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  1. 疲れているのに眠れないのはなぜ?ストレスによる原因と対処法

疲れているのに眠れないのはなぜ?ストレスによる原因と対処法

更新日 2024.12.26
健康・メンタルヘルス・気分
うららか相談室

疲れているのになかなか眠れない、そんな日が続くと身体もしんどくなり、精神的にもストレスがたまってイライラしたりしますよね。明日も早く起きなければいけないのに寝付けない、疲れているのに早く目が覚めてしまって疲れが取れない、といったことは、何が原因なのでしょうか。また、よく眠るための対処法にはどのようなことがあるのでしょうか。

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目次

- 疲れているのに眠れない原因

- 眠るための対処法

- 睡眠障害やうつ病などの精神疾患の可能性も

- まとめ

疲れているのに眠れない原因

  • 体内時計が乱れている

体内時計とは、日中に活動的になり、夜になると徐々に休息モードになるといったように、体内で感じているリズムのことです。この体内時計が乱れると、夜になっても身体が休息モードにならなかったり、日中に眠くなったりしてしまいます。体内時計が乱れる主な原因としては、食事や起床時間など、生活のリズムが乱れていることが挙げられます。


  • 運動不足で体が疲れていない

睡眠には、脳と体の両方の疲れを回復させる効果があり、体が疲れていないとなかなか寝付けなくなってしまいます。現代は脳を酷使することが多くなり、体を使う機会が少なくなっています。通勤以外にほとんど動かない、休みの日は家から一歩も出ていない、そんな日が続くと、運動不足が原因で眠れなくなってしまいます。


  • ストレスがたまっている

ストレスがたまると、自律神経が乱れやすくなります。自律神経とは、交感神経と副交感神経の二つの神経を指します。おもに日中の活動時には交感神経がはたらいて(優位になって)いますが、夜に自宅などでリラックスする頃になると交感神経は劣位になり、副交感神経が優位になります。この二つの神経がバランスよく作用することで、心身が活動的になったりリラックスしたりしますが、ストレスを感じていると交感神経が優位な状態が続きます。そうすると、夜になってもリラックスできず、なかなか眠れなくなってしまいます。


  • カフェイン

カフェインには眠気を抑制させる作用があるため、寝る前に摂ったり、日中に過剰摂取したりすることで、寝付きが悪くなってしまいます。カフェインはコーヒーだけでなく、紅茶、緑茶、ほうじ茶、ウーロン茶、ココア、エナジードリンクなどにも含まれています。

仕事のときは毎日コーヒーを飲んでいて、家では緑茶を飲んでいる、という方や、毎日エナジードリンクを何本も飲んでいる、という方は、カフェインの摂りすぎで眠れなくなっているのかもしれません。


  • スマホやパソコンなどの画面光

夜遅くまでパソコンでゲームをしたり、寝る直前までスマホを触ったりしていると、なかなか眠れなくなってしまいます。

スマホやパソコン、タブレットなどの画面から発する光にはブルーライトという刺激の強い光が含まれています。ブルーライトは太陽の光に含まれており、本来は日中にだけ浴びるものでしたが、夜にスマホなどのブルーライトを浴びることによって、身体が活動時間と錯覚します。副交感神経が優位な状態は自然な眠りを誘いやすいですが、ブルーライトを浴びることにより、副交感神経を優位にする作用を持つメラトニンというホルモンの分泌が抑えられ、交感神経が優位になり、眠れなくなります。

一度スマホを置いて寝ようとしたのに、なかなか寝付けないからまたスマホを開く、といったことをしていると、ますます眠れなくなる悪循環に陥ってしまいます。

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眠るための対処法

  • 朝、日の光を浴びて体内時計をリセットする

起床してから、太陽の光を浴びることで、身体が活動時間の始まりを認識し、メラトニンの分泌が抑制されます。そして、夜には再びメラトニンが分泌され、自然と眠くなるようになっています。

もし可能であれば、カーテンを開けて寝るのもいいでしょう。

休日はカーテンを閉めてお昼までゴロゴロしてしまう、在宅ワークで平日もカーテンを閉めたまま外に出かけず過ごしてしまう、そんな方は、朝日を浴びるようにすると、体内時計が整って、睡眠の質が良くなるかもしれません。

また、食事や起床の時間は毎日なるべく決まった時間に行うようにすると、体内時計が整いやすくなります。


  • ストレッチをする

ストレッチをすることで、副交感神経が優位になり(リラックス効果があり)、自然な眠りを誘いやすくなります。

また、仕事や通勤で座りっぱなし・立ちっぱなしが続いたりすると、筋肉が凝り固まり、身体が疲れやすくなりますが、ストレッチをすることで、血管を圧迫する筋肉の凝りがほぐれ、血流がよくなり、疲労していた筋肉に酸素や栄養が供給され、疲れがとれやすくなります。

ストレッチをするときは、ゆっくり呼吸をしながら、リラックスした状態で行いましょう。また、激しい運動は副交感神経のはたらきを抑制するため、痛いのを無理して行う必要はなく、身体が気持ちいいと感じるくらいの強さで行うようにしましょう。


  • 夕方以降はカフェインを摂らない

カフェインを全く摂らないというのは難しいですが、夕方以降はできるだけカフェインを摂らないようにしましょう。どうしてもコーヒーを飲みたい方は、ノンカフェインやカフェインレスのコーヒーがおすすめです。お水ではなくお茶を飲む習慣のある方は、カフェインの含まれる緑茶やウーロン茶ではなく、カフェインが含まれていない麦茶やルイボスティーなどに代えてみましょう。


  • 寝る2時間前になったらスマホやパソコンを見ない

寝る2時間前になったら、スマホやパソコン、テレビなど、ブルーライトを含む光を放つ画面を見るのは避けるようにしましょう。本を読んだり、照明を落として音楽を聴いたり、ストレッチをしたりして過ごすことで、副交感神経が優位になり、眠気を誘ってくれます。


  • 睡眠にいい栄養素を摂る

食事の内容を見直すことで、睡眠の質を上げることが期待できます。睡眠の質を上げるのに役立つ栄養素は、トリプトファングリシンGABAなどがあります。

トリプトファンは、睡眠の質を高めるホルモンであるセロトニンとメラトニンの分泌に必要な栄養素で、乳製品や青魚に多く含まれています。

グリシンは、身体の内部の熱を下げて、身体の末端部分の血液量を増やして温める効果があります。手先や足先が冷たくて寝れない方は、グリシンを積極的に摂るのがおすすめです。グリシンは、お肉や魚介類に多く含まれています。炭水化物に偏った食事や、ダイエット中だからと野菜などの低カロリーなものばかり食べているとグリシンが不足しがちです。

GABAには抗ストレス作用や、副交感神経のはたらきを促進する作用があり、リラックスしやすくなります。発芽玄米や乳酸菌発酵食品に多く含まれています。


  • 38℃~40℃の湯船に浸かる

疲れていると、ついシャワーだけで済ませてしまいがちですが、湯船にしっかり浸かることで、睡眠の質を上げることができます。38℃~40℃のぬるめのお湯に浸かることで、身体をしっかり温めてリラックスし、副交感神経を優位にする効果があります。寝る前に42℃以上の熱いお湯につかると、今度は交感神経が優位になり、眠りにくくなります。

浮力によって筋肉の緊張をほぐしたり、むくみを解消したりして、疲れをとる効果もあるので、ゆったりと湯船に浸かるようにしましょう。


  • ストレスをうまく発散させる

ストレスを感じている状態だと、交感神経が刺激され続けて、眠れなくなります。趣味を楽しんだり、ウォーキングなどで体を動かしたり、友だちと話したりして、ストレスをうまく発散させるようにしましょう。悩みやストレスを抱えている方は、カウンセリングで心の内を話し、気持ちや考えを整理することで、ストレスを軽減することができます。また、認知行動療法などの心理療法では、ストレスの原因となるものとの付き合い方や捉え方を見直すことで、ストレスを軽減することができます。

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睡眠障害やうつ病などの精神疾患の可能性も

なかなか眠れないのは、睡眠障害うつ病の症状である可能性も考えられます。睡眠障害やうつ病は、適切な治療を受けることで改善されるため、病院で診てもらう必要があります。

眠れないなどの問題が一カ月以上続く場合は、不眠症などの睡眠障害と診断される可能性が高くなります。うつ病は、おもに気分の落ち込みや絶望感、無気力などの症状が見られます。

そのほか、頭痛など身体的な症状を改善することで、ぐっすり眠れるようになることもあります。不眠の原因となる代表的な身体症状に「むずむず脚症候群(レストレッグス症候群)」が挙げられます。横になると脚がむずむずするような感覚に襲われるため、眠りにくくなります。むずむず脚症候群は、薬物療法や栄養剤、生活習慣の見直しにより改善が期待されます。


まとめ

疲れてストレスがたまっているのに、なかなか眠れないこともストレスになり、睡眠不足で日中は集中できない、といった悪循環に陥ると、苦しいですよね。休みの日も決まった時間に起床して朝日を浴びたり、カフェインを控えたり、ぬるめの湯船にしっかり浸かったりといったことで、睡眠の質は向上しやすくなります。複雑な心理的ストレスを抱えている方は、カウンセリングで気持ちを整理したり、ストレスとの付き合い方を見直したりすることも効果的です。一カ月以上、改善しない場合は睡眠障害やうつ病などの症状である可能性が考えられます。適切な治療を受けることで改善されるので、病院で受診をしましょう。

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<参考文献>

日本神経治療学会 治療指針作成委員会, "標準的神経治療:Restless legs症候群", 神経治療 Vol. 29 No. 1:76-108, 2012
安居雅子 坂内慎, "睡眠改善食品 機能性表示食品成分グリシンを中心として", ファルマシア Vol. 52 No. 6:530-533, 2016
藤林真美ほか, "GABA経口摂取による自律神経活動の活性化", 日本栄養・食糧学会誌 Vol. 61 No. 3:129-133, 2008
長谷川大輔, セロトニンの増加が心身に及ぼす効果 | 医療法人社団 平成医会, 2021.02.15, https://heisei-ikai.or.jp/column/serotonin/(2021-08-25 最終閲覧)
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このコラムを書いた人
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