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  1. 昼夜逆転の治し方は?原因や対策についても解説

昼夜逆転の治し方は?原因や対策についても解説

昼間起きて活動し、夜になったら眠るという生活サイクルが逆転し、夜間は起きて朝方や昼間に眠りに就く生活を昼夜逆転といいます。昼夜逆転した生活には心身の健康におけるリスクがあると言われています。

なぜ昼夜逆転に至ってしまうのか、昼夜逆転にはどんな悪影響があってどうしたら改善していけるのか、そして予防策などについてご紹介します。

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目次

- 昼夜逆転が続くとなぜいけないのか

- 昼夜逆転の原因

- うつ病や睡眠障害など病気の可能性は?

- 昼夜逆転の治し方

- 昼夜逆転の予防・対策

- おわりに

昼夜逆転が続くとなぜいけないのか


まずは昼夜逆転のデメリットから見ていきましょう。


・日中の活動の質や量に悪影響を及ぼす

昼夜逆転ぎみで充分な睡眠時間を確保できないまま日中の活動をする場合、睡眠不足による眠気や集中力の低下、疲労の蓄積、心理的に不安定になりやすいなどの悪影響があります。

その結果、学業や仕事、人間関係などにも思わしくない影響が出てくるおそれもあります。


・心身の病気のリスクが高まる

睡眠には成長ホルモンを分泌して傷ついた細胞を修復したり、免疫力を高めたりする作用があります。昼夜逆転による睡眠不足でその作用が弱まると、糖尿病や心筋梗塞などの生活習慣病、がん、認知症、うつ病など、様々な心身の病気のリスクを高めてしまいます。


・太陽を浴びる時間が減ることのデメリットも

夜勤などで夜起きていて昼間に眠る形の昼夜逆転で、昼間しっかり寝ていて睡眠時間は確保できているという方もいることと思いますが、同じ睡眠時間でも昼間眠るのと夜眠るのとでは、前者の方が太陽の光を浴びる機会が減ってしまうという点で健康上のデメリットが大きくなります。

というのも、人間の身体には体温やホルモン分泌などにおける約24時間周期の概日リズム(サーカディアンリズム、体内時計などとも呼ばれます)があり、夜は休息モードに入るのが自然なリズムです。概日リズムは24時間よりやや長く、地球の周期とはおよそ1時間のズレがあります。そのズレを修正するには朝日を浴びることや運動、食事などが必要なのですが、夜起きている人は朝日を浴びる時間が短く、概日リズムが乱れたままになりがちなのです。

概日リズムの乱れは、睡眠障害、起きている間の眠気や集中力の低下、肥満、生活習慣病などのリスクを高めます。

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昼夜逆転の原因

昼夜逆転はどのような理由から発生するのでしょうか。


・多忙や勤務体制など生活パターンの問題

夜勤などの勤務体制による場合はもちろん、そうではなくても学校の部活時間の長さや課題の多さ、仕事量が多くて残業や帰宅後も仕事をせざるを得ない、子どもの夜泣き等、望ましい時間に就寝できない生活パターンも、昼夜逆転の原因となります。

そのような生活パターンの影響で食事や入浴などの時間が徐々に後ろ倒しになり、それに伴って眠りに就く時間もだんだん遅くなっていくことも珍しくありません。


・周辺環境の問題や環境の変化

自宅周辺の騒音や看板などの光で夜になっても視覚的・聴覚的に刺激が多かったり、何らかの事情で家族が夜遅くまで起きていたりするなど、自宅内外の環境でなかなか眠りに就けず昼夜逆転を引き起こすこともあります。

また、引っ越し・進学や転職などで環境が変わり、緊張や不安から昼夜逆転気味になる場合もあります。


・心身の病気

心や身体の病気と昼夜逆転が連動することもあります。これについては、次章で詳しくお伝えします。

うつ病や睡眠障害など病気の可能性は?

様々な病気が昼夜逆転の背景になることがあります。


・概日リズム睡眠障害の可能性もある

睡眠障害とは眠りに関する病気の総称で、不眠症・過眠症・睡眠時随伴症などが含まれます。眠りたいのに眠れない、しっかり寝たつもりなのに昼間強い眠気に襲われるなど、睡眠の問題は多岐に渡りますが、これらは昼夜逆転の背景となり得ます。

また、概日リズムが崩れて、望ましい時間に眠れない/起きられない状況が続いている場合は、概日リズム睡眠障害になっているおそれもあります。昼夜逆転気味でも用事があれば午前中の適切な時間に起きられる、そうしようと思えば毎日同じ時間に起床・就寝ができるような場合は問題ないのですが、必要な時間に起きられない形の昼夜逆転は概日リズム障害や睡眠障害のおそれがあります。


・うつ病でも昼夜逆転は起こり得る

入眠困難や中途覚醒、不眠など、うつ病の主症状として睡眠にまつわる症状があります。うつ病は午前中特に症状が強く出る傾向があり、午前中の活動量が少なくなると夜寝つきが悪くなり、やがて昼夜逆転してしまうこともあります。

睡眠以外の症状がなかったとしても、眠りにまつわる症状があれば睡眠障害のおそれはあります。また、睡眠の問題からうつ病などの病気につながってしまうこともあります。


・思春期の子どもは起立性調節障害の疑いも

起立性調節障害は思春期の子どもによく見られる、起きたり立ったりした際にめまいや頭痛など自律神経系の症状が出るものです。朝なかなか起きられないのも起立性調節障害によくある症状で、昼夜逆転にも陥りやすいと言えます。


・睡眠の問題は認知症とも深い関わりが

一般的に高齢者は眠りが浅くなりますが、認知症の方はさらにその傾向が強まります。認知症の中でもアルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症の場合、脳の中の睡眠と関連する部分が変性するため、特に眠りの問題や昼夜逆転傾向が顕著に出やすくなります。

夜間の睡眠が浅くなったり睡眠時間が短くなったり、日中に仮眠を取りがちになって、それがますます夜の眠りを妨げたりすることで昼夜逆転が起きてしまいます。

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昼夜逆転の治し方


昼夜逆転してしまったときの治し方には、どのようなものがあるのでしょうか。


・病気やその疑いがあるときは病気の治療をする

お伝えした通り、昼夜逆転は心身の病気が背景となっていることもあります。その場合は、まず病気の診断や治療を受けることが大切です。

やる気が起きない、好きだったことも楽しめない、昼間の眠気が強くて仕事や学業に支障が出ているなど、昼夜逆転以外にも気になる症状があるときは心療内科を受診するとよいでしょう。


・朝起きて太陽の光を浴びる

乱れた概日リズムを調整して昼夜逆転を治すには、光、適切な食事や運動が大切です。特に朝日を浴びることが重要だとされています。いったん昼夜逆転のサイクルに入ってしまうと、早く寝ようと思ってもなかなか寝付けないことが多いので、まずは朝起きて太陽の光を浴びましょう。朝、太陽の光を浴びることで概日リズムがリセットされ、夜も適切な時間に眠くなるようになります。

朝起きたら散歩に行って朝食を取り、日中は眠くても昼寝をしないようにして、三食しっかり食べると、徐々に早起き早寝のサイクルに入り、心身の調子も整ってくるでしょう。


・寝る3時間前に夕食を、1~2時間前にスマホやゲームを終える

スムーズに眠りに就きやすくするために、食事や生活を調整するのも有効な手段です。

望ましい就寝時間の3時間前までに夕食を済ませて、入浴をして心身をリラックスさせておきます。寝る直前までゲームをしたりスマホを見たりする習慣がある方も多いかと思いますが、それらは質の良い睡眠を妨げてしまうので、寝室に持ち込まないのが最善です。遅くとも就寝の1~2時間前までに終えるのが理想的です。

家族との連絡などでスマホを見ざるを得ない場合は最低限の確認に留め、可能な限り早めに画面から目を離し、眠りへの態勢を整えましょう。


・睡眠の記録をつける

睡眠の記録を付けてみるのも効果的な対策です。


☑床に就いた時間

☑眠り始めた時間

☑途中で目が覚めた場合はその時間

☑起床時間

☑昼寝をした場合はその時間

☑起床時の気分

☑その日の出来事


これらの項目について記録を付けると、普段どれくらい眠れているのか、どんな条件で眠りにくくなるのか等、自分の睡眠や生活リズムをつかみ改善点を明確にする効果があります。

インターネット上には睡眠を記録する表をダウンロードできるサイトがいくつもありますし、質の良い睡眠を促すスマホアプリもあります。それらを活用するのも良いですね。

昼夜逆転の予防・対策

そもそも生活を昼夜逆転させないための予防策についても知っておきましょう。


・日光を浴びて活動をする

昼夜逆転のリセットにも有効な日光ですが、昼夜逆転させないための予防策としても大切です。朝の太陽光を浴びて日中は活動し、夕方以降は徐々に就寝モードに入って適切な時間に床に就くというリズムを日々繰り返せば、自然と昼夜逆転しにくい心身を作れます。


・寝るときと起きている間のメリハリをつける

休日は昼間もパジャマのまま過ごしたり、ソファーで横になったりする方もいるかと思いますが、睡眠のためにはあまり好ましい習慣とは言えません。

外出予定がなくても朝起きたら着替える、寝室以外では横にならない等、昼間と夜間のメリハリをつけて「この服を着てこの部屋に来たら寝る」という習慣を作ると、時間になったら自動的に眠るスイッチが入りやすくなります。


・ストレスをためない

精神的な疲労は睡眠を妨げることがあります。ストレスがたまってきたと感じたら好きなことをしたりリフレッシュできる時間を持つ、信頼できる人に話を聞いてもらうなどして、ストレスをため過ぎないようにするのも、質の良い睡眠につながります。

おわりに

仕事のシフト、友人関係や趣味などの影響で、昼夜逆転のサイクルに入ってしまうことは誰にでもあり得ます。心身の調子が悪くなければ大きな問題にはならないかもしれませんが、昼間の活動や体調に変化が出てきたら、可能な範囲で昼夜逆転を元のサイクルに戻していく対策をすると良いでしょう。

早起き早寝の習慣は病気を遠ざけ、すっきりした気分で過ごせる可能性を高めます。質の良い睡眠を大切にして、少しでも心身を健康に保てるといいですね。

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このコラムを書いた人
臨床心理士・公認心理師
心療内科や児童相談センター、学校、被害者支援施設など、多くの現場で相談や心理検査を経験されてきたカウンセラーさんです。親子関係・夫婦関係・子育て・発達障害・ハラスメントやDV被害など様々な相談を得意とされています。
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