関係において、大人になってからも困難や生きづらさを感じてしまうことがあります。

子どもの頃に「何があっても愛されていて、ささいなことでは見捨てられることはない」という安心感・信頼感を十分に得られなかったことで、大人になってからも周囲の人に信頼感を抱きにくく、ささいな出来事で、自分は見捨てられてしまうのではないかという強い不安に陥ってしまうのです。


・境界性パーソナリティ障害

境界性パーソナリティ障害とは、自己イメージの不安定さ、見捨てられ不安、感情のコントロールの難しさなどから、対人関係などに支障が出てしまう精神障害です。

境界性パーソナリティ障害は、遺伝的要因と環境的要因(特に子どもの頃のストレス)が発症に関わっている可能性があります。

同じ出来事が起きても、人によって捉え方や対応は様々ですが、境界性パーソナリティ障害の人は、思考や行動の偏りが強いため、特に対人関係においてうまく適応できず、自分も相手も苦しめてしまう状況に陥ってしまうことがあります。ささいなことで強い不安を感じてパニック状態になりやすく、相手に怒りをぶつけるなどの行動を繰り返すことがあるため、周囲の人と健全なコミュニケーションを構築することが難しくなってしまいます。

恋愛・職場などの人間関係への影響

・恋愛関係における見捨てられ不安

見捨てられ不安を抱える人は、恋愛関係にある相手に対して、わざと困らせるようなことをして愛情を試す「試し行動」をしてしまうことがあります。

  • 理由を言わずに急に不機嫌になる
  • わざと連絡を返さない
  • ささいなことですぐに「別れる」と言う

などの行動に対して、拒絶されないかを試し、自分が愛されていることを確認しようとします。しかし、そのときは一時的に愛情を確認できたとしても、不安になる度に試し行動は繰り返されるため、相手は疲れてしまったり、信頼されていないのだと感じたりして、破綻につながってしまうこともあります。

このようなことから、見捨てられ不安を抱える人は、恋愛が長続きしなかったり、恋人との安定的な関係を維持することが難しかったりするのです。


・職場関係における見捨てられ不安

見捨てられ不安を抱える人は、職場においても、周囲の人との安定した人間関係の構築が難しいことがあります。たとえば、上司とうまくやることに必死になったり、周りからの評価を気にして自分を追い込んでしまったりする傾向があります。職場の人間関係がうまくいかないと、自分自身が疲弊してしまいますし、不安感によってイライラが募り、仕事を辞めたいという気持ちにもつながりかねません。

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うららか相談室では、臨床心理士などの専門家を選び、ビデオ電話メッセージ対面形式のカウンセリングを受けることができます。

申込みはwebで24時間受付/深夜・早朝のカウンセリングや当日予約にも対応しています。

見捨てられ不安の克服方法 

見捨てられ不安は、どのような方法で改善していけるのでしょうか。克服のポイントを4つご紹介します。


・不安の正体を探る

まずは、自分の不安の感情に気づくことが大切です。

自分が何に対して不安になっているかを整理し、思考や行動のパターンに気づくことで、気持ちが落ち着いてくることがありますし、不安の解消への手がかりが見つかるかもしれません。


・不安とうまく付き合う

見捨てられ不安が強いと、不安を解消するために、相手の気持ちや都合を考えずに行動してしまうことがありますが、それでは相手がしんどい思いをすることになり、結果的に自分も苦しくなってしまいます。

「不安にならないようにする」のは簡単なことではありませんが、自分の不安と相手の負担をできるだけ軽減できるよう、自分でルールを設定してみましょう。

  • 不安な気持ちになったときは、すぐに行動せずに一旦他のことを考えてみたり、紙に書き出してみる
  • 「夜10時以降はメッセージを送らない」「電話は一日2回まで」など、具体的な時間や回数を決めておく

などのルールを設定し、それを守ることで、相手の負担を軽減することができますし、ルールを守れた自分への自信にもつながります。

また、趣味に没頭したり、旅行をしたり、好きなものを食べたり、何でも良いので、楽しめる充実した時間を持つようにしましょう。心が満たされることをすると、ストレスが軽減し、不安の解消にもつながります。


・自分で自分を認める

見捨てられ不安の人は、他人軸で生きていることが多く、相手から受け入れられることで自分を肯定しようとしてしまいますが、自分で自分を認め、自己肯定感を高めることができれば、他人に見捨てられることへの不安や恐怖は軽くなるかもしれません。

自己肯定感を高めるために、自分の長所を探したり、自分磨きをしたり、小さくても良いので成功体験を積み重ねることを意識してみましょう。


・現実検討能力をつける

現実検討能力とは、自分自身の感覚や思考などを客観的に正しく認識する力です。

例えば、職場でミスをしたとき、自分は「こんなミスをするなんて、もう自分は見捨てられるかもしれない」と考えてしまうかもしれませんが、周りの人は本当にそう思うでしょうか。自分が不安を感じた状況とそのときの思考を客観的に分析すると、相手は「自分を見捨てる」ということは考えていないかもしれないという可能性に気付くことができ、不安な気持ちを和らげることができます。

カウンセリングでできること 


見捨てられ不安でつらい思いをしている方は、カウンセリングを受けてみることもおすすめです。カウンセリングは、精神疾患の有無や悩みの度合いにかかわらず、誰でも受けることができます。

カウンセリングでは、カウンセラーが対話を通して相談者の悩みを一緒に整理し、相談者が自ら解決への手がかりを見つけることができるよう、サポートを行います。

自分がどんなときに不安になるのか、過去にどんなことがあったのか、本当はどうしたいのかなどについてカウンセラーと話し合うことで、自分だけでは分からなかった原因に気付き、解決へのヒントを見つけることができるかもしれません。また、話すことで自分の気持ちや頭の中が整理され、それだけで気持ちが落ち着いてくることもあります。

見捨てられ不安は、自分がずっと抱えている考え方の癖によるものだといわれていますので、苦しみやストレスを抱えやすい考え方の癖を少しずつ変えることができるよう、対話を通して手助けを行っていくこともできます。

カウンセリングは、医療機関などで受けることができますが、オンラインのビデオ通話や電話、メッセージを使ったサービスもありますので、自分の状況に応じて利用してみましょう。

おわりに

ささいなことで、いてもたってもいられないほどの見捨てられ不安を感じてしまうことは、日常生活の様々な場面に影響があり、大変つらいことですよね。克服のために大切なことは、自分で自分を認めてあげることだとお伝えしました。少しずつでもいいので、自分自身のことをよく理解して、自分は大丈夫だという感覚を身につけていきましょう。

不安な気持ちが収まらなかったり、周囲の人との関係で悩んでいる場合は、ひとりで抱え込まずに、信頼できる人や、カウンセラーに相談してみましょう。

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このコラムを書いた人
オンラインカウンセリングうららか相談室運営スタッフ
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