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  1. イヤイヤ期の子どもへの対応方法・接し方とイライラの乗り越え方

イヤイヤ期の子どもへの対応方法・接し方とイライラの乗り越え方

小さいお子さんを育てる親御さんにとっては、大きなお悩みともなり得る“イヤイヤ期”。子育てはどの年代もそれぞれの大変さがありますが、イヤイヤ期のしんどさはなかなか大きなものだと感じられる方も多いかと思います。

これからお子さんがイヤイヤ期の年齢を迎える方も、今まさにイヤイヤ期真っ最中のお子さんに手を焼いているという方も、イヤイヤ期に関する理解や対処法を知っておけば、きっと少し乗り切りやすくなるはずです。

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目次

- イヤイヤ期とは?

- イヤイヤ期が起こる原因・理由は?

- イヤイヤ期はいつからいつまで?

- イヤイヤ期の子どもとの接し方・対応方法

- 子どもへのイライラの対処法・乗り越え方

- おわりに

イヤイヤ期とは?


まずはイヤイヤ期とは何なのか、その概要から見ていきましょう。


・2歳頃をピークとする第一反抗期

子どもの発達には、心身の急成長に伴って起きる心理・行動面の変化が、「反抗期」として表れる時期があります。

昔からよく知られているのは、思春期(10歳頃~18歳頃)の反抗期ですが、これが第二次反抗期と呼ばれるのに対して、2歳頃をピークに1歳半頃~3歳頃までに見られるのが第一次反抗期です。これが、いわゆる“イヤイヤ期”です。

第一次反抗期は、“イヤイヤ期”の他にも“魔の二歳児”とも呼ばれることがあります。英語でも“terrible twos”というフレーズがあることから、イヤイヤ期は国や文化を問わず子どもの発達上自然に訪れる時期であることがうかがえますね。


・なんでも「イヤ」「自分で」と言いがち

イヤイヤ期はその名の通り、「イヤ!」という言動が多くなるのが最大の特徴です。この時期の子どもは、ご飯のメニューも、服を着るのも、お風呂に入るのも、何でも「イヤ!」と、まるで口癖か返事代わりのように「イヤ」という単語を発したりします。

また、親が選んだ服をそのまま着ることや、大人に靴を履かされることなどを嫌がり、「じぶんで!」と言うことが増えるのも、イヤイヤ期によく見られる光景です。出かけなくてはならず時間に余裕がないときに自分で靴を履きたがり、でもうまく履けず癇癪を起こすなど、親御さんはイライラ、ぐったりしてしまうようなことが一日中繰り広げられたりします。


・個人差も大きい

とはいえ、中にはこれといったイヤイヤが見られないお子さんもいます。

大人しい、穏やかでのんびりした性格、言葉の発達が早くおしゃべりが上手、といったお子さんの場合、あまり激しいイヤイヤ期がないまま成長していくこともあり、それはそれで問題ありません。また、養育者の性格や環境との相性によっては、子ども側にイヤイヤが出ていても大人側の困り感が少なく済むこともあります。

激しさや表れ方、いつからいつまで続くか等、イヤイヤ期の様相は子どもによって個人差も大きいようです。

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イヤイヤ期が起こる原因・理由は?

ここからは、子どもの成長過程になぜイヤイヤ期が存在するのか、その理由をお話します。


・自我が出てきた成長の証

生まれたばかりの赤ちゃんは自力で移動することはできませんし、感情面でも興奮や快/不快程度しかなく、大人に比べるととてもシンプルな内的世界に生きていると言えます。お世話をする大人のされるがままになる場面も多いですよね。

そこから日々たくさんの経験をしながら成長していくにつれ、移動できる範囲が広がり、手先や身体も少しずつ細かい動きが上手になってきたりと、できることが増えていきます。そのような発達や身の周りの世界の広がりに伴って、興味関心の範囲や「やってみたい」という意欲も広がります。

それ以前のように大人の言うままになるのではなく、「これは嫌だ」「こっちがいい」という好みや、自分の思い通りにやりたいという気持ちが強まります。しかし、まだまだ思い通りにできるだけの発達は遂げられておらず、やりたいこととできることとのズレがイヤイヤや癇癪として表れるのがイヤイヤ期とも言えるでしょう。


・脳機能の発達による影響

人間の脳は、各部位が同じスピードで発達していくわけではなく、情動や喜怒哀楽を司る部分(大脳辺縁系)が早期から発達するのに対し、思考や判断、感情の制御を司る部分(前頭前野)は4~5歳頃からようやく発達し始めると言われています。

2歳前後は、やりたいことを自己主張できる一方で、感情を制御する機能はまだまだ未熟で我慢がきかない時期であり、イヤイヤが激しくなるのは脳機能から見てもごく自然なことなのです。

イヤイヤ期はいつからいつまで?

脳や心身の成長によって、自分でできる部分が増えたり、言葉で言えるようになったり、気持ちや行動のコントロールができるようになったりするにつれて、イヤイヤも収まっていきます。

年齢にすると、1歳半頃から始まり、2歳頃をピークとしながら、3~4歳頃からイヤイヤが少なくなっていく子が多いようですが、個人差があり、性格、環境等によって異なります。

イヤイヤ期の子どもとの接し方・対応方法


何でもイヤイヤ言われると、ほとほと困ってしまうという方も多いことでしょう。ここからは、イヤイヤ期の子どもにはどう接したらいいのか考えていきましょう。


・気持ちをよく聞いたり代弁したりする

子どもの気持ちややりたいことを聞いたり、親が代わりに「こうしたかったの?」「これが嫌だった?」と言って子どもの気持ちを確認して共有したりするのは、イヤイヤ期の子どもへの基本的な対処法と言えます。

きっと「イヤ!」と言うからには、子どもなりにそう言いたい理由や気分があるのだろうと捉えて、まずはその気持ちを聞いて代弁すると良いでしょう。


・できた部分は褒める、認める

イヤイヤ期の子どもは、その主張の強さとは裏腹に、まだまだ思った通りのことができない場面も多いです。それは自然なことなので、できたところだけでも褒めて認めるのも、子どものモチベーションを高め、気持ちを安定させることに繋がります。

「じぶんで!」と言いつつ自分でちゃんとできないときも、「ここまでできたね。すごいね!ここからはちょっと難しいからお手伝いするね」と言いながら手を貸すのも、日常に組み込みやすい対処法かと思います。


・対応できるときは子どもの気持ちを尊重する

「イヤ!」「じぶんで!」に対応できるくらい時間や親側の気持ちに余裕があるときは、ぜひ子どものやりたいことを尊重しましょう。なかなかうまくいかないときも、側で応援しながら見守っていくと、子どもは「自分でやってみた」という満足感を持つことができ、それは実践的な体験としてだけでなく、挑戦できる力や環境が自分にはあるという感覚を伸ばすことにも繋がっていきます。


・対応できないときも説明や見通しを伝える

とはいえ、いつも子どもの気持ちに応じられるわけではありませんよね。時間がないとき、危険なことややってはダメなことをやりたがった時などは、ダメだと伝えると同時にその理由を説明すると良いでしょう。

「今は急いでるから無理だけど、今度時間があるときにやろうね」と声を掛けるなど、見通しを伝えるのも良い方法です。

また、思い通りに積み木が積めなくて癇癪を起しているようなとき、少し落ち着いたら「積めなくて悲しかったね」「もっと大きくなったら必ずできるようになるよ」と、少し先の展望を伝えるのも子どもの気持ちを落ち着ける一手段です。

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子どもへのイライラの対処法・乗り越え方

子どもへの対処法をお伝えしてきましたが、そのような対処をする余裕もなくしてしまうくらい、イヤイヤ期が激しくて大変だという親子もいることと思います。子どもに対する大人側のイライラは、どう乗り越えていけばいいのでしょうか。


・「イヤ!」を自分への否定と捉えない

毎日毎日「イヤ!」と言われ続けると、自分の育て方が悪いのだろうかと思えてきたり、子どもに否定されているようで辛いと感じたりすることがあってもおかしくはありません。

しかし、イヤイヤ期は子どもの正常な発達の一過程であり成長の証なので、イヤイヤを自分への否定とは捉えないようにすると、過剰なしんどさは軽減できるかと思います。


・誰かとしんどさを共有する

一人でイヤイヤ期の子どもに接し続けるのは、心が折れても当然なくらいしんどいものです。一人で抱えず、家族や友人、同じ年頃または少し年上の子どもを持つ親御さん同士で、イヤイヤ期の子どもに向き合う大変さを共有し合うのも、とても良い乗りこえ方のひとつです。

直接話せる人がいないときは、インターネットやSNSで同じような環境にいる人の発信を読んでみるだけでも、しんどさが軽くなるかもしれません。


・イヤイヤされても大丈夫なように環境調整をする

イヤイヤはしばらく続く前提で、可能な範囲でいいのでイヤイヤに合わせて環境調整をしておくのも有効な手段です。

たとえば、靴を履かせようとするとイヤイヤが始まり「じぶんで!」と言う場合、靴のかかと部分に輪っか状の紐を付けておくと、一人で履きやすくなります。親が選んだ服は嫌がる場合は、何パターンか用意しておいてその中から自分で好きな服を選ばせるのも手です。


・良い意味で諦める

イヤイヤ期は何ら悪いものではなく、正常な発達の一環です。したがって、良い意味で諦めて、「今は仕方ない」「こんなもんだろう」と捉え、安全にだけ配慮してあとは子どものやりたいようにさせる時間を時には持ってみるのも、悪くない乗りこえ方のひとつです。

イヤイヤを放置すると良くないのではないかと気にされる親御さんもいるかもしれませんが、声かけや具体的な工夫などできることをして、それでもイヤイヤが治まらないとき、いったん諦めて落ち着くのを待つのは、特に問題ないかと思います。


・育児支援の専門家に相談する

親としてはごく当たり前の声かけをしているだけなのに「イヤ!」と言われ続けると、どうしたってイライラしてしまいますよね。時には怒ってしまうことがあってもやむを得ないと思います。

しかし、自分のイライラが度を越えているように思えたり、ダメな対応をしてしまっていると感じたり、はたまた、「我が子は特にイヤイヤ期がひどい子の特徴に当てはまるのではないか」と心配になったりする場合は、保健センターなど育児に関する専門家がいる施設等に相談してみると良いでしょう。

おわりに

2歳前後に自己主張が激しくなる時期が来るのはごく自然なことで、いわゆる「自我の芽生え」とも呼ばれる状態であり、イヤイヤ期とはそういった成長の証でもあります。

「自分の気持ちや考えが出てくるところまで成長したんだな」「今まさにイヤ!と言いながらさらなる成長をしているところなんだな」と思って、時には親御さんの方も必要な支援を受けつつ、どうにか乗り切っていただけたらと思います。

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このコラムを書いた人
臨床心理士・公認心理師
心療内科や児童相談センター、学校、被害者支援施設など、多くの現場で相談や心理検査を経験されてきたカウンセラーさんです。親子関係・夫婦関係・子育て・発達障害・ハラスメントやDV被害など様々な相談を得意とされています。
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