カウンセリングは、継続することで効果を感じられやすくなりますが、カウンセリング後に落ち込んだり、しんどくなったりしたために、カウンセリングをやめたいと思ってしまう人もいます。本記事では、カウンセリングを継続するメリットと、カウンセリング後に落ち込む原因、カウンセリングをやめたいと思ったときに確認したいことについて、解説します。
目次
- おわりに
抱えている悩みの内容によっては、1回のカウンセリングを受けるだけで悩みが整理されたり、問題解決に向けて動けるようになったりすることもありますが、基本的にカウンセリングは、継続することでさらに効果を感じられやすくなります。ここでは、カウンセリングを継続することの具体的なメリットを紹介します。
カウンセリングを継続することで、初回のカウンセリングではできなかったような深い話をしたり、問題をさらに深堀りしたりすることができます。
カウンセリングで相談される悩みは、原因が1つではなく、例えば、自分の考え方や性格、価値観、感情、行動、対人関係、家庭環境、過去の経験…など、様々な要素の影響を受けています。
初回のカウンセリングで得られる気付きやアドバイスだけではなく、こうした複雑な背景と向き合う機会を重ねることで、悩みの根本的な解決に至ったり、自分への理解が深まったりしやすくなります。
また、カウンセリングを継続すると、カウンセラーとの信頼関係が築かれ、うまく話せなかったような深い内容も、安心して正直に話せるようになります。
カウンセラーは相談者の話をしっかりと聴き、相手を知ることに注力しています。このように、自分が持っている悩みや考え方、経験などを理解している人に相談できるのは、とても貴重なことであり、効率的に話を進めやすくなります。
一人で悩みや課題を解決しようとすると、途中で投げ出したり、努力を忘れたりしてしまうことがあります。カウンセラーには、目標に向かって一緒に取り組む伴走者としての役割があり、「決して一人で悩んでいるのではない」という心強さを感じることができます。
また、カウンセリングでは、悩みを解決するためにとった行動をカウンセラーと一緒に振り返ることができ、次回のカウンセリングを意識することで、問題に取り組むことから逃げ出しにくくなります。
臨床心理士とは・・・
悩みを抱える人との対話をベースに、精神分析や心理療法を使って問題の解決をサポートする「こころの専門家」です。
うららか相談室には、多くの臨床心理士が在籍しています。
カウンセリング後に落ち込んだり、しんどいと思ったりした場合に、カウンセリングが逆効果だと考えたり、症状が悪化したと感じてしまうことがあります。しかし、実はカウンセリング後に不安定になったり、疲れたりする場合には、次のような理由も考えられます。
抱えている悩みを解決するためには、自分の弱いところやきついところに向き合わなければいけないことは少なくありません。カウンセリング内でこのような目を背けたい問題に直面すると、落ち込んだり、苦しいと思ったりする場合があります。なかには、カウンセラーと合わない、カウンセラーに傷つけられたと感じてしまう人もいます。
しかし、自分が目を背けてきた問題と向き合い、ときにつらいと感じてしまうことは、悩みの解決に向かっている証拠であるとも言えます。
カウンセラーは、相談者が問題と向き合う苦痛を軽減できるように、段階を踏まえながらカウンセリングを進めていきます。「たくさん話さないとお金の無駄だ」などといった焦りから、まだ話したくない内容やトラウマを打ち明けてしまうと、急激に落ち込んだり、頭痛などの体調不良を起こしたりする場合もありますので、無理に自分から嫌なことを話そうとする必要はありません。
カウンセリングで話をしていると、これまで無意識に抑えていた自分の感情が思い起こされて疲れたり、気持ちが不安定になったりする場合があります。
悲しみや怒り、怖い気持ちなどを無意識に抑えてしまうことは、精神的なストレスによって現れる身体症状やうつ病などの精神疾患を引き起こしやすいと考えられています。無意識に抑えていた感情が表出することは、しんどいと感じられるかもしれませんが、徐々に自分のものとして受け入れていくことで、本来の自分らしさを取り戻しやすくなります。
「カウンセリングを受けると、すぐに全ての悩みを解決できるアドバイスがもらえる」といったように、過剰な期待をしてしまうと、せっかく解決の糸口をつかめたことに気づけず、カウンセリングは役に立たないと思ったり、「お金の無駄だった…」などと落ち込んだりしてしまうことがあります。
また、カウンセリングは自分のありのままに話すことで効果を感じられやすくなりますが、うまく話そうとしてカウンセラーに内容が伝わらなかったり、話が噛み合わなかったりすると、「うまく話せなかった」「やはり自分は話すのが苦手だ」などと落ち込んでしまう人もいます。
せっかくカウンセリングを受けても、様々な考えや状況などから、カウンセリングをやめたいと思ってしまう場合があります。カウンセリングをやめてしまう前に確認しておきたいことを、やめたいと思う理由ごとに紹介します。
カウンセラーに対する苛立ちや不信感、「突き放された」などと感じることには、日常的に自分を苦しめている対人関係のパターンや考え方のクセが現れていることが少なくありません。その場合、ネガティブな感情によってカウンセリングをやめてしまうと、自分の抱えている問題を解決することからは遠ざかってしまいます。
カウンセリングで思い起こされたネガティブな感情と向き合って、カウンセラーとの関わりを続けることは、自分が抱えている問題を解決するために必要な過程であると言えます。
ただし、カウンセラーにそのまま怒りをぶつけたり、批判したりしてしまうと、カウンセリングで重要な信頼関係に影響を及ぼす可能性があります。同じカウンセラーに継続することを前提として、自分が冷静に伝えられるタイミングで、気持ちの変化や今後の進め方について話をするのがいいでしょう。
前回のカウンセリング後に落ち込んだり、悪化したと感じたりしてしまった場合には、それを次回のカウンセリングでカウンセラーへ正直に伝えることが大切です。
カウンセリングで起こったネガティブな感情を扱うことは、自分が抱えている問題を解決する手がかりになる可能性があります。
また、カウンセラーは相談者の苦しみや負担を軽減できるように、カウンセリングの進め方を調整することができます。
問題と向き合うことの苦しみに対する防衛反応から、一時的に悩みがなくなったように感じて、カウンセリングをキャンセルしたくなることがあります。その場合は、本当に話すことがなくなったのかを検討するカウンセリングの回を設定することが大切です。
カウンセリングでうまく話せない、話すのが苦手だといったことから、カウンセリングをやめたいと思ってしまう人もいます。しかし、カウンセリングでは、うまく話そうとする必要はありません。うまく話そうとするよりも、自然体でいることのほうが、カウンセリングの効果を感じられやすくなります。
うまく話せないことに不安がある場合は、あらかじめ話したいことを書き出しておいて、メモを見ながらカウンセリングを受けるという方法もあります。
カウンセリングで話すのが怖い、話したくないと感じる場合は、無理に話す必要はありません。カウンセラーに話したくない気持ちを素直に伝えることで、カウンセリングの進め方を調整することができます。例えば、不安を軽減する方法(リラクセーション法)を一緒に習得するなど、話したくなくてもカウンセラーによってできることがあります。
カウンセリングは話すだけで役に立たない、お金の無駄だと感じる場合は、「自分がカウンセリングに期待していること」をカウンセラーに伝えて、今後のカウンセリングの進め方を検討したり、これまでのカウンセリングを振り返ってみたりすることができます。これまでのカウンセリングが自分にとって役に立ったことを整理できたり、例えば、「もったいぶらずにカウンセラーの見解を教えてほしい」「なぜたくさんアドバイスしてくれないのか」「いつになったら解決するのか」といった、カウンセリングに対する疑問や不満を解消、納得できたりするかもしれません。
カウンセリングは、継続して深い話ができるようになると、効果を感じられやすくなりますが、目を背けてきた問題に直面したり、抑えてきた感情が表出したりすることで、カウンセリング後に落ち込んでしまう場合があります。しかし、そこでカウンセリングをやめると、問題の解決からは遠ざかってしまうことが少なくありません。カウンセリングをやめたいと思ったら、カウンセラーに正直な気持ちを伝えて、今後の進め方について相談するようにしましょう。
それでも、回数を重ねているのに全くカウンセラーを信頼できない、今後の進め方に納得できないという場合は、カウンセラーの変更も検討してみましょう。
うららか相談室では、資格やプロフィールから自分に合いそうなカウンセラーを選んで、メッセージ・ビデオ・電話・対面形式のカウンセリングを受けることができます。あなたが自分らしく話せる方法で、カウンセリングを受けてみてください。申込みはwebで24時間受け付けており、深夜・早朝のカウンセリングや当日予約にも対応しています。