自分の抱えている悩みがなかなか理解されない、悩みを誰にも理解されないことが辛い、ということでお悩みではないですか。例えば、恋人が最近冷たい、職場の上司と折りが合わずに仕事がしんどい、といった、一般的に多くの人が経験する悩みは、誰かに話したり相談したりして共感をもらえると、気持ちが楽になりますよね。しかし、自分の抱えている悩みを誰にも理解してもらえないと、気持ちが楽にならないばかりか、「誰にも分かってもらえない」という苦しさも抱えることになります。
では、誰にも理解されない苦しみを抱えている人は、どうしたらいいのでしょうか。
目次
- まとめ
誰にも理解されない悩みや、なかなか分かってもらえない苦しみを抱えている人は少なくありません。例えば、「特定の模様が怖い」「毎日出かける時に鍵をかけたか不安になり、いてもたってもいられなくなる」「加工工程を想像してしまうため、肉が食べられない」など、人に話しても共感してもらえないばかりか、「気にしすぎ」と言われたり、「変わってますね」と笑われてしまうこともあり、周りの人にそれ以上話せず、一人で抱え込んでしまいやすくなります。
誰にも理解されないとき、孤独感や無価値感を抱えやすくなります。この世でたった一人になったような、誰とも分かり合えないような、悲しい気持ちになるでしょう。
では、この「誰にも理解されない苦しみ」を和らげるためには、どうすればいいのでしょうか。
臨床心理士とは・・・
悩みを抱える人との対話をベースに、精神分析や心理療法を使って問題の解決をサポートする「こころの専門家」です。
臨床心理士の資格は厳しい学習条件が求められ、心理業界では長年にわたり根強い信頼性を持っています。
うららか相談室には、多くの臨床心理士が在籍しています。
メッセージ・ビデオ・電話・対面、あなたが一番話しやすい方法で、悩みを相談してみませんか。
誰にも悩みを理解してもらえず抱えた孤独感や無価値感の解消方法をいくつか挙げてみます。
◇承認欲求を満たす
承認欲求とは、他人から尊重されたい、認められたい欲求のことをいいます。SNSの普及により、多くの人に自分のことを認めてもらえる時代になりました。承認欲求を過剰に満たそうとして行き過ぎた行為は問題とされることがありますが、本来、承認欲求を満たすことは、心を満たして豊かな人生を過ごすために必要なものの一つです。誰からも認めてもらえないような孤独感や無価値感を抱えている人は、自分の存在を多くの人に認めてもらうことで、つらい気持ちを解消できるかもしれません。悩み以外のことでも、自分の本音で人と話すようにできるようになると承認欲求が満たされ、孤独感を解消することができます。
◇自己肯定感を高める
自己肯定感とは、「無条件で自分自身を肯定し、自分が大切な存在だと思えること」です。心理学では、自尊心(自尊感情)と呼ばれます。自己肯定感が低いと、理解されないことに対する孤立感が強くなります。
自己肯定感の低下には、養育環境やトラウマ、失敗体験や考え方の癖など、様々な原因があると考えられています。認知行動療法という心理療法やカウンセリング、スモールステップで少しずつ成功体験を積む、などの方法で自己肯定感を高められることがあります。
ただし、自己肯定感が高すぎることで、楽観的になり現実逃避のような考えが見られることがあり、必ずしも自己肯定感が高いことが良いとは限りません。自己肯定感を高めることに固執しすぎるのもかえってストレスとなることに気をつけましょう。
◇周りを理解してみる
自分のことを理解してほしい、と思うのはとても自然なことですが、そこにばかり意識が向いていると、疲れやすくなります。今度は、周りを理解してみるということに意識を向けてみましょう。人は、自分のことを理解しようとしてくれるととても嬉しい気持ちになり、相手のことを大切にしようと思うものです。誰にも理解されないのが苦しい、と思っているのと同じように、周りの人も自分のことを理解してほしいと思っているんですね。
周りを理解しようとすることで、周りの人も、その人にしか分からない悩みを抱えていることに気が付くかもしれません。一人で悩んでいるのは自分だけではない、と気が付くことで、心が軽くなるかもしれません。
◇自分の行動を振り返る
もしかすると、理解してもらえないのではなく、伝わるように伝えられていないのかもしれません。
過去に理解してもらえずに傷ついた経験があったり、悩みを打ち明けたのに馬鹿にされ、悲しい気持ちになった経験があったりすると、「もう同じ思いはしたくない」と、自分の意見や思いを自分の中に閉じ込めようとしがちです。そんな状態で「理解してもらう」というのは難しいですよね。
「理解してほしい」という気持ちばかりで、自分から理解されるための伝え方をしていなかったら、なかなか理解してもらうことはできないでしょう。自分の中での前提ができていなかったかどうか振り返り、できるだけ周りが理解しやすいように、伝える心がけをしてみましょう。
発達障害を抱えている人は、他の人が当たり前にできることが苦手だったり、こだわりが強かったりと、なかなか周りから理解されにくいことがあります。周囲とのコミュニケーションがうまくいかない、空気が読めない、忘れ物やミスが多い、衝動的に行動してしまうなど、程度が浅ければ、「よくあること」と片付けられてしまうような症状ばかりなので、本人も発達障害と気が付かないことが多いです。他人から理解されないことが多いという悩みが、発達障害の特性により説明がつくことがあるかもしれません。気になる方は、発達障害者支援センターへお問い合わせください。
また、代表的な精神障害には、周囲から理解されにくい症状を持つものが多いです。多くの人が経験していないことなので仕方ありませんが、例えば、うつ病で動けないという人に対しても「甘え」だという人がいるように、精神障害の悩みが理解されない現状はまだまだたくさんあります。特に、理解されにくい悩みとして、統合失調症の幻覚や妄想、強迫性障害の強迫観念・強迫行為(無意味に思えるが、しなければ気が済まないこだわり)、パニック障害のパニック発作、恐怖症などが挙げられます。精神障害は、適切な治療により改善されますので、医療機関で受診をすることにより、苦しみから解放されることができます。
また、似た悩みを抱える人同士が、お互いに悩みの解決を目指したり、情報を共有し合ったりする、自助グループという集まりがあります。発達障害や強迫性障害などの自助グループに参加することで、悩みを抱えているのは自分だけではなかったと実感することができるかもしれません。
カウンセリングでは、誰にも理解されなかった悩みを扱うことがとても多いです。
なかなか周りに理解されず、理解されないこと自体が苦しくなって、一人で悩みを抱えているときはぜひカウンセラーへ相談してみてください。悩みや考えていることをお聞きし、「どうありたいのか」ということに向かって一緒に解決策を考えていくことができます。カウンセラーは、頭ごなしに否定したり、理解しようとしないなんてことはありません。
オンラインカウンセリングのうららか相談室では、秘密の厳守を固くお約束いたします。
匿名でご利用いただけるため家族や友人に知られることなく、安心して悩みを相談することが可能です。
悩みを理解してもらいたい、解決できなくても共感してもらいたい、と思うのはとても自然なことで、理解されないと独りぼっちになったような孤独感や苦しさに襲われそうになりますよね。そんなときは、承認欲求を満たしたり、周りの人を理解しようと試みたりすることで、理解されない苦しみを和らげることができます。
一人で悩みを抱え込んでしまっている方は、カウンセラーに相談するのもおすすめです。
参考
遠藤由美 (1999) 「自尊感情」を関係性からとらえ直す,The Japanese Journal of Experimental Social Psychology. 1999, Vol. 39, No. 2, 150-167
ポジティブに解消!専門家に聞いた「承認欲求」を満たす方法(コスモポリタン) - Yahoo!ニュース(2020.9.24)
https://news.yahoo.co.jp/articles/34ec2812f1f132b3989fef71025f2e3656e435fa?page=2