かわいい我が子のはずなのに、育児に疲れて毎日イライラしてしまう…そのようにお悩みのお母さんはとても多いです。子どもがおとなしいときや機嫌がいいときは可愛いと思えるのに、機嫌が悪いときや言うことをなかなか聞いてくれないときに、つい怒鳴ったり八つ当たりのように怒ってしまった…そんな罪悪感に悩まされる方は多いです。しかし、育児に疲れてしまうのは珍しいことでも悪いことでもありません。24時間体制で頑張っているからこそ、疲れが出てしまう育児。疲れを溜めないためにはどうしたらいいのでしょうか。
目次
- 育児で疲れる理由
- 育児疲れの解消法
- まとめ
うららか相談室が実施したアンケート調査では、日頃ストレスを抱えているというお母さんは64.4%にものぼりました。育児そのもの以外にも、パパが育児や家事に非協力的、お金のやりくりが毎月大変、自分の時間がなくて休む暇がない、といったことがストレスとして挙げられています。
(調査概要)
調査期間:2020年6月8日~19日
調査対象:18歳以下の子供をもつ女性 662名
調査手法:リサーチサービス「fastask」を使用
調査主体:オンラインカウンセリング「うららか相談室」
臨床心理士とは・・・
悩みを抱える人との対話をベースに、精神分析や心理療法を使って問題の解決をサポートする「こころの専門家」です。
うららか相談室には、多くの臨床心理士が在籍しています。
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育児疲れを最も感じやすいのは、赤ちゃんが産まれてから2週間ごろがピークと言われています。出産による体の疲れに加え、24時間体制での育児、睡眠が充分にとれないことから、疲れがピークになりやすいです。特に、1人目の赤ちゃんであれば、慣れない育児に戸惑ったり、自分がしっかりしなければというプレッシャーもあり、精神的に疲れてしまう方が多いです。
次に疲れを感じるのは、子どもが2歳ごろの人が多くなります。およそ2歳になると、子どもにも自我が芽生え、いわゆる「イヤイヤ期」が始まります。新生児の頃とは違い、授乳や夜泣きによる疲れからは徐々に開放されてきますが、何をしようとしても「イヤ」と言われ、お手上げ状態になるお母さんは多いです。
そしてイヤイヤ期が終わり、次は小学生の子どもに疲れを感じる人が多いです。身の回りのことに関しては自分でできるようになってきますが、「言うことを聞いてくれない」「宿題をやってくれない」「学校のプリントを出してくれない」「忙しいときに限ってわがままを言う」といったことで疲れるお母さんが多いです。
「育児は思うようにいかないもの」「大変なこともある」と頭で分かっていても、疲れがたまって育児をやめてしまいたい、と思うこともありますよね。我が子をかわいいと思う気持ちに反して、本当に育児をやめたいと思っているのであれば注意が必要です。まずは自分がどの程度疲れてしまっているのか、チェックしてみましょう。以下に当てはまる項目はありますか?
もし1つでも当てはまるものがあれば、かなり疲労気味です。
しかし、疲れているからといって、「明日からやめた」とできないのが育児ですよね。
疲労気味であれば、リフレッシュする方法を考えたり、精神的に厳しいときは、カウンセリングを受けるのもおすすめです。
世の中のお母さん達は、育児のどんなことで疲れているのでしょうか。
◇思い通りに進まない
育児がイライラする大きな原因は、思い通りに進まないということです。赤ちゃんが小さい頃は、寝たいのに寝てくれない、ミルクを飲んでほしいのに飲んでくれない、泣き止んでほしいのに泣き止んでくれない、と全て自分の思い通りにはなりません。子どもが少し大きくなってくると、着てほしい服を着てくれない、幼稚園に行きたがらない、ご飯をちゃんと食べてくれない、などといったことが起き、小学生以上になると勉強をしてくれない、朝起きてくれないなど、なかなか思い通りにいきません。
また、育児をしていることで、家事が思うように進まないということもイライラする原因になります。料理をしたいのに泣き止んでくれない、洗濯物を干したいのに遊んでほしいと駄々をこねられる、といったことが日常的に起きると、ストレスがたまりますよね。
◇安心できる時間がない
子どもが小さいうちは特に、子どもから目が離せないため、安心して過ごせる時間がなく、疲れてしまう原因になります。子どもは何を口に入れるか、何を触るか分かりませんし、気をつけていても危ない目にあうのではないかと思うと、自分のお昼寝さえもゆっくりできず、疲れが取れない状態が続いてしまいます。子どもが寝返りをうまくうてないと、うつ伏せになったまま窒息してしまうのではないか、子どもが立てるようになると転ぶのではないか、歩けるようになると火元に近づいたりベランダに出てしまったりするのではないか、急に道路に飛び出てしまうのではないか、など心配事を挙げるとキリがありません。
かわいい我が子だからこそ心配になるのですが、子どもが寝るまでひと時も安心できず、どっと疲れてしまう人は多いです。
◇わけもなく「イヤ」と言われる
子どもに自分の意思が芽生えてくると、「イヤ」と言うことを覚えます。そのうち何を提案しても「イヤ」と言う時期がありますが、子どもはどうして嫌なのかまだ説明できません。
せっかく作ったご飯も「イヤ」、用意した服も「イヤ」、幼稚園に行くのも「イヤ」、なんでも「イヤ」と言われて拒否されると、「じゃあどうしたいの!?」と怒りたくなり、ストレスがたまる人が多いです。
◇旦那が協力してくれない
育児が大変でも、旦那が協力的で、せめて話を聞いて一言「大変だったね、ありがとう」と言ってくれるだけでも救われますよね。しかし、家事や育児は女性がするもの、という態度をとられると、疲労感はどっと増します。
子どもが泣いていても無視をする、ゲームばかりして育児に協力してくれない、そんな態度を見て疲れがたまる人は多いです。
では、育児の疲れがたまったときは、どのように対処するのがいいでしょうか。
◇旦那と話し合う
旦那が非協力的で疲れがたまっている場合、しっかり二人で話し合うことが大切です。育児や家事に非協力的な旦那ほど、その大変さがよく分かっていないケースが多く見られます。ですので、何が大変で、どういったことをしてほしいのか、きちんと言葉で説明しましょう。
また、協力してくれたら、最初はダメ出しせずに感謝の気持ちを伝えましょう。誰でも初めてやることは、最初から全部はうまくいきません。そこでダメ出しをされたら、一気にやる気が失せてしまうでしょう。まずは感謝の気持ちを伝え、ちょっとでも助かったということを伝えるようにしましょう。
◇30分でも自分一人の時間を作る
育児の疲れは、一人の時間がほとんどないことも原因です。ちょっと雑誌を読む、テレビを見る、そんなことでさえ、育児をしているとなかなかできません。もし家族の協力が得られるのであれば、家族に頼って一人の時間を作ってみましょう。家族の協力が得られない場合、一時保育などを利用するのもいいでしょう。
昔は大家族で、複数人で育児をするのが当たり前でしたが、今はお母さんが実質一人で育児をしなければならない、という人も多いです。分担で育児をするのと比べると、負担が大きくなるのは明らかです。他の人に助けてもらいながら育児をするのは、何も恥ずかしいことではありませんし、むしろ普通のことです。ベビーシッターや一時保育などをうまく利用して、少しでも一人になれる時間を作ってみましょう。
◇手抜きできる家事は手抜きする
家事が負担になっている人は、上手に手抜きをしてみましょう。食事を用意するのが大変であれば、出前をとったり外食をする日を作る、せめて買い物に行く負担を減らしてスーパーの宅配サービスを利用するなどすれば、負担は少しでも減るでしょう。家事全般が大変であれば、家事代行サービスを利用するのもおすすめです。1週間に1度でも利用して、作り置きをお願いしたり、掃除洗濯をまとめてお願いするだけでも、家事の負担は減ります。
掃除も、忙しい日はやらない、そんな日があってもいいでしょう。育児は365日休むことができませんが、家事なら少々休んでも問題ありません。家事がしんどいと思った日は無理せず手抜きする方法を考えてみましょう。
◇誰かに話を聞いてもらう
もし一人で育児の悩みを抱えているのであれば、誰かに話を聞いてもらうのもおすすめです。話を聞いてもらうだけでストレス発散にもなりますし、自分で抱えていた悩みが意外とあっさり解決するかもしれません。
子どもの悩みや家庭の悩みを、友達に話しにくいという方は、カウンセリングの利用もおすすめです。特に、子どもの成長や発達に関する悩みは、専門家に聞いた方が的確な回答をもらえます。
一人で抱えていると不安やストレスは膨らんでいくことがあります。誰かに聞いてもらうことで肩の荷がおり、疲れが緩和されやすくなるので、一人で悩んでる方は誰かに話を聞いてもらうことをおすすめします。
◇自分にご褒美をあげる
育児を頑張ったときは、自分にちょっとしたご褒美をあげるのもおすすめです。アイスクリームやケーキ、お菓子など、ちょっとしたものであっても、自分にご褒美を用意し、頑張った自分を認めてあげることで、疲れを癒しましょう。
育児の辛い気持ちをお話してみてください。育児の疲れを減らす方法をカウンセラーと一緒に考えていきましょう。
オンラインカウンセリングのうららか相談室では、臨床心理士などの専門家に自宅で悩みを相談することができます。
◇完璧主義をやめる
育児でストレスをため込みやすい人には、育児や家事を完璧にこなさなければ、という頑張り屋さんな人が多いです。育児というものは思い通りにいかなくて当たり前です。子どもが野菜を食べないとき、栄養が偏るのではないか、そんな心配からつい厳しく叱ってしまったり、イライラしてしまうかもしれませんが、子どもは完璧な育児でなくてもしっかり育っていきます。自分でなんでも教えてしっかり子どもに教育しなければ、と思っていたことも、幼稚園や保育園に通うと勝手に覚えてきたりするものです。
部屋の掃除についても、子どもが小さいうちは散らかって当たり前です。子どもに片づけることを教えるのは大切ですが、出来なかったときに怒るより、できたときに褒める、ということを意識するだけでも、精神的に余裕が持てます。
あまり完璧主義になりすぎずに、少し手を抜くくらいの気持ちで子育てしてみると無理せずに過ごすことができます。
◇他の家庭と比べない
他の家庭と比べてしまうと、「あそこのママはいつも笑顔で格好もきれいにしているのに」「怒鳴ったりしたのを見たことがないのに」それに比べて私は…と落ち込んでしまう原因になります。しかし、その家庭にはその家庭の悩みがあり、外からちょっと見ただけでは分からないこともたくさんあります。
また、子どもの成長も、その子どもによって大きく違います。他の子と比べると不安になるかもしれませんが、専門機関で相談して問題ないのであれば、あまり気にしすぎないようにしましょう。
◇今しかない貴重な時間だと考える
子どもは、あっという間に大きくなります。どんなに大変だった新生児の頃の授乳も、「後から振り返ると一瞬だった」と言うお母さんは多いです。イヤイヤ期の2歳も、過ぎてしまえばあっという間で、いつの間にかお友達と遊ぶ時間が増えて、「ママ!ママ!」と言って駆け寄ってくれることはなくなる、と振り返る人は少なくありません。手がかからなくなると言えば楽に聞こえますが、同時に寂しさを覚える人も少なくありません。
授乳もイヤイヤ期も、ママと一緒にいたいから幼稚園に行きたくない、と泣くのも、過ぎてみれば一瞬の出来事のように感じます。そう思えることができれば、つらいことがあっても「これも今しかない貴重な時間なんだな」と、少し余裕が持てるのではないでしょうか。
気持ちに余裕がなくなったら、この時間もきっと後から思うと大切な瞬間なんだな、と自分に言い聞かせてみてはいかがでしょうか。
育児というのは、思い通りにいかないことの連続で、疲れてしまうお母さんも多いです。子どもが小さいうちは手がかかりますし、周囲からの協力が得られないと孤独を感じて辛いものです。
どうしても育児が辛い、なかなかストレスが解消されない、そのようにお悩みであれば、第三者に相談したり、家事を手抜きしたり、1人の時間をつくったりしてみましょう。
育児は、「終わってしまえばあっという間だった」と言うお母さんがとても多いです。「子どもがこんなに懐いてくれるのは今だけ」と思うと、心に少し余裕ができたという体験談もよくあります。もし育児に行き詰まってしまったら、「子どもとこれだけ一緒にいれる時間は今しかないな」という気持ちで育児をしてみてはいかがでしょうか。