職場でパワハラを受けていてつらい、または嫌がらせをされているけどパワハラかどうか判断できず、どうすればいいか分からない、ということでお悩みではないですか?
パワハラは、気軽に友達や職場の人に相談できる内容でもないため、一人で悩みを抱えてしまったり、つらい思いを抱えてしまう人も少なくありません。
では、パワハラとはどこからパワハラと呼んでいいのでしょうか。また、パワハラにあったときの対処法にはどのようなことがあるのでしょうか。
目次
- パワハラとは
- まとめ
そもそもパワハラとは、どのようなことを指すのでしょうか。パワハラとは、職場内での優位性や立場を利用して、身体的/肉体的な苦痛を与えたり、職場環境を悪化させる行為のことを指します。
職場での優位性や立場というのは、例えば上司や先輩が、部下や後輩に対して、という意味になります。より上の立場の人が、下の立場の人に対して行うのがパワハラで、「断ったら降格されるかもしれない」「言うことを聞かないと評価が下がるかもしれない」という恐怖心を与えたり圧力をかけて嫌がらせをすることです。
身体的/肉体的な苦痛とは、不必要に怒鳴ったり人格を否定するようなことを言う、殴る蹴るなどの暴力を振るう、といったことが挙げられます。また、仲間外れにする、仕事を過度に押し付けたりすることもあるでしょう。
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では、職場で嫌なことがあったとして、どこからがパワハラにあたるのでしょうか。単純に指導の一環として行われているかもしれませんし、ちょっと上司の機嫌が悪かっただけかもしれない、と思うと、パワハラと判断していいのか迷いますよね。
パワハラの代表的なパターンとして、以下の6つが挙げられます。
1.身体的な攻撃
殴る、蹴るといった暴力がこれにあたります。指導の一環で注意しなければならないこと、叱らなければならないことはあるでしょうが、身体的な攻撃はパワハラにあたります。
2.精神的に傷つける攻撃
「役立たず」「バカ」「人として終わっている」など人格否定するようなことを言ったり、何度も叱り続ける、過去の失敗やミスに対して執拗に責め続ける、といったことが挙げられます。
3.人間関係の切り離し
一人だけ仲間外れにしたり、業務に必要な連絡をせず一人だけ会議に参加させない、一人だけ違う場所で作業させる、話しかけても無視をする、といったことが挙げられます。
4.過大な要求の押し付け
長時間残業が必要な仕事量を押し付けたり、無理なノルマを課す、明らかに仕事に必要ないことを強制する、といったことが挙げられます。
5.過小な要求の押し付け
生産性のない仕事ばかり与えたり、仕事を与えない、業務に関係のない単純作業ばかり押し付ける、といったことが挙げられます。
6.プライベートの侵害
宗教や思想について批判したり、趣味について口出ししたり、不要不急なのに休日や夜間に連絡をする、といったことが挙げられます。
この6つのパターンが、一度ではなく何度も行われるような場合、パワハラと判断してもいいでしょう。
パワハラが起こる原因として、パワハラをしている側にパワハラをしているという自覚がないことが挙げられます。スキルや行動力などに自信があり、自分を通して他の人を見てしまうため、相手の心境が分かっていないケースが多く見られます。
「自分だったら3時間で終わる仕事なのに、どうしてそんなに時間がかかるんだろう」「どうしてもっと粘り強く頑張らないんだろう」「どうしてもっと先のことも見越して手を打てないんだろう」とこのように、自分と同じペースで仕事ができない部下に対して、イライラして怒ったり、努力が足りないと責めてしまうことで、パワハラが生まれやすくなります。
また、指導のつもりでも上司と部下の信頼関係が構築できていないと、部下がパワハラと感じやすくなります。
厚生労働省の『職場のパワーハラスメントに関する実態調査報告書』によれば、パワハラ相談があった職場で最も多かったのが、「上司と部下のコミュニケーションが少ない職場」でした。
コミュニケーションが不足していると、普段自分の仕事をきちんと見てくれていないのに、一時的な成績で仕事ぶりを判断されたり、労いの言葉がなく頑張りを評価されていないような気持ちになり、上司に対して不信感を抱きやすくなります。そういった環境下だと、上司も部下の心情を察することが難しくなりますし、部下もちょっとした言葉で傷ついたり、パワハラと感じやすくなってしまいます。
パワハラを受けていたとしても、自分が悪い、と思いながらパワハラを我慢してしまう人が少なくありません。
特に、「お前は出来が悪い」「頭が悪い」「仕事ができない」といった言葉をかけられていると、自分がダメな人間に思えてきます。そういった自分を変えて仕事を頑張ろうとするほど、パワハラを我慢してしまいます。
また、上司も「怒れば言うことを聞く」と思い込んでしまう傾向にあり、パワハラがおさまることはありませんし、ますますひどくなるケースもあります。
パワハラは立派な「嫌がらせ」ですが、されている側の人が「自分が悪い」と思ってしまうと、パワハラを我慢してパワハラが長引いたり、悪化する傾向にあります。
パワハラの辛いストレス、一人で悩み続けないでください。
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ではパワハラにあった時は、どのように対処していくのがいいのでしょうか。
◆同僚や上司に相談する
まずは同僚や、別の上司に相談してみましょう。周りに相談して協力を得られれば、パワハラしている本人に注意してくれたり、パワハラをしているということを気づかせてくれるかもしれません。
同僚に相談すれば、もしかしたら同僚も同じようにパワハラを受けているかもしれませんし、一人では「パワハラと判断していいか分からない」という場合でも、味方ができれば心強いですよね。
また、パワハラをしている人より偉い上司に相談すれば、注意してもらえますし、より立場が上の人が理解してくれている、ということで安心感にもつながります。
◆はっきりと意思を伝える
直接言えるのであれば、「やめてください」などと、しっかりと意思を伝えましょう。我慢したり、受け流したりしていると、本人が無自覚なまま、余計にパワハラをエスカレートさせることにつながります。
また、他にも同じ人物からのパワハラで悩んでいる同僚がいるかもしれません。「自分だけなら」と我慢するのではなく、問題を解決することが、職場の環境をよくすることにもなります。
◆人事部や労務局に相談する
同僚や上司に相談しづらいという人は、人事部や労務局に相談しましょう。人事部や労務局に相談することで、パワハラをしている本人に注意してくれたり、改善策を提案してもらえる可能性があります。
◆転職する
パワハラがなくならない、職場の対応にも不信感があるような場合、転職するのも一つの手です。会社によっては、パワハラ自体が「教育や指導の一環」と認識されていて、誰に相談してもなくならなかったり、パワハラが当たり前になっているような会社もあります。そういった会社に残って我慢するよりは、新しい会社で仕事をするほうが精神衛生的にもいいでしょう。
なかなかパワハラがなくならないような場合は、転職も検討してみましょう。
パワハラは、している本人にも自覚がないケースがあり、されているほうも「仕事ができない自分が悪い」と思い込んでしまい、我慢してしまうことが多いです。しかし、我慢するほどパワハラは悪化しやすく、改善されることはありません。
一人でパワハラに悩んでいる、周りに相談できずに一人で抱え込んでいる、という人は、社内だけでなく社外の人やカウンセラーにも頼って相談することをおすすめします。
参考サイト
・厚生労働省|パワーハラスメント
https://harasu-soudan.mhlw.go.jp/about_power_harassment.html
・厚生労働省|職場におけるハラスメントの防止のために
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html