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  1. ポリアモリーのつらい悩み。嫉妬心とパートナーとの関係性について

ポリアモリーのつらい悩み。嫉妬心とパートナーとの関係性について

ポリアモリーという言葉をご存じですか?ここ日本でも、合意の上で複数の人と非独占的なパートナーシップを構築している方が存在しています。ポリアモリーについて知っていくことで、もしかするとあなたや、あなたの周りの方々の恋愛スタイルやパートナーシップについて、新しい見方ができるようになるかもしれません。

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目次

- ポリアモリーとは

- ポリアモリーが抱えやすい悩み

- ポリアモリーのパートナーの悩み

- ポリアモリーの悩みを解消するには

- ポリアモリーを批判する心理

- おわりに

ポリアモリーとは


ポリアモリー(Polyamory)とは、1990年代にアメリカから広まった、複数性愛という意味を持つ造語です。ラテン語のPoly(複数)とAmore(愛)が語源の合成語であり、すべての相手の合意の上で、オープンに複数の人と同時に親密な関係を築く恋愛スタイルのことを示します。明確な定義が確立されているわけではありませんが、ポリアモリーの関係は、性愛のみに基づくのではなく、複数のパートナーがいる場合も一人ひとりを尊重し、誠実に向かい合う考え方が大切にされています。したがって、性的欲求の大きさと結び付けたり、パートナーへの愛情が軽いと考えたりすることは本質的ではありません。

また、1人とだけ恋愛関係を築いていくスタイルをモノアモリー一夫一妻制をモノガミー多重婚をポリガミーといいます。

ポリアモリーが抱えやすい悩み

ポリアモリーの方が抱えやすい悩みについて、大まかに見ていきましょう。


◇嫉妬心との付き合い方

ポリアモリーはパートナーを独占しないことが前提であるものの、パートナーを大切にしているからこそ、別の相手に嫉妬心を抱くことも当然あります。

ポリアモリーの方が全てパートナーとの関係について同じ考え方を持つかといえばそうではなく、養育歴や性格、考え方の違いによりそれぞれ異なります。嫉妬の原因も様々であり、例えば、「パートナーが、自分と自分以外の相手に優劣をつけているように感じられる場合」に、自分とは別れてしまうのではないかという不安を抱えることが挙げられます。また、特に「モノアモリーのパートナーが、他の誰かとも恋愛関係があることを秘密にしていた場合」には強い嫉妬心を抱えることになるでしょう。もしもあなたがパートナーへ強い嫉妬心を抱えているのであれば、何に対する嫉妬心であるのかを考えたうえで、お相手の方と冷静に話し合ってみることをおすすめします。お互いが心地のいいお付き合いをするためには、お互いの考え方を共有していくことが大切です。


◇カミングアウト

日本や欧米では現在、一夫一妻制が当然のものとされているため、ポリアモリーについてカミングアウトをしづらいと考えておられる方が多くいます。友人や家族にカミングアウトをする場合、まずはポリアモリーとはどういう恋愛スタイルなのかを分かりやすく説明することが大切です。ポリアモリーの考え方と浮気、不倫を同様に考えている方が多いことから、ポリアモリーの恋愛スタイルは「すべての人の同意に基づいていること」を伝えたうえで、なぜあなたがポリアモリーの恋愛スタイルを望んでいるのかを伝えるのがよいでしょう。事前に考えを整理したり自己理解を深めたりしておくと、相手にうまく伝えられやすくなります。また、その説明を受けて相手がすぐに納得して応援してくれる場合もあれば、質問をしてきたり、否定するような言葉をかけてくることもあるかもしれません。しかし、相手の反応に対して全て応答する必要はなく答えたい範囲で質問に答えればよいでしょうし、否定されるような反応を得ても気を落とすのではなく、時間を経て相手が理解してくれることもあると、長期的な視点で考えていくことも大切です。あなた自身が望んでいる恋愛スタイルで、あなたが幸せに暮らしているのであれば、その姿を見て少しずつ友人や家族も理解を深めてくれるはずです。


また、本当はポリアモリーな生き方を強く望んでいるけれど、相手に拒絶されるのが怖く、隠れて複数の恋愛関係をつくる人もいるのではないでしょうか。心からお互いのことを理解し合い、オープンなお付き合いをするためには、カミングアウトをお相手の方に早い段階で行うことで、不安を抱えたり、悩んだりする時間も軽減されていくのではと思います。

日本ではポリアモリーのカミングアウトをしている方が世界的に見ると少ないため、ポリアモリストとして生きていくための一人ひとりに合ったロールモデルを見つけにくいかもしれません。カミングアウトには、「まず、カミングアウトを本当にしたいのか、したくないのか」「誰にいつカミングアウトをしていきたいのか」など、考えていくポイントがいくつもあるので、問題の複雑さに悩むことも少なくないと思います。カミングアウトについてお一人で悩むのではなく、信頼できる方に相談をしたり、カウンセリングを活用していただき、カウンセラーと一緒に向かい合っていくことも検討していただければと思います。


◇周囲の無理解・批判

一人ひとりの性格や個性が異なるのと同じように、愛の形もさまざまであるはずです。しかし、実際には大多数の考え方を押し付けようとする人や、少数派の方々の考えに理解を示さず、批判をする人も多くいます。周囲の全ての人から理解を得たいという気持ちを持つのは自然なことだと思いますが、ポリアモリーであるか否か、マイノリティに該当するかしないかに限らず、誰からも好かれ、誰からも賛同を得られる生き方というものも存在しないと思います。したがって、ポリアモリーであるために周囲から理解を得られず、批判に悩んでおられる場合は、ご自身のことを否定するのではなく、本当に大切で信頼できる方のみの声に耳を傾けるようにしたり、まずはそういった方々とだけオープンに話していく意識を持つことをおすすめします。そうすることで、理不尽に傷つけられることも減るはずです。

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ポリアモリーのパートナーの悩み

自分はモノアモリーであると自認しているけれど、パートナーがポリアモリストであるという人も少なくないでしょう。パートナーがポリアモリストであることを分かったうえでお付き合いをしていても、以下のように様々な悩みを抱えることがあります。(恋愛スタイルは、ポリアモリーとモノアモリーに二分されるものではないので、ここでは「非ポリアモリー」という言葉を使っていきます。)


◇将来の不安

非ポリアモリーの方のパートナーがポリアモリストである場合、結婚や出産のことを考えると、パートナーが自分と一緒に家族を築いてくれるのか不安になることがあるでしょう。自分はパートナー1人だけのことが好きなのにパートナーは自分1人だけを見てくれないことについて、長期的に付き合っていかなければならない不安を抱える方も多いでしょう。自分が未来にどのような生活をしていきたいのかを明確にしたうえで、それをポリアモリーのパートナーと共有し、お互いに求めている将来が同じ方向を向いているのかを確かめていくことが大事であると思います。


◇嫉妬心

非ポリアモリーの方のパートナーがポリアモリストである場合、パートナーには自分以外にも恋愛関係を築いている人がいるという事実を受け入れられず、独占欲や嫉妬心に悩むこともあるでしょう。こういった感情を1人で抱えておられるのはとても辛いことですし、パートナーとの関係にいずれ心地よさを感じなくなってしまうことがあるかもしれません。嫉妬心を抱いている場合は、ポリアモリーの関係において何に嫉妬心を抱くのかをパートナーに話してみることで、2人でいる時のルール等を決めていくのもよいでしょう。恋愛関係の基準は人により異なりますので、2人が納得できる関係性を一緒に考えていくことが大切です。


◇周囲の反対

非ポリアモリーの方がポリアモリストと恋愛関係を持ったときに、周囲に偏見の目で見られたり、パートナーのポリアモリーな関係を心配してくる人もいるかもしれません。恋愛の在り方についての決まりはなく、それぞれの愛の形を認めてもらいたいものですが、説明しても理解してもらえなかったり、伝わらないこともあるでしょう。

周囲のすべての人に理解してもらうことよりも、まずは信頼できる人にだけ本音を打ち明けてみることや、同じ境遇である「ポリアモリストをパートナーとする非ポリアモリーの方」に相談するのがよいでしょう。周囲から反対されることがあっても、ご自身のことを責めたり、自信を無くしたりするのではなく、前向きに理解者を探して、仲間を見つけていくことが大切です。

また、カウンセリングで、ポリアモリーのパートナーに他の相手がいるということや周りの人たちの反対への向き合い方などを考えていくこともできます。ポリアモリーのパートナーのことで複雑な悩みを抱えている人は、ぜひ活用してみてください。

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ポリアモリーの悩みを解消するには


周囲に理解されなかったり、批判や反対意見を受け続けるのはとても辛いことです。しかし、パートナーの在り方、恋愛スタイルに正解はなく、最終的には自分たちが幸せになれる方法がご自身の正解であるはずです。

日本にもポリアモリーの方同士が交流できる場所やコミュニティーがあります。「ポリアモリー コミュニティー」「ポリアモリー 交流」というようなワードでインターネット検索してみると、同じ境遇にいる方とのつながりを作ることができて、情報交換をしたり助言をもらったりすることで、ご自身のパートナーへの考え方や恋愛スタイルに自信を持てるようになったり、未来像が具体的に見えてくるようになるかもしれません。

また、カウンセリングを通して、ポリアモリーについて、またはご自身の恋愛スタイルへの疑問周囲の反対との向き合い方などをご一緒に考えていくこともできますので、お一人で悩みすぎることのないようにしましょう。

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ポリアモリーを批判する心理

日本では同性婚が認められていなかったり、一夫一妻制が当たり前として根付いていたり、マイノリティーの方への制度が遅れていると言われています。そのようなことから、ポリアモリーが理解されなかったり、批判を受けやすい社会なのかもしれません。また、浮気や不倫問題で苦しむ方がおられる中、ポリアモリーが関係する人たちの合意を得て性愛関係を築いているにも関わらず、複数と性愛関係を持つことは性に旺盛なだけではないのかという偏見を持たれたり、ポリアモリストが複数のパートナーのうち1人との間に子を授かった場合の子どもの心理を懸念する方がいたりといったように、ポリアモリーを批判する人の背景には、その人の置かれている状況や、社会を見る色眼鏡がとても関与しているようにも感じます。恋愛の在り方に問わず、人は自分の当たり前を基準にして、他人の当たり前を時に批判したりすることもありますが、それぞれの考え方を尊重しあえるような社会になってほしいものです。

おわりに

仕事やライフスタイルが多様化している中、恋愛の在り方についても人それぞれの考え方を尊重しあえる社会になれば、誰もが生きやすい世の中になっていくことでしょう。誰かの考えに賛成するか、反対するかという両極端な考え方ではなく、お互いを知ろうとすることで、存在を認め合う意識が持てると良いのではと思います。

ポリアモリーを自認されている方、ポリアモリーの生き方が自分に合っているかもしれないと思う方でお悩みの方がおられましたら、お一人で抱え込まず、カウンセリングを活用してご一緒に向かい合っていくこともできますので、お気軽にご利用ください。カウンセラーと話をしていく中で、前向きな気づきが得られることもあります。

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参考サイト

・Polyamory means loving more than one person

https://www.independent.co.uk/life-style/love-sex/polyamory-meaning-open-relationship-dating-b1806945.html

・ポリアモリーとは?【日本の現状を実践者が解説】

https://jobrainbow.jp/magazine/whatispoliamory

・複数の同性、異性を同時に愛する「ポリアモリー」に今気になること、ぜんぶきいてみた

https://forzastyle.com/articles/-/49087

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このコラムを書いた人
社会福祉士
社会福祉協議会、小学校で社会福祉士・児童指導員として勤務し、様々な生活相談(大人の発達障害、HSP、養子縁組、児童虐待、生活困窮、障がい者や高齢者の介護者など)に携わる。現在はオランダで活動中
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