皆さんは、「コーチング」という言葉を知っていますか?現在様々なコーチングのサービスが出てきているので、ご存知の方も多いかもしれませんね。
ではカウンセリングとコーチングは、一体何が違うのでしょうか。
夢を実現したい、自分を成長させたいなどのポジティブなイメージがあるコーチングと、精神的な悩み、人間関係の悩みなど、マイナスの状態を解消するイメージのあるカウンセリング。目的に合った方法を利用することで、それぞれの効果が期待できます。今回は、コーチングとカウンセリングの違いを説明します。
目次
- コーチングとは
- カウンセリングに向いている人とは?メリット・デメリットは?
- おわりに
ライフコーチやメンタルコーチ、エグゼクティブコーチなど、コーチングに関するワードを耳にする機会も増えているのではないでしょうか。
分野ごとに細かく分かれていることもありますが、一般的にコーチングでは、相談者の目標達成や問題解決をサポートします。相談者はコーチからの多角的な質問を通して、自分自身の中から気づきを得て自発的に行動することを促されます。元々はスポーツのコーチングから派生していて、最近では人材の能力開発や組織開発ツールとしても活用されているのが特徴です。
カウンセリングは、相談者の心理状態を改善する為のサポートを行います。カウンセラーは、相談者の悩みを傾聴し、対話を行うことによって相談者の抱えている問題を整理し、相談者の中にある思考の癖などについて気づきを与え、相談者の内面を変えていくことを促します。
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上記で説明した通り、コーチングとカウンセリングはどちらも、相談者の内的要因から答えを導く、という共通点があります。しかし、相談するのに向いている人と、メリット・デメリットに少し違いがあります。それでは、具体的に違いを見ていきましょう。
コーチングに向いている人は、目標達成やスキルアップ、自分の方向性をハッキリさせることを望んでいる人です。例えば、次のような人が挙げられます。
・挑戦したいことがある
・結果を出したいことがある
・達成したい目標がある
・自分の今後の方向性が分からない
・新たなビジョンを見出したい
・好きなことを見つけたい
メリット
コーチとのセッションで得られるメリットには、下記のようなものがあります。
・物事を多角的に考察できるようになる
・目標が明確になり行動に繋がる
・潜在能力や未来の可能性を引き出すことができる
・より早く確実に目標を目指せる
・自分の強みをさらに伸ばせる
・自分の意思で動けるようになる
相談者の可能性を信じているコーチのサポートがあることで、一人では得られなかった気づきを得て、行動を変えていくことができます。
デメリット
デメリットとしては、以下の点が挙げられます。
・人対人なので相性がある
・目的達成や効果が現れるまで時間がかかる
・自分で考えるための材料である知識や経験が不足していた場合は答えが出ない
・成長や変化を求めていなければ効果がない
自分の中で気づきを得て、行動を変える過程をサポートするのがコーチングなので、相談する目的が分からない場合は効果がないかもしれません。また、成長や変化はすぐに起こらないように、効果が現れるまでにも時間がかかります。
カウンセリングに向いている人は、精神面の治癒やサポートが必要であったり、癒しが欲しい人と言えるでしょう。例えば、次のような人が挙げられます。
・身近な人に相談しづらい悩みがある
・不安やモヤモヤする気持ちをスッキリさせたい
・ストレスが溜まっている
・悩みを誰にも分かってもらえず辛い
・複雑な感情や気持ちを整理したい
・なんとなく話したいことがある
・人間関係がうまくいかずに悩んでいる
・精神的な病気ではないかと気になっている
メリット
カウンセリングを受けることのメリットには、下記のようなものがあります。
・抱えている問題を棚卸しして、整理できる
・自分の意見や考えを否定せずにしっかり受け止めてもらえる
・自分の気持ちを無視した一方的なアドバイスをされない
・自分の奥底にある気持ちや答えを引き出してもらえる
・自分の思考の癖に気づくことができる
・カウンセラーという味方ができることで安心感が得られる
・感情を吐き出すことで爽快感が得られる
カウンセラーは、相談者と丁寧に対話を重ねながら、自分自身の心と向き合う手助けをしてくれます。人には何かしら思考の癖があるため、一人で考えていては見つからなかった答えをカウンセラーが引き出してくれます。
身近な人に相談すると、意見を押しつけられることや話を遮られることもあり、逆効果になってしまうことがあるかもしれません。カウンセラーに話すことで得られる安心感や効果は大きいでしょう。
デメリット
・人と人との相性がある
・具体的なアドバイスや意見がもらえないと感じる
・悩みが複雑な場合、問題を整理し、解決策を見つけるまで時間がかかる
・カウンセリングを受けていることを友達や家族に話しにくい
幼少期のトラウマや家庭環境など、長年かけて形成された性格を変えることは容易ではありません。特に複雑な問題を抱えている場合は、基本的に短期間のカウンセリングでは解決しない場合が多いでしょう。そういった点で、一足飛びに解決を求めてしまうと、物足りなさを感じることがあるかもしれません。
カウンセリングを通じて、自身の内面とじっくり向き合ってみませんか?
うららか相談室では、あなたの「変わりたい」という気持ちを、臨床心理士などの専門家がしっかりとサポートさせていただきます。
心理状態がマイナスの場合や、精神的な病気が疑われる場合は、カウンセリングを利用しましょう。心理状態に問題がなく、どちらに相談するか迷った時は、自分自身が成長・変化することを求めているのかどうかが判断基準になります。心の治療やサポート、癒しが欲しいのであれば、カウンセリングを活用し、自分の成長や変化のためのサポートが欲しいのであれば、コーチングを活用してみると良いでしょう。ただし、落ち込みやすい、傷つきやすい性格だったりする人の場合は、目標達成のためのアドバイスが重荷になる可能性があるため、まずは落ち込みやすい性格をカウンセリングで改善してから、コーチングに進む、という流れも検討してみると良いと思います。
また、コーチングもカウンセリングも人対人の相談ですので、必ず相性があります。自分に合ったコーチやカウンセラーに相談して初めて、本来の効果が得られます。相談する中で違和感や納得できない部分があったら、他のコーチやカウンセラーを探してみてください。
カウンセリングはうつ病などの精神疾患がある人や、心が弱い人が通うというイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、実際には皆さんが思っている以上に幅広く活用することができます。
カウンセリングには、以下の3つの効果があると言われています。
1. カタルシス効果(浄化効果)
気持ちや感情を吐き出すことで、気持ちが楽になります。
2. バディ効果(仲間意識)
話しを聞いてもらい共感を得られることで、孤独感から開放されます。
自分だけではない、という安心感を覚えます。
3. アウェアネス効果(気づき・理解)
自分の考えや癖、感情を理解することで、頭の中が整理されます。
これらの効果は、精神疾患の治療以外にも、様々な場面で役立つことでしょう。
具体的な活用方法について、いくつか紹介したいと思います。
愚痴聞き・話し相手として
夫婦喧嘩をしてしまった、子供にイライラする、職場でこんな嫌なことがあった、など、とにかく話を聞いてほしいという目的で相談する人も多くいらっしゃいます。カウンセラーは、否定したり意見を押し付けたりしないので、安心して話すことができ、気持ちがスッキリすることでしょう。また、一人で悩んでいたことからも開放され、思わぬところで気づきが得られることもあると思います。「こんなこと相談していいのかな」と思うようなことでも気軽に相談してみてください。
定期的な心のメンテナンスとして
カウンセリングは治療目的で利用する人もいますが、心のサポートや癒し目的で活用しても構いません。不安やストレスが蓄積されてから解消するのではなく、自分が何か違和感を感じたら小さく取り除いてメンテナンスすることも重要です。何も悩みがない場合や、なんとなく話したいことがある場合でも、カウンセラーは丁寧に耳を傾けるので、安心感を得られます。自分自身を客観的に振り返る機会として、定期的にカウンセリングを受けるというのもお勧めです。
コーチングとカウンセリングの違いは分かりましたでしょうか。
一人で解決できなかった問題でも、正しい相手に相談することで問題の解決が円滑に進むことはよくあります。また、カウンセリングもコーチングも、相談者の内的要因から答えを導くため、一度きりの悩み解消で終わらず、今後に活かしていける考え方や気づきが得られるはずです。
コーチングとカウンセリング、どちらに相談したら良いか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。