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  1. 人間関係リセット症候群とは?特徴と原因、治し方

人間関係リセット症候群とは?特徴と原因、治し方

更新日 2024.11.21
自身の性格・能力
うららか相談室

「人間関係リセット症候群」という言葉を知っていますか?何かをきっかけに、それまで関わりのあった人たちとの関係を、ゲームのリセットボタンを押すかのようにバッサリ切ってしまう、そんな人が増えてきています。

人間関係のトラブルがあったときや、人付き合いに疲れたとき、「もう誰とも関わりたくない」「ひとりでいたい」と思うことは、誰にでもあることですが、一斉に周囲との関係を断ち切ってしまったり、それを何度も繰り返してしまうと、信頼できる人がいなくなったり、孤立してしまったりするかもしれません。

今回は、人間関係リセット症候群になりやすい人の特徴や原因、改善方法などについてご紹介しますので、心当たりのある方は、参考にしてみてください。

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目次

- 人間関係リセット症候群とは?

- 人間関係リセット症候群の原因

- 人間関係リセット症候群の特徴・セルフチェック

- 人間関係リセット症候群のデメリット

- 心の病気との関連は?

- 人間関係リセット症候群の治し方・対処法

- おわりに

人間関係リセット症候群とは?


人間関係リセット症候群とは、人との関わりを衝動的に断ち切ってしまう行動や癖、心理状態のことをいいます。突然SNSのアカウントを削除したり、連絡先を変えたり、仕事を辞めてしまったりする行動が挙げられます。そのほとんどの場合、前触れもなくいきなり音信不通になるようなことが多く、周囲は困惑し振り回されるため、良好な関係を築くことが難しくなってしまいます。

人間関係リセット症候群は、「症候群」とついているものの、正式な病名ではなく、病院で人間関係リセット症候群として診断を受けたりすることはありません。

人間関係リセット症候群の原因

人間関係をリセットしてしまうと、仲の良かった人や、大切な人との関わりもなくなってしまうにもかかわらず、なぜ行動に移してしまうのでしょうか。その原因には、以下のようなものがあります。


・人付き合いでのトラブルがあった

人間関係リセット症候群になりやすい人は、友人、恋人、家族、同僚、上司や部下などの誰かとトラブルがあったとき、その人との関わりだけでなく、人付き合いすべてに疲れてしまい、衝動的に周囲との関わりを断ち切ってしまうことがあります。


・周りからの評価が気になる

常に周りからの評価を気にしてしまう人は、「周りに認められたい」「嫌われたくない」と思うあまり、自分を追い込み、ストレスをためこんでしまうことがあります。いつも周りの人の顔色をうかがってしまうため、そのストレスを抱えきれなくなったとき、突然周りとの関係を切ってしまうのです。関係が切れれば、顔色をうかがうこともなくなり、一時的にすっきりするかもしれませんが、それが癖になってしまうこともあります。


・SNSなどで交流する相手が増えた

インターネット・SNSなど、いつでもどこでも人とつながることができるツールを利用する機会が増え、多くの人と簡単に交流することができるようになりました。しかし、交流する相手が増えすぎて、そこでの関係を維持するための気力が突然なくなってしまい、突然アカウントを削除したり、つながりを解消したりしてしまうことがあるようです。


・状況が変わってそれまでの関係性を続ける必要がなくなった

転職や引っ越しなどで自分の状況が変わった場合、そこで関わりのあった人たちとのその後のつながりは不要と考え、新しい連絡先を知らせなかったり、SNSでのつながりを一遍に切るなどの方法で人間関係をリセットすることがあります。

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人間関係リセット症候群の特徴・セルフチェック

次に、人間関係リセット症候群になりやすい人の特徴についてご紹介します。


・ネガティブ思考

ネガティブ思考の人や自己肯定感が低い人は、「相手に嫌われているかもしれない」「自分なんかと付き合っても意味が無い」などと考え、自分から関係を切ってしまう可能性があります。また、他人からの些細なひと言を重く受け止めやすく、悪い意味で捉えてしまうため、話すこと自体に嫌気が差し、もう関わりたくないという気持ちにつながってしまうことがあります。


・完璧主義

完璧主義な人は、何か失敗があると、「はじめからやり直したい」という考えになる傾向があります。失敗した自分を見られたり、ミスを指摘されたりして、その恥ずかしさから、人間関係をリセットしたくなることがあります。


・本音を言える人がいない

本音を言えるような相手がいない人は、素の自分をさらけ出すことができず、ストレスが溜まりやすくなります。また、表面的なやりとりしかできないため、関係性に意味を感じなくなってしまうことがあります。


・一人でいるほうが楽だと感じる

もともと一人でいることが好きな人は、人間関係が切れることに対してダメージを受けにくく、何かをきっかけに簡単に関係を解消してしまうことがあります。


・投げやりな気持ちになることが多い

何らかのトラブルや面倒だと感じることがあったとき、そのストレスに我慢できなくなり、「もう何もかも面倒だ」とすぐに投げやりな気持ちになる人は、人間関係においても極端な対処をとりやすく、リセットという方法を選んでしまうことがあります。


自分に当てはまる特徴はありましたか?また、これらの特徴と合わせて、以下の行動に心当たりがあれば、人間関係リセット症候群の傾向が高いといえます。セルフチェックしてみましょう。

  • 音信不通にしたことがある
  • 連絡を返さないことが多い
  • 連絡先の変更を知らせない
  • SNSのアカウントを変えたり削除したりすることが多い
  • 転職や引っ越しの回数が多い

人間関係リセット症候群のデメリット

人間関係をリセットすると、一時的に気分がスッキリするかもしれませんが、癖のように繰り返してしまうと、以下のような状況に陥ってしまうことがあります。


・孤立してしまう

人間関係をリセットすると、孤立してしまう可能性があります。人間関係をリセットした後、新しい環境の中で良い人間関係を構築できればいいのですが、うまくいかないこともあります。

また、衝動的に関係を断ち切った後、連絡を取りたくなったとしても、「自分から関係を切ったのに、今更連絡してくるなんて」と敬遠されてしまうことがあるでしょう。さらに、それを繰り返していると、周囲の注目を引くことが目的の「かまってちゃん」だと思われてしまうかもしれません。結果的に友達がいなくなり、孤立してしまう場合があります。


・深い人間関係を築きにくくなってしまう

人間関係のリセットが癖になってしまうと、人との関わりで嫌なことがある度に、「またリセットすればいいや」という気持ちになり、深い人間関係を構築することが難しくなります。

また、すべての人間関係のリセットを繰り返した場合、長い付き合いの人がいなくなります。短期間では深い人間関係を築きにくく、良い関係性ができたとしても、リセット癖があると、またゼロからやり直しになってしまいます。

心の病気との関連は?

人間関係リセット症候群は、先述の通り、病名ではなく、人間関係をリセットしたくなる心理状態や癖のことですが、それが以下のような精神疾患や障害の特性によって生じているケースもあります。


・うつ病

うつ病は、日常生活に影響が出るほどの気分の落ち込みが続いたり、何をしても楽しめないといった精神症状が出たりする病気です。気分の落ち込みが続くと、何事も悪い方にばかり考えてしまい、「自分のせいで周りに迷惑をかけている」「自分なんていないほうがいい」という気持ちから、周囲との関係を断ち切ってしまうことがあります。


・発達障害

ADHD(注意欠如・多動症)やASD(自閉スペクトラム症)などの発達障害の特性によって、人間関係のストレスを抱えやすくなることがあります。

ADHDの方は不注意・衝動性があるため、ミスが多かったり、思っていることを相手にストレートに伝え過ぎてしまったりする傾向があります。そのため、相手との良い関係が築けず、自分から関係を切ってしまうことにつながります。

ASDの方は社会的なコミュニケーションや空気を読み取ることが苦手な人が多く、相手の言葉を文字通りに受け取ってしまうため、相手はそれほど意図していないことでも「自分は嫌われているかもしれない」などと不安になり、人間関係のストレスを抱えやすい傾向があります。


・境界性パーソナリティ障害

境界性パーソナリティ障害は、感情や行動、自己像、対人関係が不安定になりやすい障害です。よく見られる症状として、自分は見捨てられるのではないかという「見捨てられ不安」を抱いています。相手が自分から離れていくと感じると、不安や怒りの感情が強くなり、自分ではうまくコントロールできず、衝動的に人間関係をリセットしてしまうことがあります。

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人間関係リセット症候群の治し方・対処法


ここからは人間関係リセット症候群の治し方や対処法についてご紹介します。


・相談できる相手をつくる

嫌なことがあったときや人間関係に疲れたとき、相談できる相手がいれば、話を聞いてもらって不安や怒りが落ち着いたり、冷静に考える時間ができたりするかもしれません。本音を言える人の前では、ありのままの自分でいることができ、ストレスも軽減します。

気が合いそうだと感じる人がいたら、相手を大切にして、良い関係を築けるよう心掛けましょう。


・悩みや不安を紙に書き出す

人間関係リセット症候群の人は、嫌なことがあったときなどに衝動的に関係をリセットしてしまう傾向があるため、嫌だと思ったことや不安を一旦紙に書き出して、客観視する方法が効果的です。少し時間を置いて書き出したものを見ると、冷静になり、「リセットするほどのことではない」と思えたり、他に解決策が見つかったりするかもしれません。


・他人軸ではなく、自分軸で考える

他人がどう思うか・他人からどう見えるかを気にしてばかりいると、自分自身が疲弊してしまったり、本当の気持ちを出せずにストレスがたまったりしてしまいます。自分は何が好きなのか、何を大切にしたいのか、どんなことをしているときが楽しいのか、本音を自分で確認しましょう。それが習慣化すれば、過度に他人からの評価を気にすることはなくなり、自分軸で物事を考えられるようになるため、周囲との関係を断ちたいという衝動に駆られることも少なくなっていきます。


・SNSを見る時間を減らす

SNSを見ると、他人の充実した様子と自分の状態を比較してしまい、ストレスになってしまうことがあります。特に、ネガティブ思考になっているときにSNSを見ると、衝動的にアカウントを削除したくなり、簡単に実行できてしまうため、リセットが癖になりやすくなります。布団に入った後は見ない・通知をオフにするなど、SNSに触れる時間を減らす対策をしてみましょう。


・カウンセリングを受ける

人間関係リセット症候群を治すためには、カウンセリングを受けることもおすすめです。人間関係リセット症候群は、突然音信不通にしてしまうなどの行動に注目されがちですが、リセットせざるを得ない心になってしまうということが問題です。カウンセリングでは、カウンセラーがその心の問題に一緒に向き合い、相談者が自分自身で解決策や改善方法を見つけ出すことができるようにサポートします。

カウンセリングは、医療機関やカウンセリングルームで受けることができますが、オンラインのビデオ通話や電話、メールやSNS、チャットなどを使ったサービスもありますので、自分の状況や希望に合ったものを利用してみましょう。

おわりに

今回は、人間関係リセット症候群の特徴や原因、治し方などについてご紹介しました。人間関係に疲れてしまうことは誰にでもあることですが、人間関係のリセットを繰り返してしまうと、結果的に自分がつらい状況に陥ってしまいます。人間関係をリセットしたくなったときは、実行する前に、今回ご紹介した対処法を試してみてください。それでもリセットしたい気持ちが収まらない場合は、一人で抱え込まずに、相談できる人やカウンセラーに相談してみましょう。

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このコラムを書いた人
オンラインカウンセリングうららか相談室運営スタッフ
うららか相談室スタッフ
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