頑張っているのに仕事ができない、と感じると、毎日が辛くなりますし、会社に行くのも嫌になってしまいますよね。自分の中では最善を尽くしているつもりでも、仕事が遅かったり、怒られてばかりだったり、ミスが多かったりすると、周りからも「仕事ができない人」と思われていないか不安になりますし、居心地も悪くなってしまうでしょう。
では、仕事ができなくて辛い時、どのように対処していくのがいいのでしょうか。
目次
- まとめ
◇責任感が強すぎる
責任感が強いと、ちょっとしたミスをしたときや成果が出ないときに、全て自分が悪いと思ってしまい、辛い気持ちを抱えやすくなります。
新人の頃や仕事を覚えたての頃は、できなくても当たり前のことがたくさんあります。また、仕事ができていないのは事実だとしても、そもそも実現するのが不可能なノルマを課せられていたり、実力に見合っていないほど高い期待をされているだけという可能性は大いにあります。
しかし、責任感が強ければ強いほど、「期待に応えられないのは、自分の能力や努力が足りていないからだ」と自分を責めてしまったり、「ノルマを達成できないなんて、仕事ができないダメな人間だ」と無理に仕事を背負い込んでしまって、辛い思いをするようになります。特に、日本人は責任感が強い人が多いため、仕事ができなくて辛いと感じてしまうことも多くなるようです。
◇自己肯定感が低すぎる
自己肯定感とは、読んで字のごとく「自分を肯定しているかどうか」ということです。自分ならできる、自分なら大丈夫、と思うのが自己肯定感ですが、それが低いと、まだやっていないことや一度しか失敗していないことに対しても、「私には無理」「できない」と思い込みやすくなります。また、ちょっとした失敗やミスをしたときにも、「やっぱり自分にはできなかった」「何をやってもダメだ」と自分を責めてしまい、辛い気持ちになりやすいです。
◇人に頼らなすぎる
仕事をする上で、人に頼るというのはとても大切なことです。一人でなんでもできてしまうというのは、確かにかっこいいですし、頼らなくても仕事ができるのであればそのほうがいいでしょう。しかし、仕事量が多いときや、分からないことがあるときに、周りに頼って手伝ってもらったり、教えてもらったりすることは、甘えや妥協ではありません。頼らないことで仕事が遅くなってしまったり、失敗が増えてしまったりすると、そのほうが周りに迷惑をかけてしまいます。
いつも仕事量が多くて手が回っていない、忙しくて確認不足によるミスが起こりやすい、分からないことを周りに聞きづらくて時間がかかってしまっている、というような場合には、人に頼るということが上手くできていないために、「自分は仕事ができない」と思い込んでしまっているかもしれません。
◇「いい人」すぎる
「いい人」というのは、優しくてあまり怒らない、嫌なことがあってもいつも笑顔で対応してくれる、というイメージがあります。そう言われるのはとてもいいことですが、いい人すぎると、どうしても仕事を押し付けられやすかったり、反抗的な態度を取らないために文句を言いやすかったりと、仕事においては不利な方向に働くことがあります。
無理な仕事を押し付けられてうまくこなせなかった、周りと比べてよく怒られる、上司のあたりが強いときが多い、というのは、もしかすると「いい人」すぎるがゆえに、周りがその性格に甘えてしまっているのかもしれません。
◇肩に力が入りすぎている
仕事をする上で、できれば失敗やミスは避けたいですし、うまくこなしたいと思いますよね。しかし、その思いが強すぎると、かえって仕事がうまくいかない原因になります。適度なプレッシャーは仕事にいい影響を与えることがありますが、過度なプレッシャーや不安、焦りは、余計なミスを生んだり、仕事のパフォーマンスを下げてしまったりする原因になります。
結果、頑張っているのになかなか成果が出なかったり、失敗が多くなってしまったりするため、仕事ができなくて辛い、という気持ちを抱えやすくなります。
◇軸がなくブレやすい
自分の軸や信念がなく、考えがブレやすい人は、上司の無理な指示や、達成が難しそうなノルマを与えられても、言い返せずに従ってしまう傾向があります。そもそも無理な指示はできなくても仕方ないはずですが、自分の信念のようなものがないと、言われるがまま指示に従ってしまい、結果的にうまくこなせずに「仕事ができない」と言われてしまう可能性があります。
軸がしっかりしている、仕事に対する信念を持っている人というのは、不必要な仕事や無理な要求に対しても、きちんと意思を伝えて議論することができます。また、それでもやらなければならない、ということになった場合、一度「無理かもしれない」ということは議論しているため、達成できなくても落ち込んだり、辛い気持ちになったりすることはありません。
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では、自分は仕事ができない、という不安は、どのように取り除くことができるのでしょうか。
◇頼れるところは周りに頼る
まず、頼れるところは周りに頼るようにしましょう。もちろん、助けてもらったら「ありがとうございます」の気持ちを伝えることが大前提です。仕事をむやみに押し付けられたり、手伝ったのに感謝をされなかったりすると、人は嫌な気持ちになりやすいですが、自分を頼ってもらい、感謝されて、不快になる人はあまりいないでしょう。「一人で仕事を抱え込んでしまって、うまく業務が回っていない」「周りの人にやり方を聞いたり、教えてもらったりするのが苦手で時間がかかっている」というような場合は、周りに頼るということを検討してみましょう。
◇自分の長所に目を向ける
自分の短所にばかり目が向いているときには、「自分は仕事ができない」「こんなこともできないなんて」と気分が落ち込んだり、不安になったりしやすいです。誰にだって必ず長所がありますし、仕事についても最初の頃と比べると、できるようになったことが多く見つかるに違いありません。「仕事に時間はかかるけれど、いつも丁寧にチェックしている」「ミスが多いけれど、慣れないことでもチャレンジしている」など、一見短所に見えることでも実は自分の長所と表裏一体なのかもしれません。
仕事というのは、いきなりパーフェクトにできなくて当たり前です。短所ではなく長所に目を向けて、できることを伸ばしていく方法や、それによって短所をカバーできないか、などを考えてみましょう。
◇間違っていると思うことはしっかり発言する
もし上司からの指示や指摘が間違っていると思ったら、しっかり発言するようにしましょう。上司の中には、気分で指示を出してきたり、言うことがコロコロ変わったりする人も多く、発言に振り回されることがよくあるのではないでしょうか。また、よく分からない指示の仕方をしたり、間違いに気付いていないまま口出しをしたりする人もいます。そんなときには、間違っていると思うことをしっかり発言するようにしましょう。そのことによって、不要な仕事が減るかもしれませんし、モヤモヤした気持ちのまま仕事をしなくて済むようになります。不要な仕事が減れば、他の仕事をする時間が増えますし、モヤモヤした気持ちをスッキリさせてから仕事に取り掛かることで、業務へのモチベーションも保ちやすくなり、仕事のミスも起こりにくくなるでしょう。
◇自分の軸をしっかり持つ
自分の軸がなく、周りの意見に振り回されたり、無謀な指示やノルマに従ったりしている場合には、自分の理想像をしっかり持つようにしましょう。今の仕事で一体何をやっていきたいのか、将来的にどうなっていきたいのか、そこが決まれば自分の軸も定まりやすくなります。軸が定まっていれば、多少の失敗やミスがあっても、きちんと次につなげることができますし、失敗を糧にして成長できると思えば、落ち込んだり不安になったりすることも減るでしょう。
◇今の仕事が適職かどうか考えてみる
今の仕事が合っていないのではないか、と感じる場合は、一度今の仕事が適職かどうか考えてみましょう。仕事には、どうしても向き不向きがありますし、向いていない仕事をしているときには、成果が思うように出ないため、辛い気持ちを抱えやすくなります。人と会って話すことが好きな人もいれば、人とは関わらず黙々と作業するのが好きな人もいるでしょう。常にノルマを与えられてプレッシャーを感じるとやる気が出るという人もいれば、プレッシャーを感じると途端に緊張してパフォーマンスが下がってしまう人もいるでしょう。
今の仕事が適職かどうかについては、自分は何が好きで、どういう性格で、どんな仕事が向いているのか、ということを一度考えてみるのがおすすめです。一人で考えてもよく分からない、客観的な意見が聞きたい、という人は、友達や職場の人に聞いてみたり、周りに話をしにくい場合はカウンセリングを活用してみたりするのもいいでしょう。
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仕事ができないのが辛い、と感じていると、毎日職場に行くのがしんどくなってしまったり、仕事が苦痛になってしまいますよね。しかし、仕事というものは最初からできなくて当たり前ですし、出来ないことや苦手なこと、分からないことは周りに頼って解決していくべきものです。色々な方法を試してみて考え方を変えても、やはり今の仕事が向いていないと思う場合は、転職の検討や異動の打診をするために、自分にとっての適職とはどんな仕事かを一度考えてみるのもいいでしょう。専門的なアドバイスや分析が必要な方は、キャリアコンサルタントに相談してみるのもおすすめです。