ちょっとしたことでイライラしてしまう短気な性格を直したいとお悩みではないですか。
短気で怒りの感情をコントロールできず、人間関係など日常生活で問題が起こっているという方は、短気な性格を直していきたいですよね。
短気は損気と言われるように、短気な性格だと損することが多いように感じますが、短気な性格とうまく付き合うことで、メリットといえる特徴もあります。
では、短気であることのメリットやデメリットにはどんなことがあるのでしょうか。また、短気な性格を直す方法はどのような方法なのでしょうか。
目次
- まとめ
◇他人にすぐキレやすい
短気な人は、感情的になりやすく、自分の思い通りにならないことなどがあると、怒鳴ったり、知らない人にも怒ったり、物に当たったりする人もいます。こうしたことが多いと、相手から嫌われ、対人関係が希薄になりやすいです。
◇神経質
神経質で、自分のルール通りに物事が進まないとイライラしたり、ものごとが上手くいくかどうかに対して過剰に心配になったりして、ストレスがたまりやすいのも短気な人の特徴です。完璧主義的であったり、過去の失敗などから「こうすべき」という考え方が強かったりするため、ものごとが思いどおりにいかないと、心配に思う気持ちから周りに強い言葉で当たってしまうこともあります。
◇せっかち
せっかちで、待つことに耐えられないことが多いのも短気な人の特徴です。例えば、注文した料理がなかなか運ばれてこない、運転していて前の車が遅いなど、急いでいなければゆっくり待てそうなことに対しても、怒りっぽくなってしまうことがあります。急いでうっかりミスをしやすく、仕事などで失敗することもあります。
◇落ち込みやすい
短気な人は、周囲からの反応が冷たいことが多く、内心ではとても落ち込んでいる場合があります。カッとなってキレてしまったときには、後から「どうしてあんなに強く言ってしまったんだろう」と後悔する人も多いです。
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◇細かいところに気が付く
短気な人は、周りをよく見ていて、細かいところに気が付きやすいという長所があります。神経質な人ほど周囲の変化にも気が付きやすいので、困っている人がいるとすぐに手を差し伸べたり、小さなミスや違和感に気が付いてトラブルが大きくなるのを未然に防いだりすることができます。
◇自分の考えがしっかりしている
短気な人は、自分の考えやルールが決まっているため、それに沿っていないものを見るとイライラしやすいですが、他人の言うことに流されず頼りになるという面もあります。仕事で頼りにされて評価が上がることもあり、恋愛でも頼りがいがあるというのは魅力的に見えるでしょう。
◇ストイック
短気な人は、自分自身にも許せないことがあると改善しようとするため、理想や夢に向かってストイックに努力する人が多いです。
仕事のチームメンバーが、許せないことがあっても改善しようとしない人ばかりでは成り立ちませんよね。チームを成功に導くために、短気な人のストイックさが長所となることがあります。
短気な性格にはメリットと捉えられる面もありますが、できれば長所は活かしつつ、キレやすいなどの短所は治したいと思いますよね。では、短気でキレやすいのはどうすれば治るのでしょうか。
◇まずは治したいという気持ちが大切
まずは、自分の「キレやすい」という行動パターンを治したい、と思う気持ちを持つことが大切です。他人にキレてしまうことで、どのような弊害があり、キレやすいのを治すとどういった良い点があるのかを考えるといいでしょう。
短気な性格を他人に指摘されただけで、そもそも治したいという気持ちがなければ、性格を直すことは難しいので、まずは「どうしてキレやすいのを治したいのか」を考えることから始めましょう。
◇相手の価値観を知ろうとする
短気な人は、自分の価値観や考えが正しいと思う傾向があり、価値観や考えが異なる人を見ると、イライラしやすくなります。相手には相手の価値観があると知ることでイライラの原因がなくなるかもしれません。
世の中にはいろいろな考え方や価値観の人がいます。それを知ろうとすることで、自分の価値観が広がるだけでなく、すぐキレてしまうのを防ぐことにつながるでしょう。
◇相手を尊重する
相手の価値観を知るだけでなく、相手を尊重できるようになると、キレやすいのをさらに克復することができます。多くの人は、わざと誰かを傷つけようとしたり、嫌な気分にさせようとしたりして行動しているわけではありません。その人の価値観で動いていたり、自分のことで頭がいっぱいになって周りのことまで気が回らなかったりしているだけ、という可能性があります。
そんな相手の気持ちを汲み取って尊重しようとすることで、自身もすぐキレてしまうのを防ぐことにつながる上に、相手のことをより深く理解できて、相手から感謝されるかもしれません。
短気でイライラしてしまったら、相手は本当はどう思っているかな?と一度立ち止まって考えてみましょう。価値観が異なる場合も、そういうものと受け入れることができるといいですね。
◇10秒呼吸をする
「怒りのピークは約6秒」といわれています。この6秒さえイライラに耐えることができれば、怒りは落ち着いてきます。怒りの感情が芽生えたら10秒呼吸をしてみましょう。
10秒呼吸法とは、1・2・3で鼻から吸って、4で止め、5・6・7・8・9・10で口から吐き出す呼吸法のことで、リラックスが必要なときによく用いられます。
ゆっくり深呼吸して怒りのピークを越えたら、少し冷静になることができて、怒りをそのまま言葉にしたり態度にあらわしたりするのを防ぐことができるでしょう。
◇怒りの感情を使わなくても伝えられるか考える
怒りの感情は、自分の気持ちや考えを分かってほしい、という気持ちの表れでもあります。しかし、怒りの感情をあらわにして相手に伝えてしまうと、相手もいい気持ちはしませんし、本当に言いたいことがなかなか伝わりづらくなってしまいます。
10秒呼吸をして気持ちが落ち着いてきたら、怒りという感情を使わなくても、自分の気持ちや考えが伝えられないか考えてみましょう。冷静に相手と向き合うことで、自分の考えを伝えやすくなり、相手がどのように考えているかについても、しっかりと聞けるようになります。
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短気な性格は、考え方や感情のコントロールの仕方で改善していくことが可能ですが、今まで短気だと言われたことが無かったのにいつからか短気になっているという場合は、生活習慣の乱れが原因となっているかもしれません。生活習慣が乱れると、ストレスがたまって、うまくリラックスできずにイライラしやすくなってしまいます。これは生活習慣が乱れると、自律神経のはたらきが乱れやすくなるためです。自律神経は人間の内臓など、意識せずとも機能している器官のはたらきを司っており、これによって寝ている間に体を休めたりすることができます。自律神経が乱れると、心身に影響があらわれ、イライラしたり、気分が落ち込んだりしやすくなります。自律神経の乱れによる症状が悪化すると、不安障害やうつ病などの気分障害が併発することもあります。
また、女性の更年期(閉経前後5年ほど)や月経前はホルモン変化の影響によりイライラしやすい傾向があります。
短気があまりにひどく、他にも心身に症状が認められる場合は、これらの治療によりイライラも改善されることがあります。
また、日常生活に支障をきたすような特定の短気な性格が見られる場合は、パーソナリティ障害の診断を受けることがあり、カウンセリングや精神療法(場合により服薬)によって改善されます。
短気な性格は、キレやすいというデメリットだけでなく、細かいところまで気がついたり、ストイックに夢や目標に向かって頑張ったりすることができるというメリットもあります。
長所は活かしつつ、キレやすい短所を改善するには、相手の価値観を知って尊重するようにしたり、イライラしたときはゆっくり深呼吸をしてみたりするといいでしょう。また、生活習慣の乱れも、キレやすくなる原因になるので気をつけましょう。キレやすいという行動を変えたり、自分の考え方や気持ちを理解したりするためには、認知行動療法という精神療法やカウンセリングがおすすめです。