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  1. 生きづらいと感じる人はどうしたらいい?生きづらさの原因について

生きづらいと感じる人はどうしたらいい?生きづらさの原因について

生きづらさを抱えながら毎日を過ごすのは、なかなかしんどいものです。しかし「生きづらい」というのは個人的な感覚なので、他者からは理解されにくく、「甘えだ」と断定されてしまった経験を持つ人もきっといることでしょう。

生きづらいのは本当に甘えなのか、生きづらいと感じる原因にはどんなものがあって、どう対処したらいいのかを中心にお話しますので、生きづらさを軽減する参考にしていただけたらと思います。

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目次

- 生きづらいと感じるのは甘えではない

- 生きづらさの原因は?

- 生きづらいと感じる人はどうしたらいい?

- おわりに

生きづらいと感じるのは甘えではない


生きづらさは甘えと言う人もいますが、本当にそうなのでしょうか。


・生きづらさとは具体的にどんなこと?

「生きづらさ」といっても、人や時期によってその実態は様々です。よくある生きづらさには、このようなものが挙げられます。


☑ 人に気を使ったり顔色をうかがったりして疲れてしまう

☑ 何をしてもうまくいかない

☑ 不安・孤独感・寂しさなどを強く感じる

☑ 自分に自信が持てない、自分が嫌い

☑ 日常的な頭痛・腹痛・倦怠感・不眠・食欲不振などの体調不良


こういった感覚が長期的に続く状態を、生きづらさと呼ぶことができます。生きづらさは個人の中に自動的に湧いてくるものなので、同じ環境にいても生きづらさを感じない人も当然います。しかし、他の人がどうであれ、本人の中に上記のようなものをはじめとするしんどさがあるならば、その人は生きづらさを抱えていると言えるでしょう。


・生きづらさは自分の意思ではコントロールできないもの

生きづらさと関連して抑うつや回避、様々な体調不良等の症状が出ることがありますが、その状態が、逃げているように見られたり、もっと頑張ればできるのにやらないで甘えていると捉えられたりするのは珍しいことではありません。

しかし、生きづらさを感じている人は「甘え」と言われがちなこともよく知っていますし、そのような声を内在化して、自分でも甘えているのではないかと考えて自責の念を抱く人も少なくありません。それは当事者にとっては余計にしんどいことですが、少しでも甘えだと思われないように頑張って、それがまた自分を疲れさせてしまうこともあります。できることなら適度にやった方が周囲からも「甘え」だなんて言われなくて済みますし、その方が自分も楽なはずです。


しかし、生きづらさは、本人の意思や気の持ちようだけでどうにかできるものではありません。「甘え」だと言われないように頑張りたいのに、自分ではどうにもコントロールできないからこそ余計に苦しく、さらなる生きづらさにもつながってしまいます。このようなしんどい状況に身を置いているだけでも精一杯もがいていると言えますし、それを「甘え」と捉えるのは現実には適わないと言えます。

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生きづらさの原因は?


お伝えした通り、同じ環境にいても生きづらさを感じる人と、そうでない人がいます。生きづらさは主観的な体験であり、そう感じざるを得ない経緯や要因があります。では、どんなことが生きづらさを発生させるのか、主な要因を見ていきましょう。


・不適切な生育環境

虐待、両親の不仲、貧困など苦しい環境で育つことは、大人になってからも続く生きづらさのとても大きな要因になり得ます。

このような環境で育つ子どもは、親の顔色をうかがったり、家庭内の雰囲気を少しでも良くするために自己犠牲的に気持ちや行動を調整したり、過敏にならざるを得ないことが多く、そのような生活を通して身につけた考え方や行動の様式が、長じてからも原家族以外の人間関係の中でも自然と表れることが、生きづらさにつながります。

アダルトチルドレンと呼ばれる方々も生きづらさを抱えることが多いですが、アダルトチルドレンになるのも不適切な生育環境が背景にあります。


・繊細な性格

生来的な性格のために生きづらいという場合もあります。近年知られるようになったHSP (Highly Sensitive Person ハイリー・センシティブ・パーソン)もその一例ですが、とても繊細で敏感な性質の人は、他の人が感じ取らないような小さなことにも気が付いてしまうため、落ち込んだり気に病んだりする機会が多くなりがちです。そして、それが生きづらさにつながることもあります。


・発達障害など障害や病気

ASD(Autism Spectrum Disorder 自閉スペクトラム症)やADHD(Attention Deficit/ Hyperactivity Disorder 注意欠陥・多動症)など発達障害をお持ちの方は、その特性ゆえに生きづらさを感じることがとても多いです。

また、発達障害について理解の少ない環境にいなくてはならない場合、周囲からの不当な評価や不適切な対応によって、人と違う自分を辛く思うことや、二次的な生きづらさが出てきてしまうことも珍しくありません。

発達障害以外のあらゆる障害や病気も、健常者を基準にしてできている世の中では当然、生きづらさの原因になります。


・適さない環境にいる

学校や習い事、職場などでのいじめ、ハラスメント、過剰な量の課題や仕事を求められるなど、問題のある環境に身を置いていると、自信喪失や抑うつ、体調不良といった症状が出てくることがあります。

環境自体には問題がなくても、自分に合わない雰囲気や職種の中にいる場合も同じように、生きづらいと感じるようになることもあります。


・人間関係などにおけるつらい体験

犯罪被害や性被害、事故に巻き込まれるなどのトラウマ体験はもちろん、人間関係のトラブルや挫折体験など何らかのつらい経験が、それ以降の生きづらさのきっかけにもなり得ます。


・睡眠不足や体調不良

仕事や学業、育児などが忙しくて充分に睡眠がとれないと、心身に良くない影響を及ぼします。それが抑うつ、食欲不振や頭痛など別の体調不良を引き起こし、うまくいかないことが多くなると生きづらさに繋がってしまいます。


・考え方の癖

自分と人を較べてしまう、他人の自分より優れていると思えるところにばかり着目して落ち込んだり羨んだりする、何かあると自分に原因があるような気がしてしまうなど、何かにつけて自分をしんどくさせてしまうような考え方の癖があると、とても生きづらくなってしまいます。

生きづらいと感じる人はどうしたらいい?

では、どうしたら生きづらさを軽減していけるのか、その方法をいくつかご紹介します。


・じゅうぶんな睡眠をとり、生活を整える

睡眠には、心身の疲労回復、免疫を高める、記憶の定着、感情の安定など様々な効果があります。逆に睡眠不足が重なると、集中力や判断力の低下、認知症・高血圧・うつ病など様々な病気のリスク増大、イライラや不安の傾向が強まるなど、生きづらさに結び付く諸症状が出やすくなります。

朝は太陽の光を浴びる、日中の適度な活動、バランスの良い食事をとるなど、生活習慣を整え、じゅうぶんな睡眠をとるようにすると、それだけでも心身の調子が整い、生きづらさを減らすことが期待できます。


・環境を変える

生きづらさが今の環境から来ていると思われる場合、思い切って環境を変えることで生きづらさが解消される可能性は高いです。自分に合わない仕事内容や人間関係のストレスが大きいならば、部署異動の希望を出す、しんどい人間関係からは距離を取るなど、自分を守るために可能な範囲で環境を変えられるよう動いてみると良いでしょう。


・自分の考え方の癖を知る

そうはいっても、今の環境でもっと頑張らないといけないのではないか、逃げるのは悪いことなのではないかと思えて、なかなか環境を変えられない人も多いかと思います。しかし、辛い環境に身を置いてきた時点で、すでにじゅうぶん頑張っているという見方もできますし、苦しい場所から逃げるのは何も悪いことではありません。

にもかかわらず、それが悪いことのように思えてしまうとしたら、それは客観的現実とは違う捉え方をしているということで、生きづらさに繋がる考え方の癖とも言えます。真面目過ぎる人、繊細過ぎて過剰に人の期待に応えなくてはと思ってしまう人によく見られる傾向です。

このように、自分を辛くさせてしまうような考え方の癖を自覚することで、より自分を楽にさせる別の考え方や行動が見えてくるはずです。


・自分と他人は別物であることを意識する

人の顔色をうかがってしまったり、きっと悪く思われているに違いないと感じてどうしたらいいか分からなくなってしまったりするのも、生きづらさを感じやすい人の特徴のひとつです。

他人の気持ちや捉え方はその人のものですが、そこに過剰に自分の憶測を踏み込ませてしまっているという意味で、他人と自分の境界線があいまいになっている状態とも言えます。

人の考えていることは本人から言われない限り分からない、という客観的な認識に留め、過剰に自分にとって苦しい方向に想像を膨らませないようにすることで、自他の境界線を明確にしていき、生きづらさを軽減していくことができます。


・カウンセリングを受ける

こういった、生活の改善や考え方の癖の修正は自分でも実践可能ですが、自分に合った方法がよく分からない、一人で続けていくのは難しいという場合には、カウンセリングを受けるのも一案です。

今の生きづらさに関する辛さを吐き出したり、生きづらさの原因になったと思われる出来事までさかのぼってお話して、それに関する記憶や捉え方を一緒に整理し直したり、認知行動療法などの技法を使って考え方の癖や行動をより楽な方に修正したりと、いろんなやり方があります。

カウンセラーがお困りごとをじっくり聞き取り、どんな方法でどうなっていきたいかを相談し合いながら、生きづらさを取り除いていくことが可能です。

おわりに

生きづらさに苦しんでいる人は、その人なりに試行錯誤や努力をしてきた経緯があり、それでも状況が変わらないために生きづらさを感じるに至ると考えると、決して甘えているわけではないことがお分かりいただけるかと思います。

生きづらいという感覚を軽減するための方法はいろいろありますので、やりやすいものから試してみて、うまくいかないようならカウンセリングも検討してみてはいかがでしょうか。

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このコラムを書いた人
臨床心理士・公認心理師
心療内科や児童相談センター、学校、被害者支援施設など、多くの現場で相談や心理検査を経験されてきたカウンセラーさんです。親子関係・夫婦関係・子育て・発達障害・ハラスメントやDV被害など様々な相談を得意とされています。
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