「仕事に対してやる気が出ない」
「仕事に行きたくない」
「どうしてもモチベーションが上がらない」
誰もがこのようなことで悩んだ経験があるのではないでしょうか。
仕事のやる気が出ない自分に対して、「甘えている」と感じてしまう人もいるかもしれませんが、心身の不調から、仕事を頑張れない状態に陥っていることもあります。
今回は、仕事のやる気が出ない原因や、病気との関連、対処法についてご紹介しますので、悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
目次
- おわりに
職場に行くと、周りの人はいつも通り仕事をしているため、みんなやる気があるように見えるかもしれませんが、仕事のやる気が出ない人は、意外と多いものです。
ミライトーチが日本全国の社会人を対象に行った調査(※)では、78.7%の人が「仕事のやる気が出ないことがある」と回答しています。
このように、実は多くの人が、「やる気が出ない」という気持ちを抱えながら仕事をしています。仕事のやる気が出ないとき、後ろめたさを感じたり、自分を責めたりする必要はないでしょう。
仕事のやる気が出ない原因は人によって様々で、環境や状況によっても異なります。どのような原因があるのでしょうか。
・心身が疲れている
十分な休息が取れずに、肉体的・精神的に疲れがたまっている状況は、やる気の低下につながる大きな要因です。残業や休日出勤が多かったり、ノルマや人間関係でストレスを抱えていたりすると、心身に疲労がたまり、モチベーションも上がらないでしょう。また、ストレスや疲れが睡眠・食事などに影響を与え、体調不良を引き起こすこともあり、負のループに陥ってしまいます。
・仕事にやりがいを感じられない
仕事にやりがいを感じられないと、やる気を出しづらくなります。仕事に慣れたことで興味や新鮮さがなくなったり、毎日同じ業務の繰り返しでマンネリ化していたりすると、仕事がつまらないと感じてしまうことがあるようです。これは、仕事に対してやる気や熱意のある人にも起こりうる現象です。また、このような場合、やる気が出ない状況が一時的なものではなく、長期に渡って続いてしまうことがあります。
・職場の人間関係が悪い
職場の人間関係の悪さは、仕事のやる気に大きく影響します。たとえ仕事内容が自分のやりたいことだったとしても、人間関係が良くないと、仕事にやる気が出ないどころか、仕事に行くこと自体が憂鬱になってしまうこともあるでしょう。仕事では、多かれ少なかれ人との関わりが不可欠です。職場の人たちとの関係が悪いと、連携がうまく取れず、スムーズに業務を遂行することが難しくなってしまうかもしれません。そのような状況では、仕事に対してやる気が出づらくなってしまいます。
・プライベートで悩みを抱えている
プライベートで悩みを抱えていると、仕事中もその悩みに意識が向いてしまい、仕事に集中できないことがあります。集中できない状態で仕事をしていると、ミスが多くなり、その結果仕事に対する自信をなくして、やる気を保つことが難しくなってしまうかもしれません。
・結果を出しても正当に評価されない
努力や結果が正当に評価されていないと感じることも、やる気の低下につながります。
「頑張っているのに評価が低い」「結果に対して報酬が見合っていない」といったことがあると、モチベーションが低下し、働く意味を見失ってしまう可能性があります。
・仕事に集中できる環境が整っていない
働き方が多様化し、在宅勤務をする人も増えましたが、仕事に集中できる環境が整っていない場合、どうしてもやる気が出ないということがあるようです。また、上司や同僚とのコミュニケーションが不足したり、オンオフの切り替えが曖昧になったりすることで、仕事を進めづらい状況になり、やる気も出にくくなってしまうかもしれません。
前述の通り、仕事にやる気が出ない人は多いものですが、やる気が出ない状態が長く続いていたり、他にも症状が出ていたりする場合、以下のような病気や不調の可能性もあります。「ただやる気が出ないだけ」と放置していると、症状が悪化してしまうこともありますので、心当たりがある場合は、早めに医療機関や専門家に相談しましょう。
・うつ病
うつ病とは、気分の落ち込み、抑うつ、意欲の低下などの精神的な症状のほか、不眠、食欲不振、倦怠感など、身体的な症状が現れることもある病気です。何事にも意欲が湧かず、無気力な状態が長期に渡って続くことがあります。
うつ病の原因は、まだはっきりと解明されていませんが、様々な要因が複雑に絡み合って発症するといわれています。
仕事のやる気が出ないことのほか、以下のような症状がある場合は、うつ病の可能性も考えられます。
・適応障害
適応障害とは、職場・学校・家庭など、特定の環境において、強いストレスをきっかけに心身に不調をきたす病気です。抑うつ、意欲の低下、不安症状、不眠、食欲不振など、様々な症状が現れることがあります。
適応障害は、原因となるストレスから離れると、症状が改善することが特徴です。そのため、まずはストレスの原因となっている環境を特定することが重要ですが、職場や学校にストレスの原因がある場合、休みの日は元気に過ごせることもあり、周りから誤解されることも少なくありません。無理を続けていると症状が悪化したり長引いたりすることがありますので、注意が必要です。
・自律神経失調症
心身は、交感神経と副交感神経がバランスをとることでうまく機能しています。しかし、心や体にストレスが及ぶと、そのバランスが崩れ、心身に様々な不調があらわれます。この状態のことを自律神経失調症といいます。
自律神経失調症は、抑うつ、意欲の低下、不安感、イライラ、頭痛、めまい、動悸、疲労感など、他にも人によって様々な症状が見られます。
神経のバランスの乱れは体の検査では異常を確認することができないため、症状がつらく病院にかかっても、原因がわからず、我慢し続けてしまうことがあります。その結果、日常生活や社会生活に支障が出るほど悪化してしまう可能性もあるのです。
カウンセリングを通じて、自身の内面とじっくり向き合ってみませんか?
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仕事のやる気が出ない原因が人によって様々であるため、対処法も人によって異なります。やる気が出ない原因を踏まえて、以下のような対処法の中から自分に合ったものを試してみましょう。
・休息をしっかりとる
仕事のやる気が出ないときは、心身が疲れている可能性があるので、まずはしっかり休むことが大切です。精神的な疲れが原因と感じている場合でも、睡眠不足や疲労などの肉体的なダメージが原因となっていることもあります。休息をしっかりとることで精神的な疲労も回復するかもしれません。
・目標を立てて仕事に取り組む
会社から与えられた仕事をこなすだけでは、モチベーションを保つことが難しい場合は、自分で目標を設定してみましょう。出来るだけ小さな目標をたくさん設定し、達成していくことで、仕事に張り合いを感じられるようになるかもしれません。それが習慣になると、仕事の能率が上がり、周りからの評価につながる可能性もあるでしょう。
・働く環境を変える
職場の環境や人間関係の悪さは、自分で解決することが難しい問題です。我慢して働き続けるとメンタルの不調につながってしまう可能性もあるため、異動や転職を検討するのもひとつの方法です。環境が変わって、人間関係や労働環境が改善されれば、仕事に対するモチベーションが上がるかもしれません。
しかし、一時的な感情で仕事を辞めてしまうと、後悔につながってしまうこともあるため、やる気が出ない原因を明らかにし、慎重に検討したうえで決断しましょう。
・プライベートを充実させる
仕事のやる気が出ないことが気になって、休日も仕事のことを考えてしまっては、疲れがとれません。仕事は仕事、プライベートはプライベートと割り切り、休日は自分の好きなことや趣味を楽しみましょう。楽しみがあることで、「その楽しみのためにも仕事を頑張ろう」という気持ちになれることもあります。
・評価や給与について上司に相談する
自分の努力や成果に対して、十分な評価や報酬が得られていないと感じる場合は、そのことについて上司に相談してみましょう。評価基準が曖昧なままでは、頑張る気持ちも湧いてきません。上司に伝えることで、会社として的確な評価基準や報酬制度の導入を検討してもらえる可能性があります。
・自分の将来を考えてみる
自分が将来どうなりたいかについて考えてみることも、やる気の回復につながることがあります。仕事面において、「キャリアアップしたい」「希望の事業に携わりたい」といった目標でもいいですし、プライベートで「海外旅行に行きたい」「憧れの家に住みたい」などの希望でもかまいません。それらを叶えるために、今の自分に何ができるのかを考えれば、仕事のやる気が出てくるかもしれません。
・カウンセリングを受けてみる
仕事のやる気が出ないことについて、カウンセリングを受けてみるのもおすすめです。
カウンセリングでは、心理の専門家であるカウンセラーが対話によって相談者の悩みを引き出し、状況や頭の中を整理しながら、改善に向けてアドバイスを行ったり、対策を一緒に考えたりしていきます。
仕事のやる気が出ないことについて、対話を通して様々な角度から原因を探り、状況を整理してもらうことで、自分自身でも気づかなかった原因や問題を見つけることができるかもしれません。
カウンセリングは、ビデオカウンセリングや電話カウンセリング、メッセージカウンセリングといったように、オンラインで気軽に受けることもできるので、自分の希望に合わせて利用してみましょう。
仕事に対してやる気が出なくなってしまうことは誰にでもあることで、罪悪感を抱く必要はありません。やる気が出ない原因を明確にし、的確な対処法を行うことで、やる気は回復する可能性がありますので、今回ご紹介した方法を試してみてください。
「色々試してもやる気が長期間回復しない」「仕事のやる気が出ないことの他にもつらい症状がある」といった場合は、一人で抱え込まずに、医療機関やカウンセラーに相談しましょう。
※調査対象:社会人男女1,023人(20代:268人、30代:264人、40代:257人、50代:234人)
調査地域:全国
調査期間:2023年11月2日~9日
調査主体:ミライトーチ編集部
調査委託先: 株式会社ジャストシステム
https://www.hop-job.com/resume/p004/